見出し画像

【Kaigoフットケア】普及啓発の理由 ー家族介護・母編ー


私が24歳の時に母は他界しています。約10年間、入退院を繰り返し呼吸器系の疾患による闘病生活を送っていました。そのうちの約5年間は24時間在宅酸素を使用していました。


最期まで「歩いてトイレに行きたい」という  人間の本能


「あとどれくらい?」と医師に尋ねたという母。

「5年くらいかな‥」と医師から。

あと5年くらいという母の余命を母が教えてくれたのは自宅で2人きりでいた時でした。



それから2〜3年後。

自分の生命の変化を感じ、叔母に頼み身辺整理や新しい敷布団を用意する母。

母が最期の自宅で暮らしていた期間。トイレまでの往復6m程の距離を歩くのに呼吸苦が酷く現われるため、何度も何度も足を止めながらトイレに向かわなければいけない状態でした。当時、介護福祉士でもあった私はポータブルトイレをベッド横に置くことを何度も勧めましたが、排便時だけは家族に片付けをさせるのが申し訳ないと漸く完全にポータブルトイレを使用することになったのは自宅で暮らす最期の1ヶ月程余りの期間でした。


入院中も一人での歩行はままならないはずなのに「看護師さんに黙って一人で歩いてトイレに行ってきた」と教えてくれることもありました。驚かされる反面、たとえ身体が思うように動かなくても「歩く」「トイレに行く」という人としての基本的生活行為に対する思いの強さ、人間の本能を母から教わることになりました。(これは一昨年、末期癌で他界した義兄からも同様のことを教わりました。)


 母が他界し、遺品を整理しているとメモ帳が出てきました。元気な頃の字の達筆さはなくなっていました。

そこには、

思い通りに歩けない生活に対しての悔しさ

が綴ってありました。


画像1

(母の残したメモより)


kaigoフットケアを学ぶことで普段のケアの視点の切り替えを‥

トイレに行くためには「立ち上がり」「立位保持」「歩く」「座る」といった動作が伴います。この動作は足を使って行う基本的動作となります。この、人のもつ本能と基本的動作を叶えるためには、足元の機能が果たせているかどうかといったことも関連してくるのです。


人が最期まで抱く想いを「伝える」ために


画像2


 足元機能の維持、転倒予防。「歩く」「立ち上がる」「踏ん張る」という基本動作が出来る限り長い生涯継続できる方が増加し、普段の暮らしや楽しみの継続にも繋がるように。

そして「歩きたい」「トイレに行きたい」という思いに対して言葉に現すことができない方もいます。もしかしたらどこかで制限されている動きもあるのかもしれません。年齢問わずに人が最期まで抱く想いを、同じ介護士の仲間にも再確認してもらえる場としても私は全国の介護に携わる方に「kaigoフットケア」を伝え「足のことを気に掛けられる」視点がもてる仲間を全国に増やしていきたいと考えています。





【お問い合わせ先】

フットスタースマイル

mail  footstarsmile@gmail.com


フットスター blog https://ameblo.jp/footstarsmile/


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?