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メガベンチャーの労務がスタートアップに転職して受けたカルチャーショック3つ

こんにちは。さかいりえです。
ご覧くださりありがとうございます。

労務 Advent Calendar 2022の19日目を担当しております。
アドベントカレンダーには他の労務担当者さまが書いている記事も読めますのでぜひカレンダーを覗いてみてくださいね。有益な情報ばかりです!


さて、2022年は転職・社労士試験・子どもの保育園入園など個人的に激動の1年だったのですが、特にスタートアップに転職して1人目の労務担当になったことが自分の中で大きな転換でした。なにせ10年ぶりの転職活動だったので。
そこで今回は「スタートアップで受けたカルチャーショック」について書こうと思います。

自分が所属してた会社2社の比較なので「メガベンチャーやスタートアップベンチャーの働き方が絶対こう!」というわけではないのですが、これから別の職種から労務としてキャリアチェンジを考えている人や、今労務を担当されていて今後転職を考えてる人の参考になれば嬉しいです。


背景

【前職】従業員1000人以上、派遣社員数千人規模のメガベンチャー。IT・人材系。労務は自分含め10名前後。私は他部署から異動し労務に7年程度所属。会社には計10年在籍。

【現職】従業員50人未満のスタートアップ。SaaS系。1人目の労務専任として勤務。上司は労務+他のバックオフィス機能を兼任しているので実質一人部署に近い。この記事を書いている入社2022年12月時点で入社5ヶ月目。

労務のキャリア

【驚きその1】とにかく業務範囲が広い!

まずは当然、一般的に「労務の仕事でしょ」っていわれるものは全て自分の担当。さらに会社のフェーズや課題に合わせてプラスの業務も担います。ある程度事前に分かっていた上で入社したのですが、改めて羅列すると労務業務って本当に幅広いんですよね。

たとえば現在の自分の業務内容を書き出すとこんな感じです。

現職のざっくりとした業務範囲


ほとんどの業務は前職でも経験したことはあるものの、大体の場合がこれらの一部ずつをチーム内で分担していたので、それを全部自分で、っていうのは実際にやってみると想像以上にチャレンジングでした。きっちりとタスク管理しないと取りこぼしそうになるし、そのミス一つが会社や従業員を困らせてしまうことになるので緊張感があります。

また、これは労務の転職あるあるだと思いますが、会社によって担当者が異なる仕事や誰がやるか曖昧な仕事も引き受けることになります。

たとえば私の場合は年末調整。実務経験どころか年末調整の意味や仕組みすら知らなかった状態だったのですが、各方面に聞きまくって調べまくって何とかやり遂げました。あとは最近、人員が足りていない部門が担当している組織図の管理、社用メールのアカウント管理などを一部巻き取ることになりました。これは前職で従業員数が少なかった時代に齧ったことがあったのでまあ、何とか。

労務のスペシャリストとして自分の業務領域に専念したい気持ちが全くないわけではない・・・けど、色んなことを引き受けることで自分のキャパシティや経験値がぐんぐん広がる・増えていくのでめちゃくちゃ良い経験になっています。あと、色んな領域で強みを持っている人が一緒になって会社を支えている感じ、なんか楽しいですよね。ベンチャーの醍醐味だと思っています。

【驚きその2】マニュアルがない!

現職に内定をいただいた後「スタートアップベンチャーだし、業務のマニュアル化はされていないかもしれないな、まあ自分が作ればいいか」とぼんやり思っていたのですが、やはり予感は的中し文書化はほとんどされていませんでした。

それでもこれまで問題なく回っていたのは前任の方々の個々のスキルが高く、各自責任をもって業務をこなされていたからなのですが、ちょうど自分が入社したタイミングが社内の働き方改革後の初月だったのでオペレーションが大きく変わり、引き継ぐ側も「これどうするんだっけ?」とみんなであーだこーだ言いながら教えてもらっていたので入社最初の2ヶ月くらいはもう頭が無限に「?」で埋め尽くされる日々でした。ひとつひとつ咀嚼して、周りに聞きまくりツール提供先のオペレーターさんにも聞きまくり、なんとか自分でできるようになって今マニュアルの文書化を進めている最中です。

人間何があるか分からないと思っているので、仮に自分が明日どこかへ高飛びしても業務がうまく回るように、くらいの気持ちでマニュアルをコツコツ作っています。あと、自分自身の記憶力が弱いというのもあります。労務業務の中には年1回どころか3年に1回しかやらないものもあったりするので、特に頻度が低い業務は記録しておかないと未来の自分が途方に暮れてしまう、というわけです。

そういえば前職でもマニュアルがほとんどない状態から労務に異動して、チームみんなで少しずつみんなでマニュアル化したのだった、と今書いていて思い出しました。

【驚きその3】その意思決定、私がやっていいんですか…?

前職では労務チームの一員だったので、仕事のやり方や方針について決め事があるときは必ず独断でなく、チームのみんなで話し合って決めていました。良くも悪くも責任が分散されていた状態です。

しかし今は労務専任は自分1人。つまり労務領域について社内で一番詳しいのは自分だし、そうあり続けなければならない。軽くざっくり所感として伝えたことが「労務の判断」とされてしまうことに気づき、発言にはかなり慎重になりました。もっと自分の頭の回転が速ければすぐに的確な回答ができるのですが・・・

また日々の労務業務のオペレーションに関する意思決定はほぼ自分に委ねられています。入社当初は「このようにやろうと思うのですがどうですか?」と逐一上司に確認していました。それが確実だし、後から違うと言われて軌道修正するよりも全体効率が良いと信じていたからです。「石橋を叩いて渡る」方式が今までの自分のモットーでした。

しかし、現職の上司より「労務業務に一番詳しいあなたに委ねます!失敗してもいいから!むしろ失敗も経験してほしい!」と言われ、大変な衝撃を受けました。今まで間違いが起こらないように、周囲に迷惑がかからないように慎重に周りと合意を取りながら仕事をするのがベストだと信じ込んでいた中、その価値観がガラガラと崩れ落ちると同時に「自分のことを信じてくれているんだ、自分の成長に期待してくれているんだ」という周りからの目に気づき、それに応えたいと思うようになりました。

さらに、今後の社員の働き方に大きく関わる施策検討も自分が提案することになります。もちろん最終的な判断は上長・経営陣に委ねられることになりますが、その判断のベースには自分の提案内容がそのまま使われるので、自分の意思決定が会社の将来に影響する怖さがあります。「会社も従業員も最大限幸せにできる方法は?」をヒラメキではなくきちんと考え抜いて提案する。このタイミングに直面する機会が今後どんどん増えていくことを思うと胃がシュクシュクする・・・というのも本音の一部ですが、労務チームの一員だった状態から転職して一人部署になり、日々大なり小なり意思決定することで視座はぐーんと上がった感覚があります。

まだまだ「指示待ち人間」からの脱却は過程の段階ですが、自分が主体的になって会社を支える一員になっていくのは想像以上に充実感がありますし、自信につながっているのを実感します。

おわりに

長文になりましたがここまで読んでくださりありがとうございます。

驚くことやチャレンジすることの連続が現在進行中で起きている日々ですが、個人的には勇気をもって新しい環境に飛び込んで本当によかったと思います。

ほとんど一人部署のようなものと書きましたが、上長や前任者の方、他機能の方などお互い気にかけたり協力しあう関係性なので、孤独ではないし、助けてもらうことも多く感謝感謝です。むしろ自分ももっと協力する側にならないと。

今後もゆっくりではありますが、労務の「これやったよ!」「これ失敗したよ!」などリアルな生態をお伝えしていきます。ありがとうございました。

現職の上司との1on1。楽しくやってます!


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