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助産師である私たちがイベント『Well-beingな生み育て準備』を続ける理由

都市部で生み育てる男女のwell-beingを支援する産前教育の場、『Well-beingな生み育て準備』は2023年6月からはじまり、12月・第二回目の開催では、助産師21名看護師3名学生6名その他4名のボランティアと22企業・団体・事業者が企画参加し、現地参加延314名(実数92名)、録画参加144組の参加がありました。今後さらに良くしていきたいこのイベントについて、文章をまとめる機会があったので、一部をここに転載します。

次回は6月16日(父の日!)。運営のキックオフがはじまったところです。がっつり運営をやってみたい方は、インスタ(@u.me.cafe)DMや望月個人のmessengerでお問合せくださいませ。当日スタッフの募集は年度明け準備が出来次第となります。ご興味のある方はぜひ予定の確保をお願いします。

支援者同士のつながりづくりや、ご自身の支援事業PRもしていただけたらうれしいです(簡単な審査があります)。今回からボランティアでない支援者の勉強目的のイベント参加は録画を含めてなくなりますので、貴重な講義を聞けるチャンスにもなります。何より、地域で生活する妊娠期の男女のリアルを知って欲しい。ぜひここでの体験をそれぞれの活動の場に持ち帰ってください。

今回の簡単な企画書&前回の報告書はこちらからご覧になれます。

『Well-beingな生み育て準備』が向き合う課題と目的(抜粋)
大阪市北区及び中央区は出生率が共に8.8と市内で2番目に高い。北区は69%、中央区は67.1%が高齢出産で、私達はタワーマンションに住む共働きの高齢初産婦と関わることが多い。一見裕福で幸福そうに見えるのに、育児に困難さを抱える親が多いことが地域の課題である。

現代の親は少子化により生育歴で育児経験が少なく、育児の「知識」「体験」が不足しやすい。従来それらを提供してきた産科医療機関でも、婦人科診療所で健診を受ける妊婦の増加、COVID-19流行による産前教育縮小により機会が不足し、行政の両親学級には定員の数倍の申込みがある。転入が多く、2021年の北区内部の調査によると初産婦の40%が、支援者がおらず「つながり」が欠如したまま育児を始める。仕事の多忙等でそれらを補えないまま出産、産後に困難を抱え虐待につながるケースもある。このような困難さを防ぐために、地域の産前教育が重要である。

妊娠・分娩期の合併症や出血は産後の心身の健康と育児に大きく影響する。社会的な支援体制を整えないまま産後を迎え困難を抱える親も多い。また、胎児期の母体環境は子の身体機能や疾病の発症に大きく影響すると言われ、産前教育が担う役割は大きい。

加えて社会は多様化している。共働き増加の一方で、共働きでも夫の家事頻度が「ときどき」以下である夫婦は5 割前後を占める。要因のひとつに妊娠期から生み育ての情報提供が女性に偏りやすい現状がある。

本事業は、パートナーシップや働き方、生み方育て方に様々なニーズを持つ、都会で子どもを迎える男女に対し、「知識」「体験」「つながり」が得られる産前教育の場を提供することで、「生みやすさ育てやすさ生きやすさ」を実現し、生み育てのwell-beingと次世代が健全に育つ社会の創出をめざす。

参考:大阪市の出生(大阪市ホームページ)、「児童虐待と親のメンタルヘルス問題-児童福祉施設への量的調査にみるその実態と支援課題-」(厚生の指標)、発達期環境に起因する疾患素因の形成機構―DOHaD の視点から―(日本衛生学会 )、「養育者の精神的健 康と子どものパーソナリティの発達-母 親の抑うつに関 して」(性格心理学研究第5巻第1 号)、「日本の父親における精神的な 不調の頻度とそのリスク要因」(国立成育医療研究センター、国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査(夫婦調査)」(2021年)

全ての男女に産前教育を。日本の生み育てのwell-being実現のために、私達はこのイベントを続けています。

ありがとうございます☺️