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ラッキー家族、爆速で家を買う~アンチ戸建が決めたワケ~/その11

物件Bを見た翌朝、我々はまたしても、首の据わらない乳児を抱えて内見に向かっていました。

これから見る物件Cは、事前情報によると、築年数50年以上で、6年ほど前にリフォーム済。

物件Bは、築30年弱で1月末にリフォーム完了予定の作業中の状態を見せてもらいました。
外装、内装、水まわり、キッチン、物置、フローリング、畳…とても綺麗にしてありましたが、やはり元々の作りゆえか、階段が急、脱衣所と浴室が狭い、それと畳のミシミシ…少しだけ気になるところがチラホラ。

中古住宅を探している以上、この程度は許容範囲とすべきところなのか、もう物件Bこそ我々にお似合いの終の住処だと納得して良いのか。

中古住宅をリフォームして、どこまで快適にできるものなのか。

一応、一応、他も見てみたい、ということで物件Cにやってきたわけです。

そして物件Cの事前情報のポイントはもうひとつ、立地の良さ。
駅、官公庁街、商業施設、学校、総合病院、どれもこれもほどほどに近いのです。
正直、そもそも場所として、住めるところだと思っていませんでした。いかにも価格が高そうで。

まあ、物件Bよりは高いのですが、思いのほか払えなくはない範囲におさまっていて、それがまた不思議でした。

やはり築年数が古過ぎて、リフォームしたとは言え、買い手がつかないのかな。
そう言えば電話したときの不動産屋さん、かなり前のめりなテンションで「ぜひ!」なんて言っていたもんな。

そんな物件C、到着した瞬間から、私と夫の脳内には、クエスチョンマークがポコポコと浮かびました。

来る家、間違ってないよね?
え?ここ?築50年以上?これが?

新築じゃなく?

そう、前日見た物件Bももちろん、外装のリフォームもされていたので、綺麗ではあったのですが、その比ではなく、ピッカピカなのです。

中に入ってみても、どこをどう見ても…
ほら、匂いまで。

新しい木の匂いですよねこれ。

ポカンとした顔で見回す我々に、不動産屋さんが説明してくださいました。

「実は、元々の家は築50年以上経っていたのですが、6年前に基礎以外取り壊して、地上に出ている部分は建て直したので、ほとんど新築も同然なんです。」

そんなことって!それもリフォームって呼ぶの?
実質、築6年みたいなもんじゃん。

「それでも、書類上は、築年数としては、50年以上という表示はしなくてはならないので」

確かにそれはそうだよな…
その、基礎は大丈夫なんだろうか。

「耐震証明を取ったので、住宅ローン減税の対象にもなりますよ」

なんかよくわからないけれど、ものすごくしっかりと安心&オトクな気がしてきた!

当初の、物件Cを見る目的(リフォームしたって中古住宅ってこんなもんだよねっていう感じを知りたいのに、中古住宅感激うす)が、根底からひっくり返っている気がしましたが、それならそれで、来てみて良かったのでは…

「こちらにお住まいだったご夫婦のお子さんが、ご両親のために建て直されたのですが、工事の途中でお父様が亡くなられて、お母様も一年住まないうちに施設に入られてしまって。お子さん方は県外にお住まいなので、誰もこちらには住まないということで…」

なるほど、そんないきさつが。

なんてお金持ch…げふんげふん、親孝行な方でしょう。
こんな好条件の家が、なぜこれまで残っていたのか、不思議です。

物件Bの、あの人の良い担当者さんには、電話でどうお話しようか、既に考え始めていた私でした。

ここから、話を聞いていくにつれ、ラッキーな事実が次々と判明していきます。
そのあたりからまた次回。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

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