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第113回 インド滞在記ーアーユルヴェーダドクターと患者さんー


こんにちはあーゆるNurseのRIEです。
Soothing Radio 第113回始まりました。
このラジオではアーユルヴェーダの智慧から癒しを発信していきます。

この配信は、ポッドキャスト、スタンドFMでお聞きいただけます。
質問やメッセージ等はインスタグラムのDMか、スタンドFMのレター機能で募集しています。送っていただけると嬉しいです。

雑談

みなさんいかがお過ごしですか?
現在南インド、ケララ州のカンヌールという場所に滞在しています。
こちらにきて2週間経過しました。毎日があっという間で、日記を書く暇もなく、過ごしています。

1日のスケジュール
6時ごろ起きて、できればヨガ。
8時朝ごはん
9時半から16時まで勉強。座学やセラピー、薬草の準備など。
その後復習などをして、19時からご飯。夕方の時間を使って散歩をしたり、買い物をしたりしています。

最近の楽しみは、近所のお菓子屋さんでインドスイーツを試していくこと。お菓子屋さんは男の定員さんばかりなのですが、ちょっとずつ顔を覚えてもらって、いくとまたきたのかって顔をしてくれます。

昨日から停電が多くてクーラーや扇風機を使えず、窓を開けて過ごしています。電力が不安定と聞いていたけど、こんな感じですね。スーパーも電気が消えて、店員さんものんびり。こういう「仕方ないよね」って気楽な感じがとても好きです。

昨日、日曜日は一緒にお勉強しているかすみさんとお散歩に行ってました。何時間くらい歩いただろう。結構暑い時間の10時ごろからゆっくり2時間くらい歩いて、カンヌールのSt. Angelo Fort (Kannur Fort)
+91 497 273 2578

ここに行ってきました。詳しく知らないけど、大砲とかがあって昔見張りをしていた場所のようです。久しぶりに海を見てとてもリフレッシュしました。

土づくりの建物 綺麗

そして何より、歩くことがすごくいいって思い出しました。
普段、種子島で生活していて島の移動のメインは車(目的の場所は徒歩で行ける距離にないことが多い)ので、海には入るけど歩くことは減っていました。元々お散歩が好きなので、久々に歩く楽しさを思い出しました!
そして、歩くことはヴァータを下げる!!
ストレスや心の疲れ、モヤモヤも全部、大地につながることでエネルギーが循環する感じがあります。

一緒にお散歩をしているかすみさん。彼女はアスリートでもある。

インドに来てから、自分の心に向き合うことが多いです。ここ数年、私が出会う人ってとても素晴らしい人、尊敬できる人、一緒に成長できる人が多かったのですが、ここに来てなかなか珍しいくらいクレイジーな人と接することがあって、結構自分の心が乱れていました。

私はインドに、学びにきた、ということを改めて考えてみて、この心の動きとどう付き合うか…冷静に考えてみました。

とある人が助言をくれて、この地球で出会う人はみんな先生、何かを学ばせてくれていて、その人や出来事に対して、悪意を持ったとき自分もそうなってしまう。(思考が現実化する)なので、いかに影響されずに、自分の成長のためにエネルギーを使えるか、穏やかで幸せな心でいられるか、そういうことを話してくれた人がいました。

人に与えられる人
幸せな人でないと人に与えられない。

話は少し変わりますが、この前サリーを買ったときにブラウスを作るためにパタンナーさんのところに行きました。道に迷ってしまって閉店時間を過ぎてお店に行ったのですが暖かく迎えてくれて、その女性はとってもおおらかで素敵な人でした。サイズを採寸してもらって、少し会話をしただけで、心がとっても癒されて、元気が出ました。
こういう人が、人に与えられる人、人を癒す人なんだなぁなんて感じていました。

生きているといろんな人に出逢いますが、人と人との関わりで心が動きます。ポジティブにもネガティブにもなるし、自分の心の中にも光の部分と闇の部分があります。それを自分なりに受け止めた上で、少しでも、こういう穏やかで与えられるような人、になるために成長していくんだろうなぁと思っています。

まずは自分を整えたり、満たしたり、心を平和に保つ術、アーユルヴェーダ、ヨガはまさにそこも大切にしているなぁと思います。

スタエフレターありがとうございます!

さて、今回スタンドFMの方からレターをいただきました!

私が今留学しているアーユルヴェーたHPにはドクターが二人いて、主治医の先生は男の先生、授業をしてくれるのは主に女の先生で、彼女の患者さんとのやりとりや、実際の治療経過を見たり聞いたりする中で感じることをお話ししていきます。

りえさん、いつも楽しい配信ありがとうございます💗
アーユルヴェーダの病院について質問です!
私のアーユルヴェーダの先生のお師匠もドクターなのですが、あまり処方としてハーブやお薬を出しているお話を聞いたことがありませんでした。(もちろん実際には処方をしているとは思います)
例えばなしで、病院に来られた患者さんへ「寝る時間を22時にしてください」とだけお伝えして、実際に患者さんの悩みが改善したという話を聞いたことがあります。その話を聞いた時、セルフケア領域の処方をされている印象でした。
りえさんの滞在をしている病院は、患者さんへの処方でセルフケア領域のアドバイスなどはされたりしていますか~?

スタエフにいただいたレターありがとうございます♪

アーユルヴェーダは患者さんの生活に寄り添っている印象です。乱れたドーシャやアグニ、また溜まったアーマの排出のためにお薬や施術の処方だけでなく生活のアドバイスも必ずあります。アーユルヴェーダのドクターは患者さんの生活、仕事、ライフステージを観察するので、西洋医学のドクターと比べると問診などは比較的長いと思います。

そして、患者さんに合わせてというところが大きいです。

内服、トリートメント、生活習慣の改善の3つが可能であれば病気からの回復は一番早いと話していました。

しかし、誰もが先生の言う通りにできるわけではなく、生活改善が向いている人、薬は飲むことができるけど、生活は変えられない人、そのほかにもプラクリティや個性に合わせていろんな方法を選ばれているそうです。

症例1)
1人の男性の症例で言えば、足の痛みが主訴にあります。週に何度か受診に来ています。トリートメンは希望されません(安定して受けることができない。)
体質的にヴァータがとても強く、落ち着きがないし、人の言うことをすぐ忘れたり、実施できない感じ。
彼が継続できることは内服、セルフマッサージだそうです。寝る前のマッサージの仕方などを説明していて、そして、寝るときのクーラの使い方などを指導していました。ヴァータの乱れも大きいため、呼吸法も説明していたけど、先生の話を遮ってしゃべってしまうため、先生の指導が最後まで伝わらない様子もありました。多分プラーナヤーマハやらなさそう…
彼は良くなったり悪くなったりを繰り返しますが、それも人それぞれの治療スタイル。

症例2)
とある女性の場合は、背部の痛み、ストレス、子育てなどの忙しさから多くの不調を抱えて受診していました。
ドクターは睡眠、食事、そして歩くこと、軽いエクササイズを指導していて、彼女は先生に言われたことを実践していました。
内服に関しては、ヴァータへのアプローチ、アーマの排出のお薬でした。ヴァータはどこから排出するかというと大腸、排便、尿からになるんですねヴァータは体の機能で言うと出す動き、排出によって過剰なヴァータを出していくことになります。ヴァータは他のドーシャも動かすので、ヴァータをケアすること、排出することは体の機能全体を改善することにも繋がります。排便って、排出することって大事!

(例えばパンチャカルマの考えで言うと、
ピッタであれば下剤を内服することによって、胃からおろしてくる
カパであれば上から吐き出すと言う感じです。)

そして生活指導の中で、1日10分、裸足で歩くことも提案されていて、彼女はそれを実施することで、排便状況も睡眠も、痛みも徐々に改善していきました。内服との相乗効果もあると思いますが、足への刺激は目や脳に直結していて、ヴァータの乱れを徐々に改善します。大地に触れること、下に下にエネルギーを下げていくこと、ヴァータを巡らすことにつながっています。

前半の私の散歩の話と繋がりますが、特に神経系、ストレス、ヴァータに関連する不調は、エネルギー的な側面からアプローチすると、足を動かす、大地につながる、排泄を整える、こう言うことから自然と調子を整えることができるんですね。

人も自然の一部で、エネルギーの循環、関連性から生活の処方を考えると、「運動を促す(裸足で歩く)」ことは、体や心を整えるためにとっても理にかなっている。

今日、受診してきたその女性の表情は穏やかで痛みも改善して、嬉しそうでした。先週は、家族が付き添いで来ていて、本人が話すことはほとんどなかったそうです。

アーシャ先生の、患者さんに寄り添う姿勢や、適切な患者さんに合わせたアドバイス(その人ができることから少しずつ提案していく)、そう言うのをみいていて、アーユルヴェーダってやっぱりいいなと思いました。


マルマの実際

最後にマルマのお話をして終わります。
アーユルヴェーダにはマルマ療法がありますが、私の印象では専門性が高く、医師が少ない、誰もが馴染みあるものではない、簡単に取り入れるのは難しい領域、というイメージです。長くかけて習得するもの。

私の病院のドクターにそのことについて話を聞くと、今はマルマ療法はいろんな知恵が組みわさってエネルギー療法、ヨーガの考え方、一つ療法として存在している部分もあるが、アーユルヴェーダの中でマルマとは、急所。避けるべきポイント、守るべきポイントとして捉えることが多いそうです。手術の時切るのを避ける、大怪我をしたときに急所かどうか診る、死に至る部分なのか、ほっておくと命に関わるの障害が残るのか、そういった視点から捉えることが多いようです。解剖学的側面もあるようです。神経、腱、血管、の配置など。

しかし、実際にマルマ療法としてやっておられるドクターもいるので、一つの治療法として存在していることも確かなんですね。

私個人としては、マルマはとても興味があります。解剖学的に可視化して捉えられる部位でもあり、エネルギー的に捉えられる部位でもある。レイキも関連していると聞いたことがあるので、マルマについて知ることはとても興味深いです。ただ、伝統的だったり、できる人が限られていたり、なかなかオープンでない印象があるので、少しずつ知っていけたらなと思っています。


今週でアーユルヴェーダHPでの滞在が終わります。残りの数日間、しっかり学びたいと思います。最後まで聞いていただき、ありがとうございました。
Rieでした。


【profile】
看護師として臨床現場に携るなかで、西洋医学だけでは補えないことがあると気づき、世の中のさまざまな医療を調べ、5000年の歴史を持つ医学アーユルヴェーダにたどり着いた。
古いけど今の時代にも沿っている不思議で素晴らしいアーユルヴェーダ。
聴いてくださるあなたの心身のコンディションが少しでも良くなるような、役に立つような、そんなお話をしていきます。
この時代だからこそ、”自分で自分の心身を整える”

BGM:808_Out of Sync-instrumental /Logeq


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