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乳幼児3人を連れて避難所で一晩-情報源・避難タイミング・持ち物など覚書

災害級の豪雨に見舞われている鹿児島。

我が家が住む市でも昨日(7月3日)、全域に警戒レベル4「避難指示」が発令されたことから、大事を取って家族5人で避難所へ避難、一晩泊まって今朝早くに帰宅しました。

幸い長期化せず、自宅周辺には大きな被害は無く済んだのですが、今回の体験が子育て家庭の災害対応の上でとても気づきが大きかったので、忘れないうちに覚書を残しておきます。

今後、他のご家庭や地域で何かのお役に立てれば幸いです。


【我が家の家族構成と立地】

4歳・2歳(まだオムツ)・0歳3ヶ月(ミルク・母乳混合育児)の子ども3人と夫、私の5人家族

自宅は中心市街地から車で5〜10分の距離。川が近く、土手よりも低い土地のアパート1階。
ハザードマップでは浸水域に入っているが、河川情報webの洪水浸水域には入っていない。(つまり水溜まりができる可能性はあるけど川の氾濫は来ないよってこと?でもすぐそこ川だけど???)


【警報や被害状況などの情報源】

締め切った家の中にいると外の音や様子が分からなかったため、出窓を雨が吹き込まない程度に空けて、常に外の様子がわかるようにしていました。

家の中では以下で情報を得ていました。

・TVのニュース番組や枠で区切られた情報テロップ
  ←全体的な大まかな情報、警報発令情報などは把握できるが、地元霧島の様子・避難所の位置など細かいことは把握しづらい。※dボタンで確認できるらしいが、あまり使わなかった

・県内の報道機関、地元と隣の市2つのラジオ局のTwitter・Facebookアカウントや公式WEBページ
  ←地元近辺の最新情報が頻繁に更新されるので大変重宝しました。避難所にはTVがなかったので、避難中の情報源にも。

・市町村のTwitter・Facebookアカウントや公式WEB
  ←発令中の警報や避難所開設状況などが一度に確認できます。分からないことの問い合わせ先情報も。※ちなみに地域の防災無線も放送がありましたが、雨や車の音で聞こえない…防災無線確認用の電話番号もあるそうです。その番号も市町村WEBに載ってました。

・知り合いのTwitter・Facebook投稿
  ←情報の正確さに差があるので注意がいりますが、信頼できる方の投稿やシェアは状況確認や対応方法、避難時の持ち物注意点など、とても役立ちました。

ハザードマップ
  ←は全国各地のマップを調べられるポータルサイト。「(市町村名)ハザードマップ」でネット検索してもすぐに出てきます。洪水(河川氾濫)、土砂災害、地震などなど、災害それぞれによってマップが異なるので見にくい&ややこしいですが、自宅近辺がどのような災害リスクがあるのかを知るには一番良い方法なのかな?
   マスメディアからも「ハザードマップをご確認ください」とのアナウンスがありました。地域で配られている防災ハンドブック的なものがあれば、その中にもハザードマップが載っているはず。

Yahoo!JAPAN天気・災害 河川水位情報
  ←全国各地の河川の現在の水位を調べられます。「今の水位がどれくらい氾濫の危険性が高いのか」を色別でわかりやすく表示してくれます。水位は気になるものの実際に見に行くのはとても危険なので、このサイトはかなり重宝しました。頻繁に確認していました。

国土交通省 川の防災情報
  ←大きめの川にかかる橋に設置されたカメラのライブ映像が見れます。水位も確認できます。が、アクセスが集中したのか途中から繋がらなくなってしまいました。

以上です。我が家の場合は川の氾濫だけが心配だったので、もし土砂崩れの心配がある地域の方は、他にも情報源が必要かもしれません。

ネットが使えるのであればとにかく検索する!国や地域・大手メディアの発信するSNSアカウントと公式ウェブサイトが一番安心して活用できました。


【避難した経緯とタイミング】

7月2日夜:雨が続いていて、警戒レベル4「避難勧告」発令。仕事から帰った夫と「近くの川大丈夫かな?」と話す。「さすがに避難まではいかないと思うけど念のため、結婚当初に購入した大人3人分の避難リュックの中身を確認し、足りないものを準備しておこう」という話に。小雨だったので、足りないものは夫が車で買いに走りました。(詳しい持ち物は下記参照)

※「避難勧告」の前に「避難準備」警報が発令されていたのかもしれないですが、気づかず…本当ならもっと早い段階で避難準備はしておいたほうがいいです。買い出しを考えるとこのタイミングは本当にギリギリでした。実際行かなそうでも、すぐに避難できる準備だけは早めにしておいたほうがいいです。普段からできているのがもちろん一番ですが…

7月3日朝:昨日よりも強い雨。昨日と同じく警戒レベル4「避難勧告」。各種情報源にアンテナを張りながらも家事をしながら過ごしていました。
しかし午前11時ごろにTVで緊急速報!避難勧告よりも緊急度の高い「避難指示」発令!同時にスマホの防災アラームも鳴り、外では防災無線も放送。
仕事に行っている夫に連絡すると「あと1時間くらいで仕事を切り上げて帰れる」とのことなので、すぐに家を出られるよう準備しながら夫の帰りを待つ。この間、子どもたちにお昼ご飯を食べさせつつ、荷物の最終確認と、TVとスマホで自宅付近の状況確認。

※家から避難できそうな避難所は2日夜の段階でいくつか調べていました。その中から、周りに駐車場が多い市街地の避難所に行こうというやり取りをこの段階で夫としました。でもこのやり取り、2日夜の段階でしておいた方がよかったと反省。(もちろん普段からできていることが一番です…)

※本来であれば、避難時の車移動は避けた方が良いとされています。渋滞が発生している地域もありますし、緊急車両の妨げになってしまったり、すでに冠水している場合は車が動かなくなって閉じ込められてしまったりする場合も。今回は致し方なく車移動を選びましたが、今後のために移動方法を考えておこうと思いました。

7月3日13時ごろ:夫帰宅。近くの川はすぐに氾濫しそうな水位ではなく、近辺に危険もまだ無さそうだった為、私と夫も昼食を食べてから避難しようという話に。
①このあと夕方から翌日午前中まで更に豪雨になる予報だったこと(夜中が危ない)
②小さい子どもが3人いてすぐに身動きが取れないこと
③1階に住んでいること
④ハザードマップを見ても実際の危険性がよくわからないこと
などから自然と避難しようという方向で話が合いました。やはり『小さい子どもがいて何か起こってからでは身動き取れない』ことが一番の判断基準だったかもしれません。

7月3日15時ごろ:家の戸締り・火の元を確認し、車で自宅を出発。避難所近くの駐車場に停めて避難所着。すでに10組以上の方々が避難していました。うちと同じように子ども連れのご家庭・ご高齢の方が特に多かったです。

7月3日18時ごろ:おそらく仕事終わり?で避難されてくる方が多かったです。でもこの頃にはスペースが少なく、廊下に敷かれたブルーシートの上で過ごされている方々も。

7月3日19時ごろ:各地の川で氾濫危険水位を超えたというニュースが。土砂崩れや道路冠水のニュースも目立ってきました。ちょうど満潮の時間帯。やはり、満潮時は水位が一気に上がって被害が大きくなっていました。
心底、早めに避難してよかったと実感。もしもまだ自宅にいたら、どれだけ心細かっただろうか…しかも視界が悪く日が落ち始めていて、これから移動するのは逆に危険なことが直感でわかるような状況でした。

そして一晩たって…

7月4日(本日)朝方:外を見ると雨が上がっていて、川の水位も平常範囲に戻った様子。同じ避難所にいた方々も帰宅の準備を始めたので、我が家も一緒に避難所を出ることにして、子どもが起きるのを待って帰宅しました。これを書いている今現在も雨は上がっていて、時折晴れ間が見えています。週末がまた雨の予報。引き続き警戒していきます。


【持ち物:重宝したもの】

我が家が行った避難所は板間で普段は音楽室として使われているところ。パイプ椅子などはあるものの、長時間滞在できる備えはなし。皆さん自宅から敷物や寝具、食料などを持参して過ごされていました。
我が家も以下のようなものを持参しました。

●歯ブラシ→避難先でも食後の必需品。
●それぞれの着替え2組ずつ(靴下も)→避難所のトイレで長男が服を汚したり、雨に濡れたりしたので、2組あるといいです。
●液体ミルク3個→お湯もなかったのでそのまま常温で飲める液体ミルクはとても重宝しました。
●哺乳瓶→家にあったもの3つ持っていきましたが、避難リュックに使い捨て哺乳瓶を準備しておいたらもっと良かった。
●お菓子と食料→お菓子は子どものご機嫌とりに、ちょっとしたリフレッシュや小腹空いた時になど。3種類くらいあると◎ 食料は避難所へ行く途中にコンビニで夕飯と翌朝の朝食分を買っていきました。常温保存できるものがオススメ。
●携帯充電器→避難所のコンセントが使えない場合もあるので、ポータブル充電器が最適。
●ビニール袋の束→ゴミ袋に、汚れもの入れに、ちょっとした小物入れになど万能!束で避難リュックに常備しておくと◎
●大人用エアマット3人分→付属のストローで息を吹き込んで膨らますタイプ。板間でも快適に家族5人川の字で過ごせました。ぴったりサイズだったので子どもの成長に伴って1〜2個買い足そうと思いました。
●箱ティッシュ→何かと便利
●除菌ウエットティッシュ→避難所によっては御手洗いに石鹸がないかもしれません。食事時にも便利。
●オムツとおしりふき→いつもより少し多めに。ストレスからか頻度が多かったです。
●大きなタオルケット2枚→シングルを持って行ったがダブルサイズがベスト。2枚あったほうがいいです。1枚はマットの上に敷く用(ベタついて音がするので)もう1枚は被る用(エアコンが寒かった…)
●バスタオル2〜3枚→被ったり、着替えの目隠しにしたり色々と使えました。授乳時の目隠しにも。
●フェイスタオル5枚→身体を拭いたり、子どもの食事エプロンがわりにも。3枚くらいでもよかったかも。
●スマホ→TVやラジオなどの情報源がない避難所も。スマホは必須です。充電器も絶対忘れずに。
●紙袋やエコバッグ→帰宅時に荷物をまとめたり、ゴミ箱がわりにしたり。
●子ども用レインコート→荷物が多いと傘をさすのも大変です。荷物も子どもも濡れないように気を使う余裕がなかったので、子どもたちはレインコートをきてくれると助かります。
●大きなジャンプ傘→ワンタッチで開ける大きい傘ならあまり濡れずにすみます。
●髪ゴム→地味に重要。蒸し暑かったり、お風呂は入れないのでわずらわしかったり。
●貴重品持ち運び用カバン→何かと荷物からちょこちょこ離れることも多かったので。
●本やトランプなど気が紛れるもの→子どもと一緒に遊べるものや本があるといいです。


【持って行かなかったけど必要だと思ったもの】

●お薬・救急セット(子どもが飲める薬も)→避難所に着いて早々、長男がお腹が痛いと言い出して焦りました。(寝たら治ったので大丈夫でしたが)避難中の怪我も十分可能性はあるし、子供用・大人用それぞれの胃腸薬や痛み止め、絆創膏と消毒液、包帯とガーゼ、医療用テープくらいは避難リュックに常備しておきましょう…


【今回は使わなかったけど場合によってはいりそうなもの】

●保存食→今回は一晩だけの避難だったので使いませんでしたが、万が一すぐに帰宅できなくなった事態に備えて、大人3人3日分の防災食品(水で食べられるインスタント食品やカンパン)や備蓄飲料(長期保存水)を持っていきました。
●アルミ製保温シート・寝袋→寒い時期で停電が発生したら必要そうです。
●手動発電ライト→本体についているハンドルを手で回して発電するタイプの照明。停電時に。スマホ充電できる機能があるものがオススメです。

他にも色々ありますが、特に必要そうと思ったものは上記です。

一つ一つ買うと面倒くさいし抜け漏れが出てしまうので、市販で販売されている防災セットを購入して、自分で必要な荷物を買い足すのが一番安心かと思います。


【思ったこと】

テレビなどで「何も起こっていないうちに避難を!」「命を守る行動を!」とあれだけ口すっぱく呼びかけられていても、「え、いつ?今??私のこと?本当に?」という半信半疑な感覚が少しありました。(もし子どもがいなかったら避難していなかったかも)

結果的に自宅は無事でしたが、昨夜遅くの状況を振り返ると避難しておいて本当に良かったと思います。あのタイミングは、うちの家族構成を考えるとギリギリのタイミングだったなとも。
もし次があったら(あって欲しくないですが)迷わずもっと早い段階で避難します。

あとはキャンプをしよう!と思いました(笑)
いつもと違う様子に子どもたちが戸惑ってしまって、腹痛が出たり、いつもと違う動きをしたり、夜もなかなか寝付かなかったので。
そういった意味でキャンプは被災時の疑似体験にもなるなと。

最後に、避難リュック(防災グッズ)は必ず準備しておいてください!
年齢、独身既婚、子ども有無に関わらず。
結婚当初の約5年前に「高いけど念の為買っておうか」と揃えておいた避難リュック。
高いなんてとんでもなかった!!
備えあれば憂いなし、防災に関しては念には念を入れてくらいでちょうどいいです。(しかも5年前に買ったけど賞味期限まだ大丈夫でした^^ 早いもので今年10月まで、多くは来年まで持つ賞味期限でした。もちろん常温保管できるし。そう考えると経済的。)

もしも避難リュックを備えていなかったら、昨日は避難しなかったかもしれない。そしたら、あの豪雨の止まない不安な夜を眠れずに過ごしただろうし、もしかしたら夜中に無理やり避難しにいって途中で何か起こったかもしれない。

避難所の中で過ごせる安心感は何ものにも変えられません。
ご自身も大変な中、それを支えてくださっている自治体職員の方々、交通機関の方々など、本当に有り難いです。

そしてまだ悪天候が続く中で被害に遭われた方々のことを思うと本当に心が痛みます。一刻も早く、心休まる時間が訪れますように。。。

これから来る台風の時期、そして南海トラフなどの大規模地震は近年中に必ず来るとも予想されています。
普段から備えるべきものは備えておく。安全確保・防災に関するきちんとした知識と意識を持つ。(自分の中でも、そして家族間での共有も)

よく呼びかけられていることですね。でも、体験して初めて実感しました。
それが「自分の身は自分で守る」ことにも「大切な人の命を守る」ことにも繋がり、そして「周りの困っている方に手を差し伸べる」こともできるのではないでしょうか。

今回の体験を教訓に。何も起こらなかったことは偶然でしかない、何か起こってもおかしくなかったという意識を忘れずに、今後も備えていこうと思います。

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