新詩集2024/7/18発行と詩集への雑感

何から書けばいいだろう。
新詩集『常夜灯』の告知を前回の記事更新で取り扱った。今後、定期的に画像やリンクを貼るかもしれないが、今回はスマートフォンから書いているのでそれらはない。

先にもう一度新詩集の詳細に触れておこうと思う。
2024/7/18発行、現在予約中。
正規の価格は2400円+税となる。
ソフトカバー、A5。カバー写真提供はAugust氏。
内容はまだほとんど公開していないが、
月の未明、聲℃、幻代詩アンソロジー、ポエティックパレード、3日で書け! 等、ほか、同人詩誌や冊子・投稿掲載作品などから一部の作品は改稿を経て収録した。

なぜ中途半端な7/18発行かというと、わたしの誕生日で一つの節目の年齢になるからである。
ライトバース出版の代表・黒崎晴臣氏には発行日を相談していた。七月頃に刊行が可能と見通しがだった時、はじめ奥付は7/1発行にしていたが、ダメ元で中途半端な7/18でも良いか打診した。するとそれでも可能といただいたので、7/18発行とさせていただいた。

しかしながらこれにものすごい感傷とか、感慨とかを注ぎ込んでいるというかというと少し違う。もっとドライな、あっけらかんとした気持ちである。
なんというか、昨日までの私の死を象徴するものかもしれないし、だとしたら今日一日目の生誕祭なので、そこに積年の何かというものは清算以外にはあまり意味を置いていない。

装丁についても少し話しておこう。あ、あと表題作についても、長くなってもいいから書いておきたい。せっかくなので。

装丁、今回はロゴの箔押しという詩集にあるまじき派手さである。しかもロゴが大きめ。これをやめたらもうちょっと価格を下げられただろうとは思うが、今やらなかったら今後ますます難しくなるのは時世柄目に見えているので、今回で完遂させた。次回はもっと違うことをやりたい(もう次回のことを言うのはどうかしているかもしれないが、詩を書き続けていればまた次はあるだろうから。それがどんな形でも。)。
表紙が星空という話になったのはもう2、3年も前のことかもしれない。小詩集『声』の草稿を固めるよりもっとずっと前だ。だとしたら3、4年前だろうか。だいぶ前のことは確かである。

その機会はAugust氏と駅ナカのお気軽なイタリアンでお話できる機会をいただき、話しているうちに話がまとまった。
〈一度、August氏の写真で詩集を刊行する〉
その話がまとまったとき、August氏の星空がとても気に入っていたので、明け方近い天の川を撮影した写真をお持ちでないか尋ねた。そうすると、後で候補を何枚か確認してみると返答を受けた。
その後打ち合わせて今の写真を選び出した。

しかしスムーズに第四詩集が作られる運びにならなかった。私の中で過去の未清算な個人的な墓標が、小詩集を作ることを欲していた。一度第四詩集の草稿を編んだがしっくりいかず、私は小詩集声を先に作ることを決めた。
この経緯で、小詩集声にもAugust氏の写真をお招きしたが、それは星空とは全く関係のない建物内部からの庭を撮影した写真にした。
心の暗くひんやりした内側から見た外界の眩しさ、窓を、その写真に見たからである。
あの小詩集は一つの個人的な墓標であり、そして声を発することを覚えたひとりの人間としての肉声テストのようなものだった。あれはあれで、というか声の方が感慨は深い。

初めは星の花、と名付けた。ロゴも作った。
しかし何かが足りなかった。星の花という詩作も今回入っているが、淡い星の光が、淡すぎた。しばらく私は考え込むこととなった。

その時、何度が大きく書き直していた少し古い詩、『常夜灯』が立ち現れた。
本当は『常夜灯』という一般名詞ではなく、灯を光にしたかった。しかしそれはやめた。もう30年近い昔、夭折した友『常闇』の運営サイトこそが『常夜光』であり、私の中でそれを題名として借用することはどうしてもできることではなかった。それは友の言葉であって、詩作の中にそっと使う言葉として入れることはできたが、勝手に私のことばにしてしまうのは間違っていると思った。
いや、記憶はもう曖昧だ。常夜光だったのかも確かめようもない。友が夭折する前にそのサイトも閉鎖され抹消されていたからだ。ただとても優しく、傷みやすく、訪れるものたちは労わりあいながら静かに交流していた。当時外で知り合った一人とだけは今も年に一度誕生日を祝い合っているが、日頃は多忙のため疎遠にしている。
この詩集の中で唯一に言って近い、そんな遠く、淡い曖昧で捜し続けるような記憶も織り交ぜられている詩が『常夜灯』である。

ロゴの灯が星に光り輝いているのは、祈りのようなものでもあり、誰かを静かにそっと悼むということは、今生きている人たちの生の幸いを祈ることにも似ている。きっとあの時、友とネット上で出会ってなければ今とは違う人生の送り方をしていただろう。私という人間の人生が、様々な心救われるようや経験や美しい思い出で彩られることになる始まりの場所の一つなのだ。

箔押しのデータも生まれて初めて作ったわけではない。二回目なので勝手がわからないというわけでもなかった。画像も扱い慣れている。イラストレーターで袖も自分ならではのギミックを入れてしまったし、やり方がわかるのでノンブルでも遊んだ。
データはいい。問題は、印刷会社の印刷クオリティが高いからこそ今回の詩集を安心してお願いしている。箔押しなんて約0.12mmの細い線の箔が美しく精細に押されている(本機校正で確認)。高い技術だと思う。ありがたい🙏そういうところへ依頼が可能だったことに感謝。ちなみに上毛印刷株式会社さんです。本機校正用の印刷写真も綺麗だったので、今から出来上がりを手に取るのが楽しみ。

スマホでどこまでも語ってしまった。そろそろ落ち着いて、投稿をしたい。
ご予約お待ちしてます。よろしくお願いいたします。





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