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めしべの心皮
紋白蝶に愛でられて受胎/擬態
子葉の性(野生種のみの特権です
訪れる着床に濃グリーンが排斥する
穿刺された異端/花弁のモビール
「食べられませんとあるので頂戴します
「育てられませんとあるので唾棄します
柏葉を見上げて疎雨をやり過ごす
大音を立てて春仕舞う
「何処から雨を知ったのですか
「浄土の匂いが立ったものですから
心のかたちを手さぐりする、内腔
炙ってみれば浮かび上がるか檸檬湯
末端には丹、肺胞の一つ一つまで
不整脈の呼吸を流し込んでいけ
独り身に任せた不妊/稔性
眸は開いていくか
未完了へと
第三詩集『耳に緩む水』で、生花店の花を見ながら、品種改良された花の不稔について考えていたときにできた詩。美しい花や葉でも、次世代へ繋がらない。穿刺は体外受精・遺伝子操作などのイメージを重ねています。
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