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妻達よ(母達よ)、大志を抱け

ローマ滞在中、毎朝ヨランダと取る朝食の時間が私はとても居心地が良く好きな時間だった。

ヨランダの飼うチワワの夫婦がいちゃついたり、喧嘩したりするのを横目に、私達はどうでもいいことからくだらないこと、たまに深い人生の話まで小一時間毎朝話した。

前にも書いたが、ヨランダはスコットランド出身のイギリス人で、若干20歳でスコットランドからロンドンへ、ロンドンからローマへヒッチハイクして来たかなりのツワモノ。

そんな彼女は、毎年夏になると子供2人(大学を卒業する年頃のとても美しい女の子達)、そして旦那さんを置いて一人スコットランドに帰るそうなのだ。

「私にも一人の時間が必要。そしてイタリアからのブレイク(休憩)も必要なのよ。不便もイタリアの魅力の一つなんて言う人もいるけれど、25年もいてみれば、イライラしちゃうものよ。」

子供達はボランティア活動をしにおのおのでかけ、旦那さんはヨランダがいない間は実家のあるプーリアに戻り、ハチミツの収穫やら所有する土地を耕す。

そして子供達の新学期が始まる9月に家族みんながローマに戻ってくるというのだ。

なんとも自立した家族。

そして毎晩の夕食時には家族が集まり、楽しい夕食の場となる。

徹底している事は、自分の心が求めていることは我慢しない。ということ。

日本では、お母さんが「子供を残して自分のやりたいことなんて」とか「自分を犠牲にしてまでも子供や旦那さんに合わせる」とか、妻や母になってから自己犠牲をしている(と思っている)女性が多いように感じる。

妻はこうでなければいけない

母はこうしていなければいけない

そんな十戒は存在しない。

妻が、母が、心から求めていることをやっていても家庭は壊れない。それを私は目の当たりにした。

もちろん各家庭で異なる環境があるので一概には言えない。

けれど

「自分の心が求めている、やりたい事は我慢しないでやるのよ。たとえお金がなくっても、必要なときには必ず必要なものが揃っているのよ。心配しないで、自分の心の声に忠実になればきっと全てうまくいくのよ。なんでかはわかんないけど」

とヨランダに言われると、そう信じていたいと思う自分がいるのだった。

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