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ヘレン・ケラー誕生日 神ってるメッセージ?

 6月27日、今日はヘレン・ケラーの誕生日。
 
 それがわかったのは、意外な出来事がきっかけだった。
 どうやら前の時間の社会科の課題「少子化と高齢化社会について、政治家になったつもりで政策を発表しよう」の課題に悩んだらしい生徒。国語の時間が始まっても机に突っ伏している。らしくない姿だったので、始業チャイムが鳴った後、思い切ってその話題について話し合ってみた。
 そのような問題に誰もが納得のいく答えを出すことは難儀なことであったが、しばらく話して考える糸口を見つけられそうになりつつ悩み続ける真摯な彼。それではまずは図書館へ行こう、悩む前に調べてみよう、と誘ってみた。
 そして、その子が統計データや参考になりそうな本を調べている間、他の生徒に伝記本を読んでもらうことにした。

 私の推薦する本は「ヘレン・ケラー自伝」。
 これは中学生の頃読んで、心の底から感動し、読書感想文を書いた本だった。
 ヘレン・ケラーは幼児の頃高熱を発したことが原因で目が見えず、耳が聞こえず、その結果言葉を発することができないという三重苦を負いながら、大学へ進学し、障害者擁護の視点で活動した作家活動や、講演を行い、たくさんの人々と交友を深め、豊かな人生を送った女性だ。
 自伝では、三重苦を抱え孤独だった幼児の頃の様子が内省的に綴られ、サリヴァン先生との出会い、先生との苦闘、その末についに言葉を獲得するきっかけとなった出来事についてヘレン自身の言葉で描かれている。サリヴァン先生によってポンプから溢れ出る水を手に浴びせられ、ヘレンが「ウォー・・・ウォー」と発する場面は演劇作品「奇跡の人」としても有名である。
 その「ヘレン・ケラー自伝」を生徒に勧めていると、学校司書さんが「あっ、ヘレンケラー自伝なら、こっちにもっとおすすめの本がありますよ。今日はヘレン・ケラーの誕生日ですよ!!」と言った。

 神ってる!!!!!!

 それを知っている司書さんもすごい。
 ヘレンの誕生日、知らなかった。今日だったんだ。6月27日、記憶に刻もう。愛に恵まれ、努力によって生きる力を取り戻し、奇跡の人と呼ばれながら、「根は自分の咲かせた美しい花を一生見ることができないのです。」と綴った彼女の内面を思い、それでもこの世の美しさに目を向け、人生を肯定し続けた、そのことの大きな意味を噛みしめるために、改めてこの日を心に刻もう…。

 ヘレン・ケラー(Helen Adams Keller) 1880年6月27日 - 1968年6月1日

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