マガジンのカバー画像

文学をめぐって

5
運営しているクリエイター

#評論文

きつねの窓

 小学校で国語の時間に読んだ安房直子「きつねの窓」の児童文学としてのプロットと描写の魅力を、あらためて考えてみたい。

 主人公「僕」は猟師で、狩りをするために山へ入り、道に迷ってしまう。そこで子狐を見つけ、追っていくと、突然、いちめんのききょう畑が開け、一見の染め屋が現れる。程なく店からは子どもの店員が出てきて話しかけ、主人公に指を染めることを勧める。そして自分の染めた指で窓を作って見せる。する

もっとみる