たまには振り返る

どうも前ばかりを見てしまう。

できない、足りない、知らない。

そんなことばかりで、補うために躍起になる。それで心身ともに健全な状態が保たれているうちはいいのだけど、たまに息が切れる。そんな自分に嫌気がさし、前に進むどころか立ち止まって身動きが取れなくなることさえある。何とも情けないはなし。

過去にしがみつくことをよしとはしない。だけど、たまには振り返ってみるのもいいもんだ。そんなことに気づいた日。

「今日が初めてです。」

毎週通っているピラティスのクラスに体験レッスン生がいらした。

ピラティスは初めてでも、ヨガやバレエはやってますという方が多いなか、彼女の動きは、おそらく他の運動経験もなさそうなものだった。どのポーズをとっても初々しい。

まんま昔のわたしだった。

「ベテランさんばかりだから驚くかもしれないけど、気にせず無理しないでついてきてね。」

先生はレッスン生をあたたかく受け入れる。それは4年前にわたしが受け取った言葉と同じだった。

今では苦もなくできるポーズ。

いつの間にできるようになったんだろう。

諸先輩方の足を引っ張らぬよう、前を見続けてきた結果今がある。まだまだ完璧ではないし、できないポーズもたくさんあるけれど、あの頃の自分と比べたらよくやってるよ。聞こえない声が聞こえてきた。

吹っ切れた。

過去を振り返ることで前に進めたりするもんだ。