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前髪つかんで!

今週、激しく後悔したことがあります。

それは移動式の自転車修理屋さんの車を見かけた瞬間に、声をかけられなかったこと。

実は先週、自転車を修理してもらったのですが、なんとその2日後に後輪がペシャンコに。乗っていないのに、です!

空気が抜けただけかもしれないとありえない仮定を立て(先週点検してもらったばかり)、駐輪場備え付けの、錆だらけになった空気入れに手を伸ばしました。すると、噴射されたのは空気ではなくなぜか水。すでに役目を果たせるものではなくなっていました。

20年ほど愛用している自転車が、1年ぶりに復活した奇跡の後に訪れたこの悲劇。もしかして、悪質ないたずら?メンタルまで追いやられていきました。

一駅先に自転車屋があるのですが、自転車をひいていく元気も時間的余裕もありません。いや、むしろ同じ方に見てもらったほうがいいに違いない。だから次に見かけたときに、また声をかけよう。待つことにしました。

そしてちょうど一週間後に訪れたチャンス。在宅勤務での休憩時間の終わりかけ、散歩から家に戻ろうと最終コーナーを曲がったそのとき、向かいから修理屋さんの車がやってきました。

「あっ!」

だけど、あまりに急で心の準備ができていなかったせいか、時間がないと判断してしまったのか、あろうことか、足を止めることができなかったのです。そのまま数歩歩いたあとに「今でしょ!」という心の声が聞こえてきたときには、もう遅い。車の姿はありませんでした。

ばかばかー!わたしのバカー!!

自分がとった行動に嫌悪。時間がないにせよ、一時停止の瞬間に、ちょっと声をかけアポを取り付ければよかっただけのこと。なぜそう判断できなかった?

チャンスの神様は前髪しかない。それはそれは激しく胸に刻みました。神様、学びました。だからもう一度だけプリーズ、どうかチャンスをください。

願いが届いたのかそれから3日後。近所の公園脇で停車中の修理屋さんを偶然見つけたのです。10日間抱えてきた靄はその時点で半分以上消えました。時間と時間の合間を縫って買い物に行く途中だったのですが、優先順位は断然こちらが高い。時間つぶしに読書をされている姿から、今ならOKのサインと読み取りました。

事情をお話しすると「思い出せない」と先週のことはもはや忘れかけていらっしゃいましたが、修理した場所を案内すると「やっと思い出しました」と手際良くパンク点検をしてくださいます。体型も白髪加減もどことなく父に似ている修理屋さん。

梅雨時は暇になるんですか。

いや関係ないですね。一年中依頼はありますよ。

そうなんですね。自転車は生活の一部なんですね。

他愛もない会話をしつつ、どうやらバルブの劣化が原因だったということが判明。今のところ問題なさそうな前輪分も交換してくれました。ああ、気分爽快。

チャンスは滅多にやってこないのだから、ピンときたらとりあえずアクションしないといけませんね。肝に銘じました。

そして愛着あるものが復活すると元気になります。自転車と持ち主の心はやはりリンクしているようです。

天気は梅雨みたいにあいにくだったけど、あんなにスカッとした日はそうありません。

今週は激しく後悔しましたが、見事に復活しました。

これにて一件落着!!




憧れの街への引っ越し資金とさせていただきます^^