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成犬をお迎えしたら大変だった話

この記事は FOLIO Advent Calendar 2021 24日目の記事です。

うちには今年3月にお迎えした8歳のポメラニアンがいます。

なかなか世話が焼けますが、とても可愛くていつも癒しと活力を与えてくれる大切な家族です。

今では犬と幸せに暮らせてますが、お迎えしてから家に慣れてもらえるまでにかなり苦労しました。今回は、犬をお迎えしようとしている方の参考に少しでもなればと思い、その時の経験を紹介しようと思います。

なぜ犬を飼うことになったか

マイホームを購入してから何ヶ月か経ったある日、妻が突然「そろそろ実家の犬を連れてきたい」と言い出しました。自分は全く覚えてないですが、前に妻が「家買ったら犬連れてきていい?」と言ったら自分が「いいよ」と返事したらしいです。その時はとりあえずお茶を濁しましたが、妻はどうやら本気で飼うつもりなので、どうするか悩みました…。

正直なところ、新居で犬を飼うことにはネガティブでした。自分はリモートワークで普段家にいますが妻は毎日出社しているので、殆どの面倒を自分が見ることになることは明らかでしたし、正直に言うと、当時は買ったばかりの新築をペットに汚されてしまうのが嫌という気持ちもありました。

しかし、妻には日頃から感謝しかないですし、犬と暮らすのが幸せなら叶えてあげたいので、何日か悩んだ結果「しっかり責任を持って面倒をみよう」と覚悟を決め、お迎えすることにしました。

お迎えした日はうまくやっていける気がした

妻の実家には4匹の犬がおり、その中から妻が選んだ2匹をお迎えしました。

バニラ(左)とショコラ(右)

白いポメラニアンが7歳♀の「バニラ」です。バニラはブリーダーさんからお迎えした犬です。性格は大人しく、とても体が小さくて体重は1.4kgしかありません。散歩してると通行人を次々とメロメロにするすごいやつです。

黒いポメラニアンが8歳♀の「ショコラ」です。ショコラは実家の4匹の中で唯一ペットショップからお迎えした犬です。骨折して売り手がつかない状態だったのを妻が発見して「私が飼わないと処分されちゃう」と両親に泣きついてお迎えすることになったそうです。骨折の影響か、今も歩き方がややぎこちないです。性格はバニラとは正反対で活発で人懐こくて、よく自分から撫でてもらいに来ます。

お迎えした日は休日ということで妻も家にいて、犬たちは緊張している様子もなくとても充実した1日になりました。犬たちはとても可愛くて、私が触っても嫌がる様子もなく、なんとか犬たちとうまくやっていけそうな自信が湧きました。

それは幻想だった

しかし、「なんとかやっていけそう」という自信は、日が変わる頃には幻想だったと思い知らされました。

寝るために犬たちをケージに入れると様子が一変して、ケージの中で吠えるようになったのです。実家では普段からケージで寝かせてたので妻も驚いてましたが、とりあえずその日は無視して寝ることにしました。夜鳴きは2時くらいまで続き、近所から苦情が来ないかビクビクしました。

そして、翌日も妻が出勤してから少し経つと犬たちが起きてケージの中で狂ったように吠え始めました。

犬のしつけについてほとんど知識がない自分は、どうしたらいいか分からなくなってしまいました。とりあえずネットで調べて出てきた「要求吠えには反応しないのが良い」という情報に従って最初はあえて無視してましたが、犬たちはどこにそんな体力があるんだというくらい何時間でも吠え続けます。犬にずっと吠えられるというのはメンタルにきます。

仕事に集中できないし、苦情も来そうなので結局ギブアップしてケージから出すと、吠えるのは止みましたが今度は2匹があちこちで粗相をするようになってしまいました。初日はトイレできてたのに何故…。水を飲んでは粗相を繰り返していたので、ケージから出しっぱなしにした日は十数回掃除したと思います。まだちゃんとトイレの場所が分かっていないのもあったと思いますが、もしかしたら粗相すれば妻が帰ってきて構ってくれると思って意図的にやっているのかな?という気がしました。多少の失敗は仕方ないと思ってましたが、お迎えした頃は新築を汚されたくなかったという気持ちが強かったので、なかなか精神的につらいです。ショコラはきれい好きなので粗相したところには近付きませんが、バニラは気にしないので粗相したうんちやおしっこを踏ん付けて歩き回り、気付くのが遅れると大惨事になります。

さらにケージから出していても、私がトイレに行ったり外出して見えなくなると吠えてしまうので気分転換に外出するのも難しく、自分はどんどん疲弊していきました。

想像よりつら過ぎて少し病んでしまった

妻も両親もできる限りサポートしてくれましたが、日中は家に自分と犬しかいないので、ひとりで対応するしかありません。ずっと吠えられるか、粗相の掃除の繰り返すばかりで仕事もろくに進まない生活のつらさにやられてしまい、お迎えからたった数日で自分は育犬ノイローゼのような状態になってしまいました。

あまりにつらくて家に居たくないので、犬たちを家に置いたまま会社に逃げようかとも思いましたが、ずっと吠えている状態でやっぱり放置はできないので実行はしませんでした。

「やっぱり実家に戻そうか?」と妻が提案してくれましたが、お迎えしたけどやっぱり飼えませんでしたという結果は、飼い犬を捨てる人となんとなく同類になりそうで嫌だったので断りました。

ゆっくり慣らすことにした

飼うのは諦めないけど、このままだと潰れてしまうということで、妻と両親で相談してもらい、しばらくの間、平日は実家に預けて休日だけトライアルとしてお迎えしてゆっくり新しい環境に慣れさせることにしました。

平日はプライベート時間に犬たちの行動からしつけ方法をじっくり調べたり心を休める余裕が生まれ、休日はそれを実践して効果測定ができますし、犬たちにかかるストレスも緩和されます。

今思うとなんで最初からそうしなかったんだ!という感じですね。でも最初はしつけ済みの犬のお迎えがここまで大変とは誰も思ってなかったんです…。

トライアルをやってよかった

診断は受けてませんが、ゆっくり休日のトライアルに向けて調べた結果、犬たちは「分離不安症」とほぼ症状が一致する事がわかりました。簡単に説明すると、飼い主が見えなくなると極度の不安感から問題行動を起こしてしまう状態のことで、引っ越したり飼い主が変わったりすると起きやすいようです。最初のお迎え時はコンテキスト抜きに「無駄吠え」や「わざと粗相」など起こした問題行動ベースでしつけ方を調べてたので、分離不安に行き着くまでに時間がかかりました。

その週からは分離不安の対策をメインに行うことにしました。分離不安の対策としては、短い時間ひとりにさせてすぐに帰ってくるのを繰り返して飼い主がいなくても大丈夫な時間を長くしたり、飼い主の外出を楽しい時間を思えるよう工夫するなどを試しました。メンタルも時間をおいたおかげで少し回復しましたし、やればいい事が明確になるとやる気が湧いてきます。

分離不安のトレーニングの成果が出始めた

トライアルを始めて2回目でトレーニングの効果が少し現れました。ケージの中に入れても、自分が犬から見える位置にいれば吠えなくなったのです。また、粗相はしますが水をがぶ飲みしてまで無理に出すようなことはしなくなりました。

たったこれだけの変化ですが、飼育は格段に楽になりました。食事の後にケージの中でトイレをさせたり、トイレをしたくなるタイミングで散歩に行くことで粗相の問題がコントロール可能になったのです。吠える問題も、粗相さえしなければ安心してケージから出しておけるので外出時以外は些細な問題になりました。

これならいける!と思い、そこからトライアルを終了して再度ちゃんとお迎えすることにしました。

仲が悪すぎて1匹だけで飼うことにした

ショコラはペットショップのケージの中で社交性を身に付けず大きくなってしまったからか、基本的に他の犬と仲良くできない問題がありました。バニラも実家にいた頃からショコラが嫌いでしたが、2匹で飼ったことで頻繁に喧嘩するようになり、特にバニラにとってストレスがかかっていました。

寝てる時は仲が悪そうには見えないんですが…

妻としてはできれば2匹お迎えしたかったようですが、結局は犬にとっても幸せな環境が一番なので、相談してバニラは実家に戻すことにしました。バニラは他の子とセットじゃないと厳しそうだったのと、ショコラの方が環境に慣れていたので。

ショコラはバニラがいなくなっても全く変化がありませんでした。それどころか飼い主2人の愛情を独り占めできるからか、妻の実家にいた頃より落ち着いた雰囲気になったようで、1匹飼いの環境の方が合っていたようです。

自分は環境に助けられた部分が多い

休日限定のトライアルも、犬同士の仲が悪くてショコラだけにした対応も、妻の実家からお迎えしたケースだからこそできる作戦なので、自分はかなり恵まれてるなと思いました。これらができないケースでは、犬が新しい環境に慣れるまでひたすら頑張るしかありません。

自分は一般的に犬をお迎えする流れについて詳しく知りませんが、もしお迎えするときにトライアルが可能ならぜひ利用することをおすすめします。

今では大切な家族

それからショコラはどんどん家に慣れていきました。確か2ヶ月経つ頃には、解放した状態で外出しても吠えなくなってたと思います。今ではケージの中に入れて外出することもできます。可能な限り犬のしたいようにさせてあげるのが良いと思うのでケージに入れるのはトレーニングとエサの時だけですが。トイレも(ミスもしますが)一応ちゃんとできています。

そして最初は飼うことにネガティブだった自分も、飼育が安定すると犬がどんどん好きになりました。今ではショコラがいない生活は考えられないです。妻も幸せそうで、お迎えしてよかったなと心から思います。

最後に

9ヶ月ほど飼ってみて、犬とうまくやっていくコツは、完璧を求めない・工夫でカバーできるならラッキーくらいに思うこと・最後は愛でカバーだと感じました。ショコラもポメラニアンとしてはかなり賢い方だと思いますが、苦手な部分もそこそこあります。全て思い通りにしつけられると思っていると、現実とのギャップにつらい思いをするかもしれません。もし欠点が顕在化しないよう工夫でカバーできるならそれはラッキーだと思った方が良いと思います。工夫でなんとかならない欠点は、個性だと思って愛でカバーです。

あと、責任を負う覚悟はあっても人間には限界があると思います。なので使える環境は最大限活用しましょう!自分はネットで情報収集しましたが、しつけ方法もどうしたら良いかわからない時は動物病院で相談する手もあると思います。動物愛護センターは電話でしつけの無料相談を行っているようです。

もし、成犬をこれからお迎えされるようであれば、分離不安症みたいな症状と戦うことがあるかもしれません。犬は悪意があって問題行動を起こしているわけではないので、どうか頑張って犬と一緒に乗り越えてください!良きペットライフを!

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