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岩手山 盛岡から

晴れた日の仙北町駅のホームからは、岩手山がよく見える。
別名・岩鷲山
『がんじゅさん』と読むそうだが、『いわわしやま』と読みたい気もする。
しかも、岩鷲山という呼び名の由来を長い間、勘違いしていた。

冬に雪化粧をした岩手山が、雪どけの季節に少しずつ化粧を落としていき、その途中で山に鷲が羽ばたくように見える日がある、
という感じで知っているつもりでいた。
山に残っている雪が、遠くから見ると鷲の形になるのだと思っていたから、鷲の形には見えなかった。
でも、三ツ石神社に鬼の手形を見に行った時にも、どこからどう見ても手の形には見えなかったことを思い出し、
「岩鷲山の鷲も、こんなものなんだろう。」
と、一人で納得していた。
しかし、そうではなかった。

雪がとけて山肌が見えてきた時に、残った雪ではなく、山肌の方が鷲なんだと知ったのは、数年前のことだ。
言われて見れば、たしかに岩鷲山であって、雪鷲山ではなかった。
盛岡で生まれて50年以上もたつのに、
「岩手山って、こんな山だったんだ。」
と今更ながらに気付く。

自分が生まれる前からある山だから、そこにある景色が当たり前 過ぎて、あまり気にしたことがなかった。
何か特別なもの、盛岡に特有なものを探そうと思って歩くと、結構いろんな新発見&再発見があって楽しい。
これまで見落としてきたものを、これからも探していきたい。

春空に
 今年も岩の鷲が翔ぶ
  通勤電車 来るまで眺め

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