見出し画像

少年少女よ、アルバイトをやろう

小学生から始まった学生生活ももう16年目、学生最後の年だ。
大学生活で何をしたかと言われると、サークルにも所属せずキャンパスにも大して行かなかった俺は主にアルバイトだった。
そのアルバイトも大して打ち込んだわけでも無かったがこの経験は俺に大きな影響を与えた。
そのことについて書いていきたい。

人生初のバイトと大学初のバイト

人生で初めてやったバイトは高2の初めにやったライン工だ。
内容はおかきをひたすらトレイの上に乗せるというものだった。
後述するが俺はすこぶる要領が悪い。
その程度のことも流れるベルトコンベアに合わせてできずリーダー的な人に怒られまくった。
ライン工は適性もあるだろうが俺にはとにかく合わなかった。
とにかく腰が痛い。同じことをノンストップでやり続けるからだ。
しかもベルトコンベアが結構速いのでトロい俺は何度も乗せ損ねた。
人生初のバイトはとにかく早く終わってくれという気持ちとライン工はもうやりたくないという感想に終わった。


俺が大学に入って初めてやったバイトは100円ショップだ。
それまで単発のバイトしかしたことの無かった俺にとって初めての長期バイトだ。
なんで百均にしたのか覚えていないがとにかく飲食はやりたくなかったという記憶がある。
この百均バイトは約一年勤めた。
最終的には人が少なくなったり自分自身の体調悪化が原因で辞めてしまったが、良い人たちに囲われていたのでここが大学最初のバイトで本当に良かったと感じている。

バイトで得た学び

それから今まで複数のバイトを経験したが俺はいくつかの学びを得た。
まず自分が要領が悪いということ。
教えられてやってはみるがまぁ上手くいかない。
それでお客さんに怒られたりパートさんや先輩に笑われたりして身に付ける。
自分が要領悪いのは薄々気づいてはいたけど紛れもない事実として突き付けられるとまぁ傷つく。
要領の悪さというのは基本的にどうしようもない。
しかし自分がそういう人間であると自覚して立ち回ることは極めて重要だ。
俺は積極的に質問したりそうした要領の悪さもいじられキャラとして愛嬌にできる程度の社会性を身に付けることができた。
次に自分が人並みのことができるということ。
要領が悪いとはいえ全くできないというわけではなく時間をかければできるようになった。
正直バイト先にはもっとできない人が普通にいるので俺は概ね人並みなんだなぁという安心感を持つことができた。
そして一番の学びは世の中思ってるよりまともな人間とクソ人間がいるということだ。

「普通の人々」と接すること

接客業なので市井を生きる人々と接することになる。
すると今までの人生では遭遇しなかったようなクソ人間と出会うことになる。
バイトで客にイヤな思いをさせられたというのは誰しもあることだろう。
俺自身何度もある。
だがこういう経験は学生のうちにしておいた方がいいと思う。
少なくとも俺はこうしたバイト先での嫌な経験が就活などで企業を決める指針になったし、こういう人間となるべく関わらずに済むにはどうするべきかというのを考えるきっかけになった。
また接客業を通して世の中思ってるよりまともな人が多いと感じる。
嫌な客は強烈に記憶に残るため沢山いるように感じるが数では圧倒的にマイノリティだ。
大半の客はまともである(店にもよりますが)。
ツイッターで奢りか割り勘かというくっだらない論争を見ていると分からないが、世の中の大体のカップルは割り勘だ。
ネットに籠っていると偏った情報に踊らされがちだが外に出て普通に生きる人々と接するとそれがいかに誤りかが分かる。
ほとんどの人間は善人でも悪人でもない、みんないい所と悪い所を併せ持ち悩み喜びながら生きている。
接客業はそんなことを再確認できる場でもあると思う。

あえてアルバイトをやる意味

時間は有限だ。特に学生時代の時間は貴重なものだ。
人によっては「社会に出たらいくらでも働くのだからアルバイトなどするべきではない」と言うだろう。
それは間違っていないと思う。
しかし一度くらいは経験してみても良いのではないだろうか?
アルバイトをやるとそれまで知らなかった世の中が見えてくる。
俺はライン工のバイトで普段食べているお菓子などを詰めている人の存在を知ったし、普段客として訪れている店の従業員側の実情を知ることができた。
それを知っているのと知らないのとでは世の中の見え方が違うと思う。
世間における対立のほとんどは無知から来ると思う。
要は相手を知らないから無神経なことを言ってしまったり配慮に欠ける言動をとってしまうのだろう。
社会は色んな役割の人がいてそれぞれが支え合っていることを実感すれば、少しでも相手にリスペクトを持つことができるのではないだろうか。

また自分の適性を確かめることもできる。
接客業を通して実感したことは、俺は接客業には向いていないということだ。
厳密にいえばできるけど仕事にはしたくないということだ。
正直就職活動だけで自分の適性とか分からないのでとりあえずこういう方面から自分が何に向いているのか・いないのかを推し量ることもできるのではないだろうか。

まぁでも労働はクソです。不労所得がほしい。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?