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陰キャ大学生、同世代とのコミュ力の差に絶望した件

大学4年、夏。
就職活動を終え特に予定もなくダラダラしていた自分はあることを思い立った。
新しいバイトをしよう。

応募した季節限定バイト

新たなバイトをするとはいえ今から長期のバイトには採用されにくい。そこで俺が目を付けたのが季節限定バイトだ。
短期で入れて尚且つ同世代が多い。今のバイト先にも同世代はいるが同じシフトになるのは大体パートの主婦さんだったので同世代が多いバイトがしてみたかった。
それに学生最後の夏、大学生っぽいバイトがしたかった。というのは建前だ。
本音は「彼女が欲しい」。

恋愛経験がないまま迎えた22歳

恥ずかしいことに俺には恋愛経験が無い。当然DTだ。
「まぁいつかできるでしょ~」そんな悠長なことを考えていたらもうこの年だ。
今まで漠然と彼女欲しいくらいに思っていたが自分から何か行動を起こさねばと思い今に至る。

初出勤、受ける衝撃

ダメもとで面接を受けたら採用され、意気揚々と初出勤すると衝撃だった。従業員が大学生ばっかり。しかも女子多め。
「女!若い女だ!」と脱獄したての極悪囚のような感想を抱いた俺だがすぐさま現実に直面する。
圧倒的にコミュ力が無い。
異性はおろか、同性と話す時でさえまともに話ができない。
それに大学4年という立場もあってイジられにくい。
周りからしたらこれ以上ないくらい気を遣う面倒くさいヤツという印象だろう。
最初の勢いはどこへやら、ひたすら食器洗いに徹して俺の初出勤は終わった。

一向に馴染めず自己嫌悪に陥る日々

それ以降も何度か出勤しているが毎回上手く集団に馴染めず空気に徹し帰ってから脳内反省会を行う。
コミュ障など一日二日で治るようなものではないのだ。
反省会などしたところで話が面白くなるわけでもコミュ力が上がる訳でもない。
初対面でも当然のように仲良くなり談笑する彼らとはそう簡単には埋めることのできない差がついてしまったのだ、今までの人生で。

「コミュ強」の人々のコミュニケーション

そんなバイト先にも特にコミュニケーションが上手いと感じる人たちがいる。
彼らを「コミュ強」と呼称する。
コミュ強というのはあくまで俺がそう感じたからにすぎないが、彼らのコミュニケーションには目を見張る点がある。
もしかしたら俺の対人経験が乏しいだけで多くの大学生に準ずる年齢の人は身に付けている能力なのかもしれない。

まず彼らはユーモアを恐れない。
初対面の女の子であっても下ネタやイジることを臆することなく実行する。
俺のような非モテの男は「女の子に下ネタ言ったりからかったりするなんてあり得ない!」と思うがそれは間違いだ。
会話のなかでスムーズにこれらのネタを挟むことには全く問題が無い。
むしろこれらが上手く機能すれば警戒している女子の心をかなり絆すことができる。
実際下ネタを言われた女の子も嫌がるどころがますます彼らと話したがっているように見えた。
その結果シフト入りは大人しかった女の子が終わりごろには積極的に彼らと話すようになっていた。

さらに彼らにはコミュニティでの優位性がある。
どんな男がモテるかと言えばモテる男がモテるという話を聞いたことはないだろうか。
女性は権威ある男や周りが価値を認める男に惚れやすい。
人気の芸能人やユーチューバーが不細工でもモテモテなのはこういうロジックだ。
これは一般社会におけるコミュニティにおいても同様だ。
学校やサークル、アルバイトに会社など複数人が集まるコミュニティには必然と人の優劣ができる。
そのなかで役職に就いていたり何か役に立っている人は周りからの高評価を得る。
すると価値が担保されている存在となり女性にモテやすい。
実際彼らはバイト先では積極的にシフトに入り、キッチンを任されている。
ウチのバイト先は彼ら無しでは回らないのではと思うほどに重要な存在だ。

高いコミュニケーション能力とコミュニティでの優位性。それらを併せ持った彼らは「頼れるムードメーカー」としてバイト先での地位を確立させているのだ。
恐らく彼らがデートに誘えばバイト先の女の子の多くは応じるだろうし身体の関係を持つことだって難しくないはずだ。もしかしたらもうある人もいるのかもしれない。

「優しいのにモテない」というウソ


非モテ男の中には「自分は優しいのにモテない!」と言う人がある。
気持ちは分かる。
俺もかつてはそう思っていた。
しかしこうしてコミュ強達の会話を目の当たりにすると非モテが唱える「優しさ」が如何に独りよがりなものであるか分かるのだ。
非モテが優しさだと思い込んでいるそれはすなわち弱さ。
自分は傷つきたくないけど何のリスクも負わずに相手に好かれたいという酷く身勝手な感情だ。
俺の場合、単なる質問攻めや何の広がりにもならない話題で相手を退屈させた上、あわよくば自分を好きになってくれないかなという受け身な姿勢をとっていた。
オスとして必要な能動性を失った精神的に去勢されたオス、無害なフリをするくせに女体だけはいっちょ前に欲するかくもおぞましいバケモノが非モテ男、弱者男性だ。

女性ってすごい

自分のような雑魚オスに対する女性の対応は面白いくらい辛辣だ。
本能的なモノなのかアプローチされる経験が多いからなのかは分からないがどちらでも納得がいく。
「お前のような雑魚が間違っても好意なんて持つなよ」と言わんばかりの冷たい対応になる。
眼中に無い男から好意を持たれることは女性からすれば酷く自尊心を傷つけられる。何なら話しかけられることすら加害されたと感じる。
モテ男の下ネタやイジりより非モテが話しかけたりつまらない会話をする方が彼女たちにとっては不快であるしセクハラであるのだ。
俺はこうした女性の対応をおかしいとは思わないしむしろ凄いと感じる。
どんな雑魚オスでも力で勝てない以上早めに威嚇して距離を置くというのは正しい判断だろう。

あまりにもデカい22年間

コミュ強の彼らと自分では年はほとんど変わらない。
彼らの中には自分と同い年の人もいる。
しかし積み上げてきた対人経験が圧倒的に違うのだ。
別にここまでできなくても年相応の友人関係や恋愛経験を積んでいれば当たり障りのない会話ができて「嫌ではない」くらいにはなれただろう。
だが俺にはその程度の対人経験も持ち合わせていなかった。
色々言い訳をつけて楽な方に逃げ続けてきた結果が今だ。
そう簡単に埋められる差ではないだろう。

マイナスをゼロにしたい


「ジョジョの奇妙な冒険」Part7スティール・ボール・ランより


俺は今まで必要なことから逃げ続ける人生だった。
最も逃げてきたのは人間関係だった。
でも就職活動を通して人と関わって話すのも悪くないと思うようになった。
今回新たにバイトを応募したのも今までの自分じゃ全くできない行動だったと思う。
それでもやろうと思ったのはおそらく変わりたいから。
今自分は同世代の多くの人と比べてマイナスにいると感じている。
だから何とか人並みにはなりたい。
折角縁のあったバイト先なんだから引き立て役でも嫌われ役でも喜んで引き受けてやろうと思う。
何かを得て自分の糧にしたい。

とりあえずDJふぉいの切り抜き見て女の子との話し方学びますか…





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