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初夏への移ろいに、思ったこと
鈴がころんと鳴るように、青葉がやわらかに茂る5月。
祖父が長野県に住んでいることもあり、私は、家族と共に幼少期から長野県を訪れている。よく訪れるのは、祖父の家がある上田市と、軽井沢。
今年のゴールデンウィークは、祖父の家に寄った後、軽井沢を訪れることになった。
そのため、現在、軽井沢のホテルでこの記事をしたためている。
久しぶりに祖父の家を訪れると、薄紫色の花弁をつけた「マツバウンラン」が自生していた。
その小さな花の様子は、妖精たちが靴をパタパタと散らつかせているようでもある。
他にもスギゴケや、シバザクラ、クリスマスローズが生えていて、自然の生命力に満ちた庭に、心躍らされる。
みずみずしさ香る季節の彩りに胸を高鳴らす一方で、拒食の一面も垣間見る。
今日の夕食は、和食のコース会席で、17時スタートということもあり、緊張のせいか、朝から食事をすることに抵抗があった。私は夜になると、たくさん食べることができるのだが、朝昼は少しセーブしてしまう傾向があるのだ。
絹のようなそよ風に包まれて、ふと思う。
どうして自分は、こんなに自分を食べさせたくないのだろう、と。
胸に問いかけてみると、古びたくるみボタンのように固く、一枚岩のような「しこり」があり、返答がなかった。
向き合うことが恐ろしい、ということだろうか。
拒食のお化けはいつも私を脅してくるけれど、それは霧のような幻想だとも、分かっている。
食べることが恐ろしくて、食べないで困るのは自分だけなのだ。自分が許せば、いくらでも食べて良いし、過活動による運動もしなくても良い。
何が原因で、しこりを手放せないでいるのだろうか。
自分と向き合うのに、しばらく時間がかかりそうだけれども、一歩ずつ扉を叩いてみよう。
錆びた鍵は、ギーッと音をたてながら、カチャリと開くかもしれない。
つまり、ひょっこり、答えが見つかるかもしれない、なんて思うのだ。
それに、せっかくの機会であるし、針の雨のようにやわらかな日差しが注ぐ、清々しい春の休暇を楽しんでみたい、と思っている。
どうか皆様も、満ち足りた休暇をお過ごしください。
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