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#2 ミュージカル「キャッツ」人の声を聴いて涙する。

こんばんは。RICOです。
今日はミュージカルのお話。

ミュージカル「キャッツ」って観たことはなくても、名前を聞いたことがある人も多いんじゃないかなと思います。日本では「劇団四季」さんが公演をしている長年愛されてきた作品で、その一番メインとも言える歌 「メモリー」は音楽の教科書にものっているほど。
今日はこの「メモリー」のマイメモリーについて書いてみます。
あ、「キャッツ」のあらすじ貼っときます↓


私はこれを留学先のオーストリア・ウィーンの 'Ronacher'という劇場で観劇しました。私は正直、ストーリーをよく理解できず。笑 思わず見入ってしまうほどレベルの高いダンス、歌、アクロバットなどを「ショー」として楽しむにはもってこいの作品ですが、展開は急だし、「メモリー」を歌う猫は、その時だけしか出てこない。普段観劇しているミュージカルで物語の登場人物たちの感情が最高潮に高まって→歌うという流れに慣れていた分、「キャッツ」を観た時は、「メモリー」だけが浮いているような、物語から乖離しているような印象を覚えました。

タイトルと違くない!?と思うかもしれませんが、ここからが本題です笑
私がこの作品を観に行ったのは渡航して3カ月ほどたった12月。
初めての一人暮らしが海外というのは思いのほか大変なもので、たどたどしいドイツ語をなんとか駆使しながら、文字通り右も左も分からない状態で必死でサバイバルしていました。(という表現が合ってるかな)在留資格もなかなかもらえず困っていたし、追い打ちをかけるようにコロナが寮で蔓延し、罹患の不安がつきまとっていました。 

心身ともに疲れ果てていた時、私がウィーンに来た原点である「ミュージカル」を観ようと思い立ちました。

そこで「メモリー」を聴きました。
初めて生で聴いた「メモリー」。圧巻でした。
物語ではなく、歌そのものがです。
サビにつれてどんどんあがる声量、声のハリ、熱量。そして転調後、グリザベラ(メモリーを歌う猫)の強い意志が現れ、魂の叫びのような歌声に変わります。

気が付くと、涙が一筋、頬を伝っていました。
さっきも書きましたが、ストーリーもよく分かっていなかったし、泣くつもりではなかった。でもハッと我に返った時、全身に鳥肌が立ち、涙が自然にあふれていました。こんな経験は初めてでした。これが魂が震えるということなのかと、にじむステージを観ながら思ったことは今でも覚えています。
あれだけ鬱々としていたのに、もう悩みなんてどうでもいい気さえしてきました。

何か辛いことがあった時、気分が晴れない時、どんな言葉をもらっても前向きにはなれない、不安から抜け出せない、そんなことってあると思います。
でもそんな時に、その時の自分とはなんの関係もない、でも魂のこもった音楽を聴くと、意図せず胸をうたれて、気持ちが解放されることがあります。
言葉では伝わらない部分に、音楽は手が届く、そんな感じです。

ストーリーが良かったとは思わなかったものの、素晴らしい歌で私の心を震わせてくれた「キャッツ」を観て良かったと心の底から思っています。

ながーいお話、読んでくださった方、ありがとうございました✨

https://www.youtube.com/watch?v=b9M1U079OPY


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