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【仮想現実をどう捉えるか】

1999年に今では情報としてかなり普及している仮想現実をテーマにした
映画が大ヒットをご存知だろうか。

今年にシリーズ4作品目が公開予定となっているマトリックスの
第一作について、今回は個人的な考察含めてお話ししていこうと思います。

あらすじ

マトリックス』は、映画『バウンド』で監督デビューを果たした
ウォシャウスキー・ブラザーズによる当時では画期的となる
SFXを採用したアクション映画です。
※SFX=スペシャルエフェクツの略称、いわゆる特殊撮影技術

ニューヨークの会社でコンピュータープログラマーとして働く
主人公:トーマス・アンダーソンは、裏世界では凄腕のハッカーである
「ネオ」というもう一つの顔があった。

ある日、パソコンのディスプレイに表示された
不可解なメッセージに導かれトリニティと出会い
彼女の同志であるモーフィアスの元に連れられていく。

そこで伝えられた衝撃の事実は
トーマス自身の運命を大きく変えるきっかけとなる...

仮想現実という概念

⚠️以下、ネタバレとなりますので
ご視聴いただいてから読むことをおすすめします。

皆さんが普段生きていて、嬉しいことや悲しいこと
様々な出来事が起きて、それを体感していると思います。

食べ物を食べて、美味しいと感じる
音楽を聴いて、心地いいと感じる
人と抱き合って、温もりを感じる

などなど、人の感情には感覚が伴っているというのが
普段生きている中で、当然に感じていることだと思います。

では、自分が感じたその経験が全て夢だとしたら
皆さんはどう受け止めますか?
マトリックスという映画は簡潔に説明すると
このような内容にまとめられるのではないかと考えています。

昨今では、VRという非常にお手軽に
仮想現実を体験できる手段も普及してきました。
そこで、見たものや感じたものはリアリティがあり
「本当なら部屋の中なのに、目の前の世界に入り込んでいるみたい」
と感想を抱く人が多いかと思います。

実際に、僕自身もVRデバイスである
Oculus Quest2というものを持っていますが
結構、リアリティもあり一つ一つのクオリティも高く感じます。
気になった方は、見てみてください。

今いる世界が現実だという証明

嫌な夢を見たときに、起きて夢だと確認するように
今生きている世界が突然覚めて、これまでは長い夢だったとしたら
ほとんどの人が受け止めきれないと思います。

ましてや、マトリックスの世界観では
本当の現実は文明が滅び、人類は機械に支配された世界
太陽の光は差す事もなく、温もりを感じられなくなっているとしたら
ずっと夢でいて良いから、覚めたくないと思う人も
少なくないのではないでしょうか。

その心情をうまく表したキャラクターが
サイファーという映画では主人公サイドを裏切る人物です。
これに関しては傍観者である僕らからしたら
怒りを覚えキャラクターですが
実際に、この世界で生きていたら、こうなってもおかしくありません。

嫌なことが続く現実であれば
常に覚めない、全てがうまくいっている仮想現実を選ぶ

SF映画に織り込まれた哲学

この作品はSF映画として大ヒットしたかのように思えますが
ここまでの内容を整理すると、本当にSFなのか?と疑ってしまいます。
これが今から20年以上も前に作られた映画だというのだから
当時、劇場で見ていた人たちからしたら
インパクトは十分だったのではないでしょうか。

この世界は、プログラミングで構築された仮想現実であるという
マトリックスの世界であるというのが、この映画のポイントです。

作品の中で、所々にキリスト教の要素が含まれており
子供の頃に見ていても、直接的にこのテーマ性に気づくことが
出来ていませんでしたが、今になってみると
深く読み取れる部分も多く、何度も観たくなると率直に感じました。

この作品をSF映画として捉えるか、哲学性を持った映画と捉えるか
見方によって印象の変わる映画の一つです。

1と0という選択肢

コンピュータープログラミングの世界では
1と0という数字で全てを計算していると言われますが
この作品でも選択肢は二つだけというのを、
強いメッセージとして伝えたいのではないのかと感じました。

皆さんは仮想現実と知りながらも、その世界を生きるのか
それとも真実という蓋を開けて、現実と向き合うのか

この二つの選択肢であれば、どちらを選びますか?


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