土を愛でる船乗り。

自分の庭を整備するようになって

少しだけ心が軽くなった気がする。

ここを花畑にしようと思う。

地を耕して
種を撒いて
水をやって

どんな花が育つ変わらないけど

どんな花であれ
咲いた花は愛でたいと思う。

今まで気づかなかった

僕は、僕なりの全速力でよくて
あの子はあの子なりの全速力で
いいってこと。

自分の船と他人の船の
搭載してるエンジンも違うし

僕は僕でいいんだなと思った。

人間、すぐに変われる生き物ではないわけで
まだ隣の庭がでっかく見えることもあれば
横を通り過ぎる船がピカピカで
かっこよく見えることもある。

人を相手にしている職業だからこそ
他人を見るべきなんだけど

今は
自分を見てていいのだと思う。

要は、価値観をどこに置くかってことで
元々　他人に興味がなかった僕が人に興味を持つようになって
価値観の照準を「他人」にした結果
そのバランスが崩れてしまったこと。

「自分」と「他人」の畑は違って当たり前で
進む速度も、前に行く力も違って当たり前だった

僕の中の価値観が外の世界に行きすぎたから
内の世界が見えなくなってしまっただけで

自分の花畑にも
綺麗な向日葵や牡丹が咲くし

案外僕の船も
カッコいいかもしれない。

少しだけ価値観を手前に持ってきたら
今まで埋もれて見えてなかった世界が
少しずつ輝き始めた。

風が変わった
石炭を積んで出航準備

しばらくは気候は安定しそうだ。