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日本語教師と声の関係

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これまで10年近く日本語教師として働いてきて確信していることがある。それは、「声のいい先生は人気がある」ということだ。

実のところ私は、日本語教師にとって「声」はとても重要、というか正直教え方よりも重要だとすら思っている。そして、この確信は年々深まっている。とくに最近、オンライン授業がメインになり、アニメが好きな学習者が増えてきている中で、強く確信している。

「先生、声優の○○さん、知っていますか?私は○○さんのファンです」とか、「将来はアニメの仕事がしたいです」とか、「好きな歌手は米津玄師です」とか。

生徒に、いきなり「イケボ(イエメンボイス)の声優さんたちが好きです」と自己紹介されると、にわかにひるみ、身構えずにはいられない。「こちらの冴えない外見はどうにもならないとして、声はなんとかなりそう」と思えるだけに、自然と「そ、そうですか・・・」と声も若干低くなり、イケボもどきを目指してしまう。それも数秒で、元に戻ってしまうけど。

先生の声の良し悪し(声の出し方の良し悪し)が、生徒の満足度のかなりの部分をしめると言っても過言ではないだろう。見ていると、やっぱり声のいい先生は人気があるのだ。しかも、オンラインでは、教室でするような甲高い声で、大声を張り上げるような話し方ではなく、ラジオのDJのような、やさしく温かみがあり、わかりやすくて聞き取りやすい声がいいようだ。

ただ、日本語教師と声の関係について書いてある本は、ほぼない。

私がこれまでいたどの学校でも、教案や教え方、生徒との接し方について言われることがあっても「声の出し方」について言っている先生にはほとんど会ったことがない。おそらく、みんな無意識に感じてはいても、その重要性については無自覚という気がする。

私自身は、以前「ボイストレーニング」の本を読んだことがあったので日本語教師の仕事を始めたときに、すぐにそれを思い出した。というのも、教室で声を枯らしながら地声で大きな声で話している先生たちを見ていて、「たいへんそうだな」と感じたからだ。声を喉から出す「胸式呼吸」では喉を痛めやすい。声をお腹から出せる「腹式呼吸」だと声が体全体に響きやすく、聞き取りやすい声が出せる。そして、生徒たちが憧れている声優、俳優といった声のプロたちも、もちろんこの「腹式呼吸」。

そんなことを考えながら、オンラインの授業を始めるときにはお腹に少し力を込めている。

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