【音楽遍歴】2000年に聴いていた音楽とベスト3アルバム
はじめに
今回は2000年1月から2000年12月に聴いていた音楽とベストアルバムについて書こうと思います。
もう音楽にお金と時間をかけるのは当たり前になってきて、この頃から店頭や国内の通販では手に入らないCDはAmazon.co.ukとかCDNowを使って輸入し始めるようになりました。そんなアルバムの情報は少なく、また今のようにYouTubeやオフィシャルサイトで試聴できる環境もなかったので、結構なチャレンジでした。
今回は、そんな時期に購入したアルバムとベストアルバムについて書いてみたいと思います。
2000年に購入したアルバム
この年も引き続き大量購入していました。ただ、当時のシーンの状況がだいぶん飲み込めてきたので、新しいものに手を出しつつも、コンサバティブになりつつあったようです。
こうやってリストを書き出してみると、爆発力のあるアルバムは多くはなかったけれど、ジワジワくる良質のアルバムが多かった印象です。
Understanding Music(A.C. Acoustics)
Add Insult to Injury(Add N to (X))
Monomania(Adventures in Stereo)
Ready to Receive(The Animalhouse)
Community Music(Asian Dub Foundation)
Since I Left You(The Avalanches)
The Hour of The Bewilderbeast(Badly Drawn Boy)
1(The Beatles)
Painting It Red(The Beautiful South)
Fold Your Hands Child, You Walk Like A Peasant(Belle & Sebastian)
Legal Man(Belle & Sebastian)
Junk Shop(Ben's Symphonic Orchestra)
Gotten Bold(Birth)
Science & Nature(The Bluetones)
The Best of (Blur)
Go with Yourself(Brave Captain)
Fevers and Mirrors(Bright Eyes)
Live(Built to Spill)
Internal Wrangler(Clinic)
Parachutes(Coldplay)
Enjoy the Melodic Sunshine(Cosmic Rough Riders)
The Great Brain Robbery(The Crocketts)
Bloodflowers(The Cure)
We Have the Facts and We're Voting Yes(Death Cab for Cutie)
The Great Eastern(The Delgados)
Slippin' out(Delta)
Lost Souls(Doves)
Daisies of the Galaxy(Eels)
In Here We Fall(Electrasy)
Figure 8(Elliot Smith)
Drawn from Memory(Embrace)
Loveboat(Erasure)
Halfway Between the Gutter and the Stars(Fatboy Slim)
The Blue Trees(Gorky's Zygotic Mynci)
The Sophtware Slump(Grandaddy)
Warning(Green Day)
Machine Turned Blues(H2SO4)
We Love the City(Hefner)
100 Broken Windows(Idlewild)
More Light(J. Mascis and the Fog)
JJ72(JJ72)
Lemonjelly.ky(Lemon Jelly)
El Toppo(Llama Farmers)
The Geometrid(Looper)
United States(Manchild)
Little Kix(Mansun)
Overground(The Marbles)
The Moon and Antarctica(Modest Mouse)
Monaco(Monaco)
Seventeen Stars(The Montogolfier Brothers)
Organized(Morgan)
Familiar to Millions(Oasis)
Standing on the Shoulder of Giants(Oasis)
Shining Skin(On)
The Quiet Vibration Land(Oranger)
Paloalto(Paloalto)
Binaural(Pearl Jam)
Farmhouse(Phish)
United(Phoenix)
Black Market Music(Placebo)
Exterminator(Primal Scream)
Kid A(Radiohead)
War on Plastic Plants (Regular Fries)
Alone with Everybody(Richard Ashcroft)
A Song for the Lovers(Richard Ashcroft)
Sing When You're Winning(Robbie Williams)
Surviving the Quiet(Seafood)
The Closer You Get(Six. by Seven)
Judas 0: B-Sides and Rarities(The Smashing Pumpkins)
Machina / The Machine of God(The Smashing Pumpkins)
From Solar to Polar(Snug)
Gold: The Best of Spandau Ballet(Spandau Ballet)
Oklahoma!(Spearmint)
Surface(Sportsguitar)
Is This It?(The Strokes)
Greatest Hits(The Style Council)
Mwng(Super Furry Animals)
Supergrass(Supergrass)
Phat Dat(Superstar)
Puzzle(Tahiti 80)
Howdy!(Teenage Fanclub)
Nakedself(The The)
Onka's Big Moka(Toploader)
All That You Can't Leave Behind(U2)
SorryThankYou(Unbelievable Truth)
Everything Everything(Underworld)
A Rock in the Weary Land(The Waterboys)
Maroon(The Webb Brothers)
White Pepper(Ween)
Wasp Star (Apple Venus, Pt.2)(XTC)
Q(Mr. Children)
The Beach(Various Artists)
Creation Records - International Guardians of Rock'n'Roll 1983-1999(Various Artists)
Xfm: It's A Cool, Cool Christmas(Various Artists)
2000年に聴いたベスト3アルバム
100枚近く購入した中から3枚を選ぶのは結構難しいので、軽く何枚かを追加で紹介します。
この年はColdplayのデビューアルバム"Parachutes"がリリースされています。今ではスタジアムバンドになった彼らですが、この作品のクオリティも高く、歌モノギターロックのスタンダードを築いた感じがありました。彼らのアルバムでは未だにこの作品が一番好きです。
この年ならではという意味で、Creationレコード創設者のAlan McGeeが新たに立ち上げたPoptonesレコードが大きな話題になりました。タワーレコードやHMVの店頭にはPoptones所属のバンドのアルバムがたくさん置かれていましたが、その中でも好きだったのがThe Montogolfier Allstarsの"Seventeen"。物静かな音を丁寧に重ねた楽曲群には周囲の時間の流れを変えてしまう静の力がありました。
変化球気味なところでイギリスのFMラジオ曲Xfmがコンパイルしたクリスマスアルバム"It's a Cool Cool Christmas"。Grandaddy、Eels、Belle & Sebastianらのクリスマス風の曲のカヴァーやオリジナル曲が収録されていて、今でもクリスマスの時期になると聞いている1枚です。The Flaming Lipsの"White Christmas"も良いです。
そして、ベスト3アルバムは以下です。
The Sophtware Slump (Grandaddy)
約3年ぶりにリリースされた2ndアルバムは「心を捕らえて離さない音」という言葉がピッタリ。リヴァーブとディレイを巧みに使うことで時空間を自在に操った曲は、まるで眠りにつく直前や眠りから覚める直前のような心地よさ。
不安定なボーカルと押しの弱いメロディーには良い意味での「隙」があって、人やコンテキスト毎に抱くイメージが変わりそうな解釈性の高さも大きな魅力。後半はやや息切れ気味ですが、それを補って余りある前半の完成度の高さと、アルバムを通した色彩の統一感は文句なし。
優しいメロディと柔らかに響くアナログシンセが紡ぎ出す儚げな美しさが秀逸で、個々の曲としても、トータルのアルバムとしても一本筋が通っていて、非常に完成度の高いアルバムです。
Exterminator (Primal Scream)
My Bloody ValentineのKevin ShieldsやNew OrderのBernard Sumnerらを迎え、前作から再び大きく方向性を変えた6thアルバム。前作"Vanishing Point"は内面に潜り込んで来るような暗く重苦しい内容でしたが、本作は怒りにも似た外部へ向けての圧倒的な重さ。
リードシングルとなった"Swastika Eyes"もヘヴィではありましたが、アルバム全体としてはこの曲は軽めで、身体だけではなく、空間そのものを揺さぶるような楽曲のオンパレードで、鉛のように重いボディーブローを浴びたような(実際に浴びたことはないけど)感覚。
終盤のThe Chemical Brothersリミックスの"Swastika Eyes"で総括するように全体を引き締めた後、うっすらと希望や開放感を感じさせる流れも痺れます。シーンの流れなどお構いなしに、音の強烈さ鮮烈さでメインストリームに対して圧倒的な優位性を持ったカッコイイ1枚。
Lost Souls (Doves)
Dovesのデビューアルバムはジャケットから期待大でしたが、サウンドの方はその期待を大きく上回る内容でした。全編に渡って内へ潜り込んでくるダークな面と肩の力が抜けたメランコリックな面が共存しつつ、時に過剰なまでの荘厳さとドラマティックさが加わり、ツボをピンポイントに刺激。
Tears For Fearsのデビューアルバム"The Hurting"を彷彿とさせる仕上がりは決して取っつきやすくはないものの、ヨーロッパ的な陰鬱な雰囲気の裏側に繊細で親しみやすいメロディラインが隠れていて、イギリスのオルタナティブが好きな人にはストライクのはず。
トゥーマッチにならないところで踏みとどまった耽美的で重厚な楽曲群は80年代的な面も想起させ、当時の似たようなギターポップへのアンチテーゼとしても存在感が充分で、デビューアルバムとしては非常にクオリティが高く、四半期世紀が過ぎた2024年の今でもオススメできる1枚です。
おわりに
今回は2000年1月〜12月までに購入したアルバムとベスト3アルバムについて書きました。ちなみに、2000年のイギリスの年間アルバムチャートはこんな感じのようです。
1(The Beatles)
Sing When You're Winning(Robbie Williams)
The Marshall Mathers LP(Eminem)
Coast to Coast(Westlife)
Play(Moby)
Born to Do It(Craig David)
The Greatest Hits(Texas)
Parachutes(Coldplay)
Whitney: The Greatest Hits(Whitney Houston)
Music(Madonna)
この年は、The Beatles、Robbie Williams、Coldplayと珍しく、トップ10アルバムの内3枚を購入していました。というか、Coldplayのデビューアルバムは結構売れていたんですね、初めて知りました。
これくらいの時期になると、一世を風靡したビッグネームの売れ行きに陰りが見えてきて、Oasis は26位、U2は30位、前作から方向性を大きく変えたRadioheadは50位と結構苦しい位置にいます。U2とRadioheadは10月リリースなので実質1ヶ月少しの売り上げだから仕方ない気もしますが、Oasisは2月リリースなのでこの順位はちょっと寂しいところ。だって、Toploaderの25位に負けてるんだよ(Toploaderのこのアルバムは好きだけど)。
まあ、2年前リリースのMobyがトップ10に入っていたり、前年リリースのTravisがトップ20に入っていたりするので、イギリスの年間チャート自体が何なんだという気もする訳ですが(笑)
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