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オシャレは『持っているものを大切にすること』から始まる

いつも新しい服を着ることがオシャレな時代から、ファッションは次の時代へ

物心がついたころから「毎日違う服を着ることがオシャレ」「常に新しい物を身につけることがオシャレ」という価値観が、語られないけれど、感覚として存在していたのではないでしょうか。中には、「同じ物を着ていると思われたら恥ずかしいから、新しい服をたくさん持っていた」というお話もよく聞きます。サステナビリティやミニマリズムが注目されるようになり、「たくさん持っているほどオシャレ」な時代から、「自分好みで何年後も着たいと思う服を、ほどよく持つのがオシャレ」という時代に変わりつつあるのが、この令和の時代です。芯のあるセンスの良い方は、質の良い素敵なアイテムをさりげなく着回していらっしゃいますよね。


オシャレは、持っている物を大切にすることから

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「最もサステイナブルな服は、すでに私たちのクローゼットの中に」
ー ファッションレボリューション 共同発起人、オーソラ・デ・カストロ


ファッションレボリューションは2013年のバングラデシュにあるラナ・プラザ ビルの崩壊事故をきっかけに、ファッション業界の労働環境やサステナビリティを向上するために立ち上がった非営利団体。今、エシカル、サステイナブルという言葉を耳にするようになったのも、ファッションレボリューションが世界市民を巻き込み、国際的なムーブメントとして声をあげたからだと言っても過言ではないでしょう。
サステイナブルな服と聞くと、オーガニック素材や再生繊維など、サステナビリティに配慮して作られた新しい服を思い浮かべそうですが、オーソラさんのこの言葉が、忘れられがちな「今持っている物を大切にすることが、最もサステイナブル」だということを思い出させてくれます。

今持っている物を長く着ることで、大量消費、大量廃棄を軽減でき、大量生産による膨大なエネルギー消費や環境汚染が抑えられます。埋立地へ送られてしまう服も減り、地球に優しくなれる。「持っている物を大切にする。」これだけでも、こんなに良い変化を起こせるんです。


サステイナブルファッションに、トレンドはどう取り入れる?

それでもやっぱり、トレンドが気になる!という方もいらっしゃいますよね。それは、トレンドは「今らしさ」を表しているから。60年代にはミニスカートに代表される若さを表すスタイルが、70年代にはフォークロアなスタイルが、80年代にはカラフルでボディコンシャスなスタイルがその時代らしさを表現していたように、その時々の「今」を象徴しています。メイクやヘアスタイルが時代によって変わるように、ファッションも移り変わる。

トレンドの要素として、色、柄、素材、シルエットなどがありますが、中でもシルエットは、今持っている物の組み合わせを変えて、コーディネートで作り出すことができます。60年代のヒッピーなスタイルも、70年代のボヘミアンなスタイルも、今持っている物の着方や合わせ方で表現できるように、今っぽさも着こなし次第。

トレンドアイテムと言われる特定のアイテムも、過去のファッションにインスパイアされたものも多いので、ヴィンテージ、アンティークなアイテムから探してみるのも楽しいですよ! ご家族のクローゼットの中に、素敵なアイテムが眠っていることも。


地球にも、人にも優しく、オシャレを楽しむには

今持っている物を大切に。そして、新しい物を買うときは、心から惹かれて、「来年も再来年も、何年経っても着たい!」と思えるような丁寧に作られたアイテムを選ぶ。これが、地球とファッションと上手く付き合うコツなのではないでしょうか。「お直ししてでも着続けたい。」そんなアイテムと、永くオシャレを楽しみたいですね。


TEXT: Asuka Cali EDIT: Hiroco Ryugo, Marie Yamamoto


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