尼崎 伝説★

俺の出身は兵庫県尼崎と言うことになっている。

と言っても、小さい頃出身地がハッキリ分からなくて、色んな親戚に聞いて回っても人によって言うことが違うので高校生くらいまで自分でよく分からなかった。
そして高校卒業して運転免許を取ったときに本籍が兵庫の尼崎だったから、もうこれでいいやと言うことになった。

たしかにうちの家庭で『帰る』と言う言葉を使うのは、尼崎だけだ。

尼崎と言えばキャラの濃いお笑いの街と言うイメージがあるがそんなことない。

ちょっと橋の下にブルーシートで住んでるおじさんが、勝手に投網を作って投網漁をしているだけだ。
そしてブルーシートの周りに、食べられるかも分からない魚をいっぱい干していて
『スゲーな、東京のホームレスとはパワーが違う!!』と尊敬の眼差しを向けていたら、
俺の親戚のおばさんと
『今日も大漁や!』『よかったなぁ!』と会話をしていて、あとで確認したら
『友達やねん♪』と言っていた。

俺の尼崎の家の前が川で、ブルーシートおじさんがたくさん住んでるので、他にも色々伝説がある。

俺が昔、川で釣りをしていたら、魚をもらおうと野良猫が集まってきたのだが、しばらくしてパッと振り向いたら、猫と一緒にブルーシートおじさんがカゴを持って並んでたことがあった。

他にも親戚が川でバーベキューをしていたら、炊き出しと間違えて、いつの間にかブルーシートおじさんがバーベキューの輪の中に入っていたこともあったそうだ。

だがそれくらいで、尼崎が特別キャラ濃い訳ではない。

しいて言えば、家の前を野良犬の群れが走るだけだ。

小さい頃、よく家の前を暴走族が通ってて、それにウチのおばあちゃんが『うるさいわ!!』と注意していたので、暴走族には慣れていた。
だがある日、家の前を10匹くらいの野良犬の群れが通っていった時は、世紀末かと思った。
そして家の近くにある、おそらく野良犬達が住み処にしている廃工場の中に犬達が入っていき、その工場の前を通ると、ガラクタの山の上から野良犬の群れに睨まれた時は命の危機を感じた。
その光景…
どこかで見た光景と思ったら、完全に
『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』で見た荒れたアメリカの光景だった。

他にも基本的にみんな声がデカイ。
俺の親戚だけかも知れないが
テレビに向かって突っ込んでる声が、三軒隣まで聞こえる。
だから外を歩いていて、テレビへのツッコミの声だけで何の番組を見ているか分かる。

あと普通の街は駐輪場に『鍵を掛けて下さい』と注意書きしてあると思うが、
うちの近所の駐輪場は『絶対に2つ以上鍵を掛けて下さい』と書いてある。
この街に、鍵1つだけとか、もはや無力なのだ。

他にもまだまだ伝説があるのだが、読んでる人が胃もたれしそうなので今日はこの辺にしておく。

とまぁ、言いたい放題言ったが
今は尼崎も駅前は凄く綺麗だし交通もかなり便利。

あくまで俺の近所だけがちょっとキャラが濃いんだと思う。

でも俺は尼崎に帰ると落ち着くし、やっぱり好きな街だ。

リッチドッグ 宮本

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