小説『捕食者』 第二章

二 – 暗

「もう一つ」の魅力を発見したのは、この店に通い始めて、二ヶ月くらい経った頃。当時の私はすでにその店「Bright Coast」のパスタの美味にハマってた。お店のパスタはミートソースとかナポリタンみたいな定番のメニューがほとんど。しかし他の店では味わえない、その店独自の味が私の舌を捕えた。特に私を夢中にさせたのが、ミートソースとかカルボナーラみたいな、濃いソースを使ったパスタ。私の厚い唇に絡みつくパスタとソース。その感触は私を満足させたが、パスタの魅力はそれだけに留まらなかった。パスタとソースが唇に絡みつき、巻きつき、戯れるその光景が、私の側を通る男の人たちの目の保養になっていた。そのことに気づいたのも、この頃。

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