わが家にホームステイした外国人2
ホストファミリーとして受け入れた外国人ゲストについて書いています。ゲストの名前は仮名です。
カナダの高校生を王様にしてしまった!
ホストファミリーを初めて体験した人の中には「疲れてくたくたになった」という人がいます。楽しんでもらおうとあれこれ気を遣ってもてなすため、ゲストが帰ったあと一気に疲れが出るのです。私も最初の頃はそうでした。満足してもらおうとがんばり過ぎてしまうことがありました。ゲストを戸惑わせてしまったこともあります。
カナダのトロントから来た男子高校生です。食事から日常生活、外出など必要以上に世話を焼き過ぎてしまいました。帰る時彼は言いました。「王様になった気分だった」と。王室との交流ではないのですからゲストを王様にしてはいけないと反省しました。
スコティッシュダンスが大好きなアメリカ人夫妻
アメリカのシアトルからスコティッシュダンスのグループが来日し、日本各地でダンスを披露しながら旅行しました。私の住む町にもやって来て地元の国際交流協会を通して中年のご夫妻をわが家に受け入れました。
夫のトムはソフトウェーのエンジニア、妻のリサは環境教育のコーディネーターでとても仲の良いご夫婦でした。二人はスコティッシュダンスで知り合い、ずっと一緒に踊りを楽しんでいます。うちに滞在中も披露してくれました。
お面をかぶったら踊り出したデンマーク人夫妻
友人を通して知り合ったデンマークの高齢ご夫妻。二人は日本が大好で、訪れるたびにわが家に滞在します。畳での生活や日本の食事、衣類、生活習慣などいろいろなものに興味を示しました。和服も気に入り、母の残した和服をプレゼントしたらとても喜んでくれました。
わが家ではゲストの外国人といっしょに日本のお面をかぶって記念撮影することが恒例となっています。中でもこの二人はお面をとても気に入り、いつしか踊り始めてしまいました。
少しはお返しができたかもしれない
オーストラリアのケアンズに住むフレッドとマーサは20年来の友人です。出会いのきっかけは私が中高生の引率でオーストラリアに行った際、私のホストファミリーとして滞在させてもらったことです。2週間の滞在でしたが、家族の一員のように接してくれて、ありのままの日常生活を体験させてくれました。家族や友人もたくさん紹介してもらいました。
翌年、夫と二人でケアンズに旅行しました。そして彼らを訪ねて夫を紹介しました。それ以降は夫も一緒に付き合うようになり、たびたび遊びに行っています。何度訪ねたかわかりません。娘も遊びに行ってお世話になっています。
私たちは彼らにも日本に遊びに来るように言いましたが、なかなか実現せず、私たちがお世話になるばかりでした。そんな彼らが初めて日本を訪れたのは2009 年のことです。我が家に滞在してもらいあちこち案内しました。日本の生活をたっぷり味わってもらえたと思います。二人だけで京都や広島も旅行しました。
二人にとって日本での体験は何もかもが物珍しく、興味深かったようです。初めて見た雪にも感激していました。これまでのお返しが少しはできたかなと思っています。
コミュニケーションは紙とペンを使って
台湾の電機メーカーが社員の日本研修旅行を実施し、私の住む市にもやってきました。2人の男性がわが家に滞在したのですが日本語はまったく話せません。英語もほとんどできません。一方、私たち家族は台湾語(中国語)が話せません。身振り手振りだけのコミュニケーションでは限界があります。そこで思いついたのが筆談です。台湾も日本も漢字文化圏ですから漢字を書けばなんとかなると思いました。発音は違っても文字を見れば何とか理解できます。
滞在中はメモ用紙をたくさん用意して家のあちこちに置きました。伝えたいことがあるとすぐに漢字で書いて2人に見せました。たいていのことは理解してくれました。大量のメモ用紙とペンを用いたコミュニケーションは聴覚に障害のある人にも有用だと思います。現在なら翻訳アプリを使えばよいのでしょうが、「メモ用紙作戦」にはそれなりの楽しさがありました。コミュニケーションの壁を乗り越える工夫をするのも楽しいものです。