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教職員の仕事は細分化されている

学校では様々な人たちが働いています。教師はもちろんですがそれ以外にも事務職員やカウンセラー、施設管理の業務に携わる人など職種は実に多様です。

以下はある学校のスタッフ一覧です。都市部にある生徒数
約1000人のハイスクールで、教職員は100人ほどです。

Executive Leadership Team(管理職)

Principal
Deputy Principal (Years 7-9)
Deputy Principal (Years 10-12)

School Administration(学校事務)

Business Manager
Registrar
Other administration officers

Heads of Department (教科主任)

English
HPE (Health and Physical Education) & Sport
Social Science
LOTE (Languages Other Than English : 外国語)
Humanities
Mathematics
Science
Arts
Manual Arts & Home Economics
Technologies, IT & Business
Special Education 
VET (職業教育)

Year Coordinators(学年コーディネーター)

Year 7
Year 8
Year 9
Year 10
Year 11 & Year 12

Liaison Officers(連携担当)

Industry Liaison Officers 
Community Liaison Officers

Student Support Team(生徒支援担当)

Guidance Officer
Youth Support Coordinator
Indigenous  Support Officers
School Based Health Nurse
School Based Psychologist 
Youth Pathway Officers
Scientific Laboratory Assistant
Special Needs Support Teacher
Learning Support Teacher
Chaplain
School Based Police Officer 

International Student Program

International Student Coordinator
International Homestay Coordinator

Teaching Staff   

Classroom Teachers (Behaviour Management Teacher と House Coordinatorを含む)
Teacher Librarian 
Music Teacher
Teacher Aids   

School Facility Officers

Facilities Officers
Ground officers
Cleaners 

教職員の組織構成↓

同校のStaff Handbookより

教師(Teaching Staff)と事務職員(Administration Staff)の職務は完全に切り離され、雇用も別枠です。個々の専門性が重視されており、職務は細分化されています。

校長と副校長は学校全体を管理する立場にあり、業務は両部門に跨っています。校長(executive principal)はたいてい一人ですが、一貫校など大きな学校では教育段階ごとに配置されることもあります。大規模校では副校長が複数いることが多いです。

主任教員(Head of Department)は各部門のリーダーであり昇進プロセスを経て任命されるのが一般的です。給与も増額されます。学年コーディネーターは学年の教育活動をコーディネートしたりコミュニケーションを推進したりする役割で、日本の学年主任とは概念が異なります。コーディネーターは他にも様々な分野で配置されており、専用のオフィスを構えていることが多いです。

コーディネーターのオフィスの表示↓

図書館司書(teacher librarian)、カウンセリングや進路指導を行うガイダンスオフィサー(Guidance Officer)、学校看護師(School Based Health Nurse)なども専門スタッフとして配置されています。

警察官が配置されることもあります。すべての学校ではありませんが、外部からの不審者対策をはじめ、生徒による窃盗や器物損壊、暴力行為、薬物使用、学校間のトラブルや生徒同士のけんか、いじめへの対応など生徒の安全を維持するための支援を行います。

スクールチャプランと呼ばれる聖職者の配置もあります。キリスト教の聖職者が多いですが特定の宗教教育を行うのではなく生徒のカウンセリングを行います。いじめや人間関係のトラブル、家族の問題や将来への不安など相談内容は多岐にわたります。

補助教師(Teacher Aid)も学校ごとに多数雇用されています。

教師の業務は授業を行う(教える)ことです。事務的な業務は行いません。日本の教師は教えること以外にも様々な業務を担っています。一般に「校務分掌」と言われます。その量は諸外国と比較しても驚くほど多いです。海外では教師に課せられていない仕事も担うことが多いです。給食指導、清掃指導、家庭訪問、クラブ・部活動の指導、国や自治体が実施する調査への回答、学納金の徴収、文書の受付と保管、地域の会合への出席など数えきれないほどあり、施設や備品の管理も教師が担います。オーストラリアでは教師がこうした業務を行うことはなく、学習指導と生活指導に限定されます。

教師が担う業務(Role and Responsibility)としてビクトリア州が示している以下の一覧を見てもそれは明白です。
・授業の計画・準備・実施
・評価とフィードバック
・同僚の授業の代替
・学習習慣の形成
・生活指導
・保護者面談
・休み時間の指導
・職員会議
・教科外活動の企画と実施
・教師ネットワークの構築

教職員の職務に関するオーストラリアの事例は日本の教師の働き方改革にも参考になるのではないでしょうか。
 

   

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