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友人から届く不揃いの野菜と楽しいおしゃべり

過疎の村で暮らす友人が時々野菜を送ってくれます。家の畑で採れた新鮮な野菜ばかりです。友人は夫婦二人暮らしです。夫は公務員でしたが定年で退職し、今は民生委員をしています。妻は結婚以来パートで働きながら3人の子どもを育て、夫の両親の世話もしてきました。子どもたちはそれぞれ結婚して離れた場所で暮らしています。

そんな中で二人は親から受け継いだ畑でいろいろな野菜を育てています。市場に出すわけではなく、自分たちで食べるものが中心なので、形や大きさはどれも不揃いです。それを私にも送ってくれるのですが、みんな個性的な姿でスーパーなら真っ先にはじかれそうなものばかりです。でもなぜか愛嬌があります。話しかけてくるようにも感じます。

湾曲したキュウリは「これ得意のヨガポーズなの」と。ごつごつした土まみれのジャガイモは「大事なのは見かけじゃないぜ」と言っているよう。鮮やかな色のナスたちは「私たちのこの紫、みんな自然の色だよ」と言っているみたいです。真っ赤なトマトたちにも「だれがいちばん赤くてかわいい?」と聞かれているように感じます。初めて白いナスを目にしたときは私の方から「君はだれ?」と聞きました。

野菜たちとのおしゃべりは食卓に上っても続きます。「ヨガキュウリ」に味噌をつけて食べるとポリポリという涼し気な音が夏の食卓に響き渡りました。思わず「おっ!いい音!」と声が出ました。

「みんな違ってみんないい」

不揃いの野菜たちとのおしゃべりはとっても楽しいです。

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