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131 触る授業

小さな葉っぱを手で触れ、匂いを嗅ぎ、唇にふれて、その特徴をことばで表現する子どもたち。視覚に障がいのある中学1年生の生物の授業で「触る授業」と呼ばれています。NHKの番組で紹介されました。

授業を行っているのは筑波大学付属特別支援学校。この学校の生物の授業は、植物や昆虫、化石など様々なものを触ったり、においをかいだり、舐めたり、あらゆる感覚を使って観察します。五感を使った観察はゆっくり、ていねいに行われ、先生は子どもの小さな発見や個別の発想を大切にしながらフィードバックをしていきます。

子どもたちの生き生きとした姿が印象的でした。こうした素晴らしい授業を行っている学校があることを知り私はとても嬉しかったです。視覚に障がいがない子にとっても有効な授業だと思います。

番組のホームページには以下のように紹介されています。

一枚の葉を指先で触り、唇でふれ、匂いを嗅いで、見落とされがちな植物の特徴を自分なりの言葉で表現する子どもたち。視覚に障害のある中1の生物教室だ。“触る授業”は進み方がゆっくりだが、丹念に観察すると発見する喜びがわくため、子どもたちは知識を深めてゆく。「目が見えないことは障害ではなく個性」との思いが込められた楽しい授業。見えない世界をみずみずしい言葉で描いていく子どもたちの姿を一年にわたって見つめる

https://www.nhk.jp/p/etv21c/ts/M2ZWLQ6RQP/episode/te/LW5J951WPV/

同校のホームページにも授業が以下のように紹介されています。

中1理科(生物範囲)の授業では、1年間をかけて、植物の葉や動物の骨格標本の観察を行い、指先から感じ取った大きさ、形、表面の手触り、へこみや膨らみ、固さ・柔らかさ、穴や突起の向きや、匂いなど気づいたことを言葉にしていきます。

 自分で発見できた喜びとともに、情報を他者に伝え共有するための言葉は、事物をじっくり観察し、対話によって言語化することを繰り返しているうちに次第に洗練され、他の人にも通じる表現となっていきます。よくみて(観て)、よく考えて、よく表現する授業は、理科だけでなく、本校の教科教育でとても大切にしていることで、アクティブラーニングの原点といえます。

授業にはいろいろなやり方があります。目の前の子どもたちにとってどのような授業をやるのがよいかを考えて行うのが最も重要な教師の専門性だと思います。

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