見出し画像

フランス語と私

若い頃のパリでの研修について記事を書きながら自分のフランス語学習履歴を思い起こしました。私は英語教師でしたがフランス語は高校生の時から興味があり独学で勉強していました。私がフランス語に興味を持ち始めたのは兄が聞いていたNHKラジオのフランス語講座を耳にしたときです。「なんて美しいことばなのだろう」音楽のように流れるフランス語に私は魅了されました。そのときから私もラジオ講座を聞くようになりました。

当時の講師は林田遼右先生という方でした。穏やかな語り口で解説もわかりやすく、視聴するのが楽しみでした。スキットも場面が目に浮かぶように作られていて素晴らしかったです。そして、驚いたことに当時のこの放送がYouTubeにアップされていたのです。↓


高校時代はこうしてラジオ講座と別売りのカセットテープで学習しました。カセットテープは林田先生のほか伝説的な講師である朝倉季雄先生や丸山圭三郎先生、福井芳男先生など今は懐かしい方々のものを繰り返し聞きました。

高校卒業後は京都の大学(京都大学ではありません)に進みました。学部は文学部の英文科です。フランス文学を゙学びたかったのですが事情があって叶わなかったのです。でもフランス語は大学時代もずっと学び続けました。英語よりもフランス語の方を勉強していたように思います。第二外国語もフランス語を選択しました。

フランス語は大学の授業だけでは物足りなく東山にあった「関西日仏学館(当時は京都日仏会館と言う名称だったような気がします)」で週1回フランス語会話の授業を受けました。講師はフランス人で1回2時間の授業です。3年間通いました。受講者は大学生や社会人、主婦など様々でした。

それとは別に友人の紹介で北白川にある教会でもレッスンを受けました。「カトリック聖ヴィアトール北白川教会」というところで、カナダケベック州の大司教の要請を受けて設置された教会です。だから神父をはじめとして教会スタッフもカナダ人でした。私は友人と二人で週に1回教会に通いレッスンを受けました。同じフランス語でもフランスとカナダでは微妙な違いがあります。それを学ぶよい機会でもありました。

大学ではプルーストの『失われた時を求めて』を講読する授業も受けました。講師は新進気鋭のプルースト研究者山路龍天先生。学生の私たちと年齢が近かったので何でも気軽に話ができました。一コマの授業で講読する量はほんのわずかでしたが、それだけではない興味深い情報をたくさん提供してくださいました。文学の奥深さやプルーストの魅力を教えてくださったのも山路先生です。授業では大作を読み切ることはできませんでしたが、私がその後ずっとプルースト、そしてフランス語に興味を持ち続けたのも先生のお陰だと思っています。
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?