46 見ているけど見えていない
ある年の暮れ、放課後に職員室で仕事をしていると近くの踏切で人身事故があったというニュースが飛び込んできました。現場の踏切は駅に一番近く、毎日多くの人が利用しています。私もよく通ります。学校にも近く、踏切を通って通学している生徒もいます。私は生徒が事故に巻き込まれたのではないかと不安になりました。
犠牲者は79歳のおばあさんでした。踏切を横断中に特急列車に跳ねられたといいます。即死だったそうです。翌日の新聞を読むと、おばあさんは足が悪いため踏切を渡り切れなかったということでし