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クレしんオトナ帝国を観て!!

こんにちは。note初心者のケンケンです。
先日、近所のゲオでオトナ帝国を借りてみました。前々からクレしん映画は興味があったのですが、ちゃんと見ようと思ったのは初です。
で、実際に見ると、しんちゃんにしてはえらい壮大な話なのでは?と思ったので今書いてます。
まず、僕はアーカイブ世代であってこの映画の時代を知ってるわけでもないし、クレヨンしんちゃんを幼少期にそれほど熱心に見てたわけでもないのです。なのでこの作品について語っている人たちは身近におらず、ほぼほぼ過去のネット上にしかいないのです。しかし色々感想文を読んでいるとわかるのですが、鼻息を荒くして熱く語っている人がかなりの数いるという事です。

この作品、映画冒頭の万博のパートに結構な分量が割かれています。クレしん映画という子供向けの作品にも関わらず、子供からすると謎でしかない万博に、です。
これはおそらく当時劇場に行った子供達と、一緒に行った親たちで見方が変わるように作られているためです。
しんのすけの視点で見ると親が懐かしさに取り憑かれ豹変するホラーモノとして。
劇場に連れて行かれた親の視点で見るとノスタルジーなニュアンスを含むモノとして2つの見方があります。
僕はそのどちらとも言える、18歳の視点で見ました。しんのすけに感情移入できて、懐かしさも分かる、どちらの感情もある面白い時期にいい映画が見れたと思います。
この作品の構造的に、当時見に行った子供達には懐かしさがないのでホラーやカーアクションとしての印象を与えると思います。隣でノスタルジックな感情に浸っている親の感情は、大人になるまで分からないのです。
だから大人になって見返した時に別な印象を与えます。クレしん映画が持つ、「幼少期の恐怖心」という深い所に傷を残すと同時に、月日が経ってももう一度楽しめる、「人生を通して楽しめる作品」であるという2つの構造は、子供向け作品でも異質で、今なお多くのファンがいる所以ではないでしょうか。今作に限らずクレしん映画は傑作が多いと聞きます。まだまだ見る予定ですが楽しみでしかないです。

僕が映画の中でも特に惹かれたのはケンとチャコという敵キャラクターの存在です。
少ない登場シーンで、戦闘をするわけでもないのに脳裏に刻まれる良いキャラです。ちなみに僕は、僕の感性が摩耗する前にこの映画を見れて良かったと思ってます。それは間違いなくこのケンとチャコのキャラクター性のおかげです。キャラクターの存在に作品の意義を全て託しきってる作品はそうそう無いと思います。
このキャラについて語ってる人は沢山いるので、あえてここで色々書くのは違うかな〜とか思ったりしてますが、一個気づきがあったのでそれだけ書きます。

作中で「ケンとチャコが微妙な関係」
である事の意味です。なぜ夫婦として描かなかったのか。
それは、現実と向き合っていない2人の状態を強く暗示するためでしょう。
ずっとあの時のような微妙な関係でいたい。生ぬるい恋人生活に浸っていたい。というホメオスタシスが、2人を万博の時代に縛っているのではないでしょうか。
つまり、これ以上進みたくないから、周りの時間を止めてしまえ。という事ですね。

昨今、結婚に色々な形があることは知ってます。が、結婚の最終目的とはなんでしょうか?
多分「子を残すこと」だと思います。
子をこの世界に託す事、だと思います。

ケンとチャコ、それとは対比の位置にあるのが野原一家です。野原一家はもちろん、しんのすけがいるので結婚してるわけで、子を託す決意=世界を悲観してない、ということになります。
現代を批判して過去を賛美するケン達と逆です。
だから僕はこの映画を、


「本編の後、ケンとチャコは結婚して現実を受け入れて、子を残すのかどうか。」

という見方をしました。

信頼できない未来を受け入れ、子を残す選択ができるのだろうか。というテーマだと勝手に解釈しました。

ケンは最初から過去に囚われることは哀れだと分かっていたのではないかと思います。
それはチャコの自殺に"付き合ってあげる"ような描かれ方をしてる所から読み取れます。

家族がいる幸せをあんたらにも分けてやりたいぐらいだぜ!
のセリフで哀れさに気づいたのかなぁ多分。

まとめると、
しんのすけの一言で、世界から逃げてる自分と決着つけて、現実を生きる事を選んだ話。
『進もう』と決意する話なんだなぁと思いました。

僕にとってこの映画の主人公はケンとチャコであり、懐かしさがわかる人なら絶対に刺さる作品であると思ってます。

皆さんはどんなふうに見ましたか。
まとまらないままの殴り書きなので読みにくかったと思います。ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。
ヒマ潰せましたか?

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