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非日常ラウンジ 過酷すぎるインド一人旅 DAY4 「宿で旅の同志と出会い後半戦へ」

さて、4日目。

毎日、毎秒が闘いの、過酷すぎるインド一人旅がこの日から激変する。

疲れの取れない体を冷水シャワーで起こし、ホテルを出発。

今回の旅の2大目的地。

一つは昨日のタージ・マハル。

二つ目は明日訪問予定のガンジス川。

世界最高に汚いと話題の聖なる川を訪れるために、国内線を予約してある。

そう、飛行機で1時間ちょっと南東に飛ぶのだ。

3日間のごたごたで多少の面倒くささを感じるが、インドに来たからには行かねば。

今回はゴールに楽しみが待っている。

日本人向け宿、サンタナだ。

インドに旅する者の間では有名なバックパッカー向けの宿で、オーナーが日本人。おまけに、ほとんどの宿泊客が日本人なのだそうだ。

行かない手はない。

既に予約してある。

無事に宿に着けば、心落ち着かせることができるだろう。

インディラ・ガンディー空港から国内線に乗るにも一悶着した。

航空券を自分が買ったという証明をしろ、とのこと。

ここで問題発生。

運が悪いことに、購入に使ったクレジットカードがPayPayのカードで、真っ黒。番号も名前も印字されていないのだった。

この旅で初登場のGoogle翻訳アプリを仕方なく使い(あまり使わずに自分の力で旅をしたかった)、何ターンかやりとりをした結果、PayPayアプリの表示を見せることでなんとか理解してもらえた。

所要時間、およそ1時間。

空港に早めにきておいてよかった。

空港で見つけたデップー自販機

サモサを買って小腹を満たし、搭乗。

CAと乗客の間で揉めて30分ほど離陸が遅れたが、なんとかバラナシに到着した。

空港の感じはデリーとさほど変わらない。

外でUberを呼んで宿近くに向かう。

宿近くは車両が入れないため、一旦タクシーで最寄りの駅まで移動し、その後リクシャーをUberで呼んで宿に行く作戦に。

しかしこれが失敗だった。

駅に着いてからUberを呼ぶが、一向に来ないのだ。

待っているとすぐ集まってくるリクシャードライバーは新宿のキャッチよりしつこい

目的地を宿近くの交差点、「ゴードウリヤー・チョーク」(なかなか覚えられなかった)に設定してUberで検索。

ドライバーとマッチングするが、渋滞にハマって来ず、マッチングがキャンセルされる、を1時間弱繰り返した。

仕方なく、歩きながら自力でリクシャーを捕まえることに。

騙されるな、騙されるなとしかめっ面をしていたら、「GoProいいね。ブロガー?」と声をかけてきた青年3人組に、なんで怒ってるの?と驚かれた。

やがて気の良さそうなおじさんに乗せてもらい、ゴードウリヤー・チョークへ。

渋滞にハマり、あっという間に陽が沈んでしまった。

ここバラナシの渋滞は、デリーとはまるっきり違う。

止まる車の間を無理やり進むリクシャーが詰まり、もはや歩いた方が早い。

「なんだよこれ、ったく」と笑っていたら、ドライバーと目が合ってお互い笑い合った。

こんなんでイライラしてたらインドで生きていけないんだろうが、日本人の大半がダメな気がする。

ゴードウリヤー・チョークに着いたら、すぐ近くのおじいちゃんの自力リクシャー(オートリクシャーではない、浅草の力車とほとんど同じもの)に捕まった。

ここからホテルへはオートリクシャーですら入れないらしい。

歩行者天国のようだった。

人は渋谷駅並み。

おじいちゃんドライバーに値段交渉をしてから乗り、人混みの大通りや近道かわからない狭い路地を進んだ。

おじいちゃんドライバー@バラナシ

10分ほどで降ろされる。

ここから先は行けないとのこと。

合意した値段の倍を請求されたが、

I said I said I said (言ったはずだ!!)と言い切り、近くの日本人を話せるインド人(この人も怪しい)に助けられて解放される。

「サンタナ、イキタイ?」

かけられる声をふりきり、ググった通りの道を進む。

ここは最大の宿敵、日本語を理解するインド人が多く立ちはだかる。

「サンタナ、コッチダヨ」

「チャイ、ノム?」

誘導されたり、無視したり、行ったり来たり。

調べたら多くのレビューが出てくるが、サンタナバラナシ宿はとても分かりづらい場所にある。

路地を何度も曲がるし、Googleマップでは遠れる道が塞がっていたりする。

なんとか、なんとか到着。

夜は特に分かりづらく、真っ暗で怖いので注意

ベルを鳴らすと柔らかい笑顔の日本人男性が。

「こんばんは〜」

ドッと流れてきた安心感にあっという間に満たされる。

冷たく疲れ切った心が、ゆらゆら揺れるロウソクの光に照らされて暖かさを取り戻したようだ。

「こんばんは〜」

「着いた〜〜」

「おつかれさまです」

注意事項を聞き、上の階へ。

案内された部屋には多くの日本人が寛いでいた。

「おつかれっす!」

疲れておるはずなのに会話が止まらなかった。

自己紹介から始まり、どこからきて、どこに向かっているか。どんな経験をしたか。何が危険だったか。

みな、武勇伝を持っていて話がたまらなく面白い。

こんな交流したことない。

夕飯はチキンカレー

学校ともサークルとも職場とも違う。

素性をほとんど知らぬ者たちとの1日限りのコミュニケーション。

同じような道を辿ってきた者。

世界一周中で、ベトナムで大怪我をした者。

同じく世界一周中で、バングラデシュでテロが始まり、1か月ほど足止めを喰らっていたもの。

これからネパールに向かう者。

数時間後、電車でデリーに帰ってそのまま帰国する者。

インドのビールで乾杯して集合写真を撮影。

あっという間に寝る時間になってしまった。

インドに来てよかった。

前半の旅と違いすぎる後半戦が始まった。

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