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怪談・短編集

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人様から頂いたお話や人伝に聞いたお話、創作の怪談など掲載していきたいと思います。
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#読書感想文

九つの兆し

これは、私の読者から寄せられた、神奈川に住む、匿名希望の男性から聞いたお話。 以下、男…

のるな

「もうこんな時間か、明日も仕事だし今日はこれで帰るわ」 その日、新居祝いにと友人の住むマ…

古本屋

定年を迎えた島田さんの趣味は、古本屋巡りだった。 それも大手チェーン店では無い、街角にあ…

ライバル

啓介君は幼い頃から走る事が大好きだった。 元々才能があったのか、中学に上がった頃には陸…

入れてはならない

その日、大手出版社に務める橘さんは、繁忙期を終えようやく取れた連休に合わせ一人旅に出た。…

何かが飛んだ

京子さんはその日、いつもの様に早朝のプラットフォームで電車を待っていた。 片道一時間の…

付喪神

松永さんは大学卒業後に一人暮らしを始めた。 しかし元々掃除が苦手だった松永さんの部屋は、月日を追う事に荒れ放題となった。 部屋はまだしも玄関や廊下は人目に付いてしまう。 仕方なく松永さんは使っていなかった新品の箒を取り出し、せめてもと玄関や廊下だけは綺麗にしようと、それからは気を付ける事にした。 意外にもそれは習慣となり、松永さんはそれ以来欠かさず掃除を続けていた。 やがて暫くたった日の事だ。 「あっ……」 松永さんは箒を見て思わず零すように言った。 箒の柄が折れて

タクシー怪談

その夜、タクシー運転手の相模さんは、車内で一人悩んでいた。 先程乗せた乗客の忘れ物だ。 …

許されざる悪意

これは、私が長年勤めていた病院で体験した話だ。 その日、私は当直の看護主任に緊急の呼び…

怪談配信

俺は自宅でイラスト関係の仕事をしている。 活動時間は主に夜だ。 絵を描く事自体は好きだが…

あの日、俺達は亡霊に立ち向かった

これは、俺が高校三年のクラス対抗野球試合で体験した話だ。 俺のクラスD組は、お世辞にも…

座敷童子

これは岩手に住む親戚、藤村(仮名)さんから聞いた話だ。 藤村さんの家は祖父母と息子夫婦、…

廃病院

四国にある、とある廃病院での話なんですけど、心霊スポット巡りが好きなAさんという人がい…

LINE

これは、千葉に住む福島さん家族が体験した話。 福島さん家族は父、母、娘二人の四人暮らし。 普段からよくLINEのグループチャットを使って日頃から家族間でやり取りをしている。 今こんな事があったなど、他愛もない会話をグループチャットで報告しあったりする仲の良い家族だ。 そんな福島家だったが、今とある問題を抱えていた。 それは、一番下の次女の発言から始まった。 「何かさ、たまに家で視線感じるんだけど……」 家族の誰もがその言葉を否定した。 気のせいだと。 しかしそれから