見出し画像

『Slang』DEF LRPPARD 僕の洋楽愛聴盤vol.54


グランジに対するレップスの答え

このスラングというアルバムが発売された頃、アメリカでは空前のグランジロックブームでした。80年代のHR/HMは過去のもの、かっこ悪いものとされ、シーンから完全に消し去られた時代です。(あくまでアメリカの話しですが)
そんな中、DEF LEPPARDによる解釈でグランジに対する音楽的な答えを出すと意気込んでリリースしたのがこのスラングというアルバムでした。

その意味合いは随所に感じられます。まず音がオーガニックでオーバーダブを極力抑えて、これまでのパイロマニアやヒステリアといった代表的な彼らのアルバムとはかなり距離をとってます。片腕のドラマー、リック アレンもこのアルバムでは電子ドラムではなく、生音のドラムにチャレンジしています。
決して流行りに迎合した訳ではなく、グランジとは何かという問いを自らに課したとてもチャレンジングなアルバムだったと思います。

セールスは不振

既存のファンからは「グランジの流行りに乗ろうとした」「曲がつまらない」(作風全然違うから」)と批判され、グランジファンからは「今更デフレパードなんて古い、ダサい」と敬遠され、セールス的には大惨敗に終わります。
でも、私はどちらの立場も取らず(ガッチリファンですけど笑)フラットな立場で聴くと、良い曲も多くジャケットもカッコいい、凄く良いアルバムだと思ってます。

Work it outなんかはこれまでの彼らには無い魅力ある曲だと思います。

この曲も古参のファンにも刺さる良いバラードだと思います。ようはみんなちゃんと聴いてないのです。

オルタナティブファンにこそ聴いてほしい

90年代にリリースされたHR/HMバンドの作品にはグランジやオルタナに影響を受けたアルバムが多くあります。スラングもその一つだと思います。そしてそういうアルバムは古参のファンや評論家からは駄作とされてしまう事が多かったです。以前ご紹介したモトリー・クルーやメタリカの「Load」「Reload」なんかは、むしろオルタナティブのファンから評価を受けていると感じます。
このスラングもその一つだと思うのです。オルタナティブファンの方ならきっと良さが分かる。
当時聴いていなかった方でも、是非もう一度聴き直してみて頂きたいアルバムです。
未聴の方は是非!

プロフィール

デフレパード(Def Leppard)は、イギリスのロックバンドです。1977年に結成され、1980年代のヘヴィメタルブームの中で国際的な成功を収めました。

バンドのメンバーは、ジョー•エリオット(ヴォーカル)ヴィヴィアン・キャンベル(ギター)、フィル・コリンズ(ギター)、リック・サヴェージ(ベース)、リック・アレン(ドラムス)という5人からなります。1980年代半ばにリック・アレンが自動車事故で腕を失った後、ドラマーとして片腕で活躍しているもの話題となっています。

デフレパードは、エネルギッシュなリフとメロディアスなヴォーカルを特徴とするハードロックサウンドで知られています。彼らの代表曲には、「Pour Some Sugar on Me」、「Love Bites」、「Photograph」、「Hysteria」などがあります。

1980年代の成功後、デフレパードは数々の困難を乗り越えながらも活動を続けており、現在までに11枚のスタジオアルバムをリリースしています。彼らの音楽は広く支持され、世界中で100以上のミリオンセラーを記録しています。

デフレパードは、そのキャッチーなメロディとパワフルなライブパフォーマンスによって、ロックの偉大なバンドの一つとして高く評価されています。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?