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わしの日常(2022年4月)

4月〇日
午後一番でお客様の所を訪問する予定や、来客予定がない日。前日の晩御飯の残り物を「弁当」と称して持って来ない日。そんな日は極力、外食することにしている。
ただし、「徒歩圏内の店」これがルールだ。正午前に事務所を出て、ブラブラ歩きながら「今日は何食べよう?」と考えるこの瞬間がたまらなく楽しい。

この日は事務所を出て何となく足が南に向いた。
「この店は先週行ったばかり」
「この店は今日は気分じゃない」
ブラブラしているうちに平和大通りまで来てしまった。
一応、目安としてここが最南端だ。でないと、どこまでも行ってしまいかねない。
しかし、今日はボンヤリしてついそのまま渡りかけて我に返った。やばい、危うく「一線を超える」ところだった。ちょうど信号が赤で良かった。
ここで引き返そう。でも待てよ。
「たかが自分が決めただけのルールじゃん」
「そもそもルールなんて破るためにあるんじゃないのか」
「何をビビってるんだ」

信号が青に変わる。「行け!」自分の中で何かが弾けた。
そしてとうとう河原町に足を踏み入れた。歴史が動いた瞬間だ。
さぁ、どこの店に行こうか。新規開拓だ。辺りをキョロキョロしながら歩く。
おっ、向こうにラーメン屋さんがある。
あっ、この居酒屋さん昼定食やってる。
おっ、この喫茶店はどうだろう。
目移りして決められない。どうしよう?もう30分以上歩いている。とっくに空腹のピークは過ぎ、足が疲れて食欲も失せてきた。ダメだ。今日はもう帰ろう・・・。

結局、事務所から一番近い店の弁当を買って帰った・・。

4月×日
「今日は何を食べよう?」
いつものように考えながら歩いていたら、突如ピザが頭に浮かんだ。そういえば、もう長いことピザを食べていない。天の啓示だ。よし、決めた!今日は何も迷わない。

ところが、店が近づくにつれ不安が募ってきた。
「ピザって電話やスマホで注文するんじゃないだろうか」
「いきなり店に入って注文する人なんているだろうか」
「店から持って帰る人なんて見たことない」
ドアの前で店内を覗くが、暗くて様子が見えない。
何気ないふりしてそのまま数メートル歩き、急に何か思い出した演技をしてからUターンし再び店内をうかがう。
やはり見えない。

ピザって種類が多くて、電話でもどう注文したらいいか分からないのに、もし、仮に対面で注文できたとしても、気が動転してうまく喋れそうにない。「あのー、えーっと、そのー」しどろもどろで店員さんに失笑されてしまうかも。ダメだ。今日はもう帰ろう・・・。

結局、ピザ屋の先にある弁当屋さんに引き寄せられた・・

4月△日
今日は早朝から路線バスで土師ダム近くのバス停で降りて、走ってダム湖を1周しそのまま自宅まで帰る計画だったのに、朝から雨。
しかも結構土砂降り。行こうかやめようか、散々悩んだ挙句やめた。

帰宅してから餃子を作る計画だったのに、走るのを止めたため、朝7時から具を捏ね始める。
途中で皮(80枚用意していた)に対して具が足りない気がして、急遽ミンチを買いに走り、追加投入するが今度は皮が足りない気がしてきた。もう一度スーパーに行こうかやめようか、散々悩んだ挙句やめた。余った具は冷凍庫へ。

どうも朝から計画通りに行かずイライラする。このイライラの原因は何か?そうだ計画を立てるからだ。ならば、今日はこの後は無計画でいく。決めた!フト窓の外を見ると、雨が上がり晴れ間が見えてきた。
とりあえず走りに行くか。

家を出てどこに行くとも決めず、何となく直進する。
信号に引っかかると青になっている方に曲がる。
また直進する。
また曲がる。
そんなことを繰り返していると、安佐南区の山本地区から沼田方面に抜ける山道に入っていった。
この道このまま進んで大丈夫か?スマホで地図見た方がいいんじゃないか。でも、見たらこの後どうやって帰るか計画を立ててしまうことになる。

何でここにいるのだろう?

ダメだ、このまま行くしかない・・・。


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