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無能退職

 私は2022年度に新社会人になり、もうすぐ一年が経とうとしている。そして、今年度末退職予定だ。  
 なんと情けないことであろうか。ちなみに、国家公務員である。何を伝えたいとかそう言うのはないけれども、なんか言ってるなー、愚かだなー、あまちゃんだなー程度に流し見していただけたらいいと思う。
 私は自他共に認める周りに流されやすい人間だ。進路も自分の意思を持って決めたのは皆無と言える。大学も親や田舎の進学校の精神に則り、国立大学に進学して、負担をかけないように授業料免除や奨学金の給付金のためだけに勉学に勤しんだ。あぁ、なんと親孝行なことだろう!
 就職先も特にやりたいことがあるわけでもなく、筆記さえ合格すれば安牌な公務員試験を受けた。ゆったり将来生きていければなと思い、県庁と特別区の内定を辞退し、田舎の国家一般職へと足を踏み入れた。
 まぁゆっくり仕事できればいいしな、給料低くてもいいや…そんな考えで迎えた入庁日、そんな甘い考えは打ち破られた。

 内定式から1日経ち何も分からず窓口に着席、8時半になりいきなり第一村人がお越しに、何語ってぐらい訳わからん用語並べられたが、もちろん無能な自分に対応なんてできるはずがない。
 とりあえず中の職員に取り繋ごうとするが、「それもわからないの?」とため息をつかれ「私忙しいからとりあえず対応してね」とトイレへレッツゴー。
 恥ずかしい話だが、「私新卒採用で今日から配属されましたので、申し訳ありませんが詳しい者が戻ってくるまで少々お待ちいただけませんか?」と客人にお願いをしてしまった。当然だが国民の皆様にとってはそんなの関係ない、とりあえずサンドバッグになるしかなかった。ちなみに、窓口当番は若手の職員2人だけで回すことになっていて、自分と上記のトイレへお花を積みに行った職員でやっていたので他の職員は助け舟を出してくれない。
 さて、こうして初日からボディーブローを食らった訳だが、「まあ最初はこんなもんだよね」「こっから成長するから」と楽観視していた。しかしながら挫折は続く…
 私の職場は専用のシステムを使うのだが、最低限のマニュアルはあるだろうなと贅沢なことを考えていた。でも流石は公務員、優秀な職場の皆様に「そんなもの考えればわかる」とありがたい言葉をいただいた。(自分の無能さをあげるとキリがないので需要あれば書いてくかも)
 こうして無能の烙印を押されながら早一年、他の県の同期の職場について尋ねてみたら、窓口と電話対応や雑務に派遣されている自分とは異なり、仕事をたくさん教えてもらえて随分と差がついてしまったことを思い知らされる。しかも平均年齢50以上の私の職場とは違い、若手が多い職場だ。まさに隣の芝生はヴィヴィットブルーである。
 ここで心が折れてしまった。そう自分の環境適応能力の無さ、そして無能さ、隣に広がる青々とした草原に…無論公務員が民間より大変ということはもちろんない。昭和の働き方とZ世代なる私との相性が最悪だったのだろう… 

 「転職」この2文字が真っ先に浮かんだ、そこからはもう早かった。定期的にある面談の中で「やめます」と着席してすぐに口に出す。もちろん引き止められる。だが私も負けない、まるで岸辺露伴の気分であった。結局退職が認められることとなり来月退職する。神よ、愚かな私を赦してください…

 つらつらーと退職に至るまでの経緯を愚痴と共に書いてきたが、ため息程度に書くつもりが酸欠になるまで書いてしまった。まぁ結局自分が一番悪い、なんとなくで就職してなんとなく生きていこうとしてたのがダメだった。仕事にはやりがいがなければいけないなとひしひし感じた次第である。
 今は転職活動をしていて、自分の身の丈にあった企業を探している最中。4月から少し無職になるかもしれないが、就職したら近況や公務員と民間を比較してどうか〜とか、転職活動について書いて行けたらいいなと思う。あと在職中に簿記2級を3週間でギリギリ合格できた話とかもこれから転職のために簿記取りたいなーって人がいたらしていきたい。
さらばだ

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