コロナと読書1

社会人1年目が終わりを迎える頃、新型コロナが世界で、そして日本で流行し始めた。そのまま社会人2年目を迎えるやいなや、出勤人数削減のため、仕事柄新人は戦力にならないからと在宅勤務に。

来る日も来る日も、一応勤務扱いのため、朝それなりの時間に起きて、1日だらだらと形だけやることやってだらだらと過ごし、夜それなりの時間に寝る生活の繰り返し。勤務時間が終わっても、まだ当日のご時世的には外に出かけることは憚られた。もちろん休日も天気がいいからと言って外に出るのがためらわれた。小さい頃からテレビっ子だったが、さすがに毎日毎日朝から晩までどのテレビもコロナ、コロナ、今日の感染者、重症者、死者、有名人の誰それが感染した、亡くなったという話題に辟易とした。テレビから離れた。

動画やSNSを見るにしても限度があった。当然ながら、検索するのは興味があるものに限られるし、おすすめで流れてきても興味がなければ見ない。自宅にいることを強いられる一方、外で何も考えず思い思いに好きなことをする様子を見て不快に思うことさえあった。だからそうそう続けて見られるものでもない。家から出ることもできず、本格的に気が滅入ってしまった。今考えたら鬱に近い症状だったのかもしれない。

ついにすることがなくなって、現実世界から頭だけでも切り離したいと思いはじめ、小さい頃から読書が好きになれず、国語の授業が嫌いで仕方なかったわたしが、数年振り、下手したら十数年振りに本を購入してみた。小説を2冊買った。(つづく)

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