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ドイツ語を工作する女。

普段あまりお金を使わない私ですが、人から高いと言われても、何の躊躇もなく毎月支払っているものもあります。それはドイツ語のオンラインのプライベートレッスンです。 週1回1時間のドイツ語のレッスンで、自分が書いたテキストを直してもらっています。しかし今日は、いつもだったら時間が足らないのに、30分で校正が終わってしまいました。

昨日からずっとパソコンの前に張り付いて書いていたドイツ語のテキストのミスが少なかったのです。だからと言って私のドイツ語力が向上した、というわけではありません。実はドイツ語の先生に見せる前に、チャットGDPに、この文の文法と内容は正しいか、と校正をかけていたのです。 何ということでしょう。AIは、私が思った以上に賢いようです。

そもそも、私のドイツ語を書く作業は、ドイツ語を工作する、と言った方が正しいです。 まず自分が言いたいことと似たようなことが書いてある文をネットの中で探します。その文章を自分の言いたいことに書き直します。書き直した文をチャットGPTに校正してもらいます。次にその文の中に入っている単語で、自分がしっかりと分かっていない単語を、辞書など、文章で説明してある所を探します。そして先ほどの文に、その単語の内容の説明を組み込んで文章を詳しくします。1文書く(工作する) だけにも鬼のように時間がかかります。 そうやって作った文をつなげたり、入れ替えたりしながら、テキストをじわりじわりと長くしていくのです。

どうしてそんなやり方をしているかと言うと、書かなければいけない内容が私には難しすぎるからです。私はドイツの保育士の職業訓練の最後の年で、論文を書いています。 論文は理論と実践の両方に触れなければいけません。 日本語でも難しい教育理論や心理学を、どうやってドイツ語で書くというのでしょう。とにかく机にかじりついて、自分の知らない表現をどうにか紡ぎだす作業が上記の「使えるものは違反しない程度に使って、のろのろだけどいつかは終わるよ作戦」なのです。

私はバイリンガルを目指したことはありません。トリリンガルなんてもってのほかです。 どうしてこんなに語学ができない人間が、こんなにもドイツに長く住んで、未だにドイツ語と格闘しているのか、自分のことですが謎です。

まあ ここまで来たからには、この職業訓練を無事に終わらせ、その後しばしドイツ語からおさらばして、エジプトでピラミッドを拝むのだ。

スフィンクス、私を待っててね。


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