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中編

25
1話完結ものです
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2022年9月の記事一覧

隣の席の学級委員は律儀です

隣の席の学級委員は律儀です

「暇やぁ、、、。」

喉から搾り出すように出た現状報告。
でも、誰にも届くことなくクーラーに吸い込まれる。

なんの気なしに見るTwitterも
ただ更新の変な音を聞くだけに変わってしまって

たまぁに新しいツイートが出てきても
だいたい質問箱の自動ツイート。

もう嫌になっちゃう。

「Twitterサークルって結局なんやねん。」

もちろんそんな質問に答えてくれる人なんかいなくて
結局全部クー

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対抗リレー

対抗リレー

ーーーーーーパン!!

号砲が鳴る。
それを合図に一斉に走り出した私達。
目指すは君のもと。

思い返せば、
君との心の距離もこれぐらい遠かった気がする

期末テストも終業式も終わったのに
数学弱者だけが集められた教室。

「こんなことをするから余計やりたくなくなるんだよ。」

そんなことを言えるはずもなく、
ただ窓の外を眺めた。ただそれだけだったのに。

外で汗を流す君に恋をした。

有名な先輩

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イヤホンとコンポ

イヤホンとコンポ

Ooga-Chaka Ooga-Ooga
Ooga-Chaka Ooga-Ooga

玄関を開けて一呼吸太陽は
夏よりも優しい顔をしてる。

そしてイヤホンから流れる謎の掛け声。
でも、いつも少しだけ歩くのが楽しくなる。

大したことない道だけど、気分は宇宙旅行。
石ころ蹴飛ばし向かう先はインフィニティストーン
でもなんでもないちょっと気になる先輩だけど。

「遅いんだけど。」

「へ?」

「お

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頭の中の世界

頭の中の世界

お昼時、満腹感でいっぱいの私は本を開いた。

「ふーむ。、、、さっぱりわからん。」

私の部屋にある本は難しい。
一冊とて、読み切れたことはない。

幼い頃から漫画しか読んでこなかった私にとって
私の部屋にある本はまるで魔導書である。

すべて催眠魔法ではあるが。

なぜこんな状態になったのか。
理由は簡単である。
母のせいだ。

あまりにも漫画しか読まない私を危惧して
姉の読まなくなった本を私の

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カップ麺を作ります。

カップ麺を作ります。

ちゃぶ台の上
蛍光灯の下
味噌味のカップ麺が一つ。

包装を剥がせば推しとご対面。
うん。なんとも素晴らしいデザイン。

ケトルからお湯を注ぎ蓋をシールでとめたら
タイマーを5分にセット。
少し長くするのがミソ。味噌だけに。

あとは待つのみ。

「それで?」

別の家にいる君に向けて画面に呟く。

『こっちは前から報告上げてたのに
 今さら、〈うっそだろぉ?!まっじでぇ?!〉って。』

「うわー

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