見出し画像

カップ麺を作ります。

ちゃぶ台の上
蛍光灯の下
味噌味のカップ麺が一つ。


包装を剥がせば推しとご対面。
うん。なんとも素晴らしいデザイン。



ケトルからお湯を注ぎ蓋をシールでとめたら
タイマーを5分にセット。
少し長くするのがミソ。味噌だけに。




あとは待つのみ。




「それで?」



別の家にいる君に向けて画面に呟く。


『こっちは前から報告上げてたのに
 今さら、〈うっそだろぉ?!まっじでぇ?!〉って。』


「うわー、、、大変だね。」


『あんな上司になんてなるものかって思ったよね。』


「多分○○君は大丈夫だと思うよ。」


『そう?ならいいけど。』



「私が選んだ人だから。絶対大丈夫だよ。」


『う、え、ちょ、もう一回言って?』


「嫌だ。」



『頼む!毎日それ聞いて通勤するから!』



「余計嫌!」





ーーーーーー只今お熱くなっております。





「そっちは空見える?」


『見えるよ。雲一つない。』



「○○、月が、、、綺麗だね。」


見なくてもわかる。
今私の顔は真っ赤である。


『、、、今日
 月でてないですぜ?』




は?
本当に風情もへったくれもないやつだ。
わかるだろ。月が出てないことぐらい。
愛の言葉だろ。てんどんまんにしてやろうか。






「ねぇ、私のことバカだと思ってる?」


『いや、、、思ってないです。』


「じゃあそれ相応の“返し”してみようか。」


『私には月が見えません。』


「、、、へぇ。
 お月様にしてあげようか?」


『、、、ちょっと待って。夏目漱石か!!』


「遅い。」


『ごめん!!!
 あ、でもそれの“返し”知らない。』




ーーーーーーここで焦ってはいけません。
      じっくり待つのです。





「検索することは許しません。
 あなたの思う答えを探しなさい。」



『え、マジですか。』



「○○の思いを言葉にして。」


『ずっと一緒にいたい。』



「、、、夜空を見て言ってる感じじゃない。」


『めっちゃニヤけてるから正解やろ。』





ーーーーーーここで後もうひと押しがポイントなんだもん






『じゃあカッコつけて言うわ』





ーーーーーーよく頑張った。ゴールは近い。





『、、、このまま時が止まればいいのに。』





ーーーーーーpipipip、、、、
      上手に出来ました。




fin


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?