2022年10月の記事一覧
Re:Break 1
ーーーーーーpipipi
「ん、、、」
視界に色が戻った。
いつも聞こえるアラームの音共に
ふと周りを見ると、そこはいつもの部屋。
「キm
そう言いかけて気付く。
清潔すぎる。
フローリングの色ってこんな色だったっけ。
朝日の入り込んだ部屋。
カーテンなんていつ開いたのが最後だろうか。
既に開いていたカーテンを見て思う。
カーテンの縛り方なんてまるで、
「やっと起きたか。」
「、、
Re:Break 2
「どうやったら元に戻れるか、
それだけ答えろ。それ以外喋るな。」
さくらの目をまっすぐ見つめた。
「過去を変えること。」
「だから、、、!」
「何か一つ、過去を変えない限り戻れない。
それが、この石を使う条件なの。」
もう何もかもにイライラする。
「勝手に石を使っておいて、条件とか出すなよ。」
「それしかなかったんじゃん!!」
「は?」
「○○のせいじゃん!!」
流れる涙を
Re:Break 3
家を出て徒歩五分。
オレンジの看板を立てたパン屋がある。
名店の佇まいとは言えないけれど、
どこか風情を感じさせるパン屋。
良き匂いのする方へ向かえば
自ずとそのパン屋につくとも言われるそのパン屋は
僕と奈々未が最初に出会った場所だった。
「やっぱり、パン屋からなんだね。」
さくらは手を後ろに組んで満足そうについてきた。
「別についてこなくても、、、。」
理解がまだ追いついてない
この世
Re:Break 4
「あの子はね、真っ赤に染まっちまってる。」
寒空の下、公園のベンチの前
ゆらゆらと揺れる煙が目に入る。
相も変わらずさくらは黙ったまま。
「どういうことだ?」
「そのままだよ。坊や。
その子はね、魔法を使ったんだよ。
自分のためにね。」
「、、、!」
さくらの目の瞳孔は開き切る。
この反応から察するに、
マダムの言うことは確からしい。
「魔法を使った?そんなこと知ってる。
俺の目
Re:Break 5
「じゃあ、おやすみ。」
あの後何を話したかは、もう覚えてなかった。
ただ、いつまでも鳴り止まないドラムと
いつまでも消えない唇の感覚だけがそこにはあった。
あの頃でさえ、まだ奈々未と付き合っていた頃でさえ、
こんな感覚にはなったことがなかった。
「おやすみ。」
そう返すと同時に暗くなった部屋は、
なんだか妙にしっくり来た。
「ん、、、、。」
寝返りをうったさくらの手が触れる。
「俺、