Koichiro Kojima

大阪を拠点に写真を使用した作品を制作しています。 Unknown Asia 2022 …

Koichiro Kojima

大阪を拠点に写真を使用した作品を制作しています。 Unknown Asia 2022 スポンサー(ダイビル)賞 Watowa Art Award 2022 ファイナリスト

最近の記事

実験写真日記その4 偶然性

写真の実験には多かれ少なかれ偶然性がつきまとう。 薬品や光など写真を構成する要素には完全にコントロールすることが難しいものが多く、未知の発見を求める実験にはなおさらだ。 他にも街を撮れば予期せぬものが写り込んでいたり、間違えてシャッターを押してしまったり(それが意外と良かったり)と枚挙にいとまがない。 作者が選んだ必然に世界が偶然を投げいれることで成立する写真は美しい。 それは共同作業と言える場合もあれば対立のような形をとる場合もあるが、いずれにせよ1人の作者と世界というも

    • 実験現代写真日記その3・フォトペインティング

      写真は空間から任意の箇所を切り取り、フレームを与えることで構図を成立させる。 一方絵画においては、キャンバスという空間内に色を置いていくことにより構図を出現させる。 ではフォトペインティングの場合はどうだろうか。 フレームを与えられすでに成立している写真の上に絵の具を置いていくと、当然写真の構図は壊れていき、それは同時に新しい構図とイメージの生成過程でもある。 私がフォトペインティングについて興味深い点は崩壊と生成が同時に行われることになるからだ。 矛盾しているように聞こえ

      • 実験現代写真日記2

        実験写真と聞くと誰を最初に思い浮かべるだろう? 恐らく最近ならスティーヴン・ギルかもしれない。マン・レイを思い出す人もいるだろう。 ドイツ写真が好きな人ならトーマス・ルフかもしれないし、ポラロイド好きならステファニー・シュナイダーもその範疇に入りそうだ。 まあ、写真家は多かれ少なかれ実験写真家の側面があると思う。 暗室で薬品を使ったり、まんま理科の実験だから。 では日本では?? 僕が最初に思い浮かべるのは戦前の難波写真倶楽部や丹平写真倶楽部だ。 安井仲治や上田備中を中心とし

        • 実験日記みたいなもの

          前からnoteを利用して実験日記つけようと思っていたことをやっと実行に移します。 ストレートフォトから大きく舵を切って現在の実験現代写真的な作品になってきたのは2018年頃から。 最初は50年くらい前に期限切れになった35mmネガフィルムを使用した作品を作りました。 この時に強く感じたのがメディウムや支持体がイメージに与える影響の大きさでした。 そこから期限切れポラロイド600を使用した作品を経て、現在のデジタルネガにペイント、スキャンというシリーズに至ります。 最近は

        実験写真日記その4 偶然性