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実験現代写真日記その3・フォトペインティング

写真は空間から任意の箇所を切り取り、フレームを与えることで構図を成立させる。
一方絵画においては、キャンバスという空間内に色を置いていくことにより構図を出現させる。

ではフォトペインティングの場合はどうだろうか。
フレームを与えられすでに成立している写真の上に絵の具を置いていくと、当然写真の構図は壊れていき、それは同時に新しい構図とイメージの生成過程でもある。
私がフォトペインティングについて興味深い点は崩壊と生成が同時に行われることになるからだ。
矛盾しているように聞こえるかもしれないが、私にとってはむしろ矛盾を包含できる可能性を湛えたフィールドに見える。

フォトペインティングといえばゲルハルト・リヒターのオイル・オン・フォトを思い浮かべる人も多いだろう。
日本ではアラーキーを思い浮かべるかもしれない。
他にもシグマー・ポルケや最近ではウルス・フィッシャーにも近い作品がある。
だが写真に色をつける歴史は意外と古く、その日本での起源は幕末〜明治時代。
写真技術が輸入されてすぐに彩色写真は始まった訳だ。
こちらは主に開国後にやってきた外国人への土産物用だった。
白黒写真に色をつけていくということで「ぬりえ」的な性質を持っている。
割と日本では作られやすい素地があったのかもしれない。

話がちょっととっちらかってしまったけど今日はこの辺で。

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