EU離脱の熱気のなかで『秋』アリ・スミス
作者はイギリス・スコットランド出身の作家で、この作品は2016年のEU離脱が決まった国民投票のすぐ後に書かれたらしい。
一番度肝を抜かれた文章が以下のもの。
すごい。疲れたとうんざりの畳みかけ。
これに限らず、表現がカッコいい。
時系列はぽんぽん飛ぶし、各人物の夢の中の話もある。筋はひとつしかないけれど、わざと混乱させるような書き方をしていろいろな場面(イメージ)を切り出させる。
過去のエピソードは温かいものが多く、現在のものはどちらかというとギスギスした感じ。
けれど、101歳のおじいちゃんの愛したアーティストを32歳が再発掘という形でつないでいったり。
一律に今がダメというのではなく、よかった時代があって、その続きの今。よかった時代によかったものは何かの形で小さく残っていく。
そして知った。
EU離脱って、こんなに国がまっぷたつになったんだ。
日本でも分断というキーワードは相当言われているけど、ほぼ50/50で拮抗する問題ってすごそうだ。
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