ヒプノセラピーと潜在意識
顕在意識と潜在意識
人の意識は、自覚が出来る顕在意識と自覚が出来ない潜在意識とがあります。
顕在意識は人の意識の中の約5%、潜在意識は約95%と言われています。
自覚ができる顕在意識とは、論理的な思考、理性、知性、判断力などです。あの服欲しいけど予算オーバーだなとか、今日のお昼はどのお店に行こうかなとか、今日中にこの仕事をしないととか、そういうことを思考するときは顕在意識を使ってます。
潜在意識は、感情・感覚・直感・記憶・本能的な欲求などです。
今までの見たこと、聞いたこと、感じたこと、考えたこと、体験したことすべてが蓄積保存されていますが、私たちの普段の意識では捉えることが出来ない領域です。
人の行動の90%以上は潜在意識からと言われており、いつもの道を歩くとき、自転車に乗るとき、歯を磨く等何も考えない意識しないでしている時は、潜在意識が働いています。
潜在意識というフィルター
人には、RAS機能というものがあります。RASとは「Reticular Activating System」の略で、脳幹網様体賦活系(のうかんもうようたいふかつけい)という脳機能の1つです。
この機能は、私たちが目の前の世界を見るときに、自分の興味のある情報(潜在意識に入っている記憶をもとにした)を無意識に目にとめるフィルターのような役割をしています。
これは、すべての情報を受け取ると脳に負担がかかりすぎてしまうため、自動的に情報を取捨選択しているのです。
人として成長していく過程で身につけていく常識、習慣、ルール、環境などいろんなことが潜在意識へ蓄積されます。
潜在意識の中に蓄積されたものは人それぞれ違います。それらが蓄積された潜在意識のフィルターを通して世界を見るので、同じ物事でも人によって見え方や、とらえ方が異なります。
RAS機能は、好きなものだけに働くわけではなく、マイナスな物事についても同様です。同じ状況でもポジティブにとらえる人、ネガティブにとらえる人がいるのはこの機能によるものです。
潜在意識の蓋
8歳から9歳くらいの時に、顕在意識と潜在意識を分ける蓋(クリティカルファクター)ができます。
この蓋は、普段の生活を送るときに不要な感情に蓋をする役目があります。
蓋が出来る前の8歳から9歳くらいまでに体験、経験したことは特に人格形成に影響を与えると言われており、ここでの環境や経験であなたが何を信じるか、いわゆる『信念』も作られるとされています。
幼少期に自分に対する否定的なメッセージや、自分でない人からあなたを縛るイメージを押し付けられる体験をすると、それも潜在意識に残ります。例えば今あなたが行動を起こそうとするとき「~してはいけない」、「~しなければならない」「~するべき」など制限をする考えが起こることが頻繁にあるのなら、それは過去に潜在意識に記録されたもののひとつです。ありのままでいいと思えない自己否定感も同様です。
在意識には蓋があるので、今現在の自分がなぜそういう思考癖があるのか、顕在意識で考えても分かることはできません。
ヒプノセラピーを通して潜在意識に入っているものに気づくことで、なぜ自分がこのような思考癖があるのか、どうしてそのような行動をとってしまうのか、どうしてそのような出来事が繰り返されるのかが分かるかもしれません。
子供の頃に起こった嫌だと感じた出来事が、大人になった自分は忘れてしまっていても潜在意識には保存されていて、今の大人になった自分にも影響を与え続けていることもあるかもしれません。
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