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和紅茶サミットでマルシェを出しました!

我が家を改修してくれている大工さんお二人が運営に関わっている和紅茶サミット。全国の和紅茶農家の方が一斉に集まり試飲と茶葉の販売を行うイベントである。鵜飼ミュージアムで十五個以上のお揃いの白テントが並んでいてその全てが和紅茶農家である。

二日間行われるこのサミットに我々は一日だけ参加する。
まなみさんが柚子のバターケーキと玉ねぎのタルト、それと人参ジュースを用意してくれた。

比較的人の多い岐阜市の中で開催されているが、和紅茶に興味があるという人たちに向けてどうやって集客したのだろうか。
話してみると北海道などの遠方は少数ではあるが客層は全国に渡る。

和紅茶に興味ある人こんなにいるんだ・・・。
傍に川が流れる最高のシチュエーション。右上に写っているのが岐阜城。


これが我々のマルシェ。いつもながら装飾のセンスが抜群だな・・・

私事で恐縮なのだが、自分は非常に和紅茶に興味のない部類の人間だった。というのも紅茶に関しては中国とスリランカのトップツーで次点でインドあたりだと思っていた。
喫茶店で飲んでも自分で淹れても洋紅茶の軽やかで優雅な香りを超える和紅茶をみたことがなかったからだ。
しかしここで出展されている和紅茶は衝撃の味わいだった。
お茶において、味わいの違いは文化の違いの象徴である。
中国は常に華やかな香りを是とする文化があり、イギリスは自国でそのまま飲める水がなく葡萄酒か中国から伝わってくる紅茶を
水分補給に飲む歴史背景から中国で良しとされる紅茶がそのまま伝わったと思われる。
しかしインドやスリランカでは、原種を中国とするなかでも独自の味わいを追求した背景が見られる。
実はこれはお茶の奥面に思わせて実は、風土の奥面に通じている。
風土が人を作り、(現地の)人が感性の隔たりを決め、その感性がお茶の味わいの特徴を決める。
我々がお茶を飲むとき、そのお茶が育った風土と気風から独立していることはできない。

風土という強い背景の他にも茶職人の思想という要素もお茶の味わいに影響を与えるのは、職人気質を育てるという文化のある日本や中国において顕著であると思われる。
発展した職人気質は、土地(あるいは工場)の数だけ味を増やすことができる諸外国と比べ人の数だけ味を増やすことができるため発展に適切である。
(ヨーロッパ諸国や欧米にも所謂スキルに特化した職人は当然存在するが、思想的にグループアップされていることが多い。個として何をするかではなく、チームとしてどうするかを彼らは考える。そういった意味で”職人気質”という言葉には、親方が是であるか非であるかという個人主義的なものを前提としている。といえる。親方は仕事をするうえで三角形の頂点に存在するが、ヨーロッパ諸国は円中に配置された人々の役割が大きいか小さいかという意味でグループアップされやすい。その場合、権力的なボスが変わっても個性はチームによって発揮される。一方で三角形のトップに君臨する親方が変われば既存の個性は発揮されない、という差異がみられる)

ということをこの場で改めて痛感した。
自分はただ、こだわっていない和紅茶を飲んでいただけであって、和紅茶が嫌いだったわけではなかったのだと気が付いたことは本当に幸運だった。

このbenifukiは試飲した中でもっとクラシカルな味だった。

お茶農家の方と話をしたり、お茶を試飲させていただくうえで
まだまだ知らないお茶の世界を広げることができた。
そして何回も試飲に来るので顔を覚えられたのは恥ずかしかった。

和紅茶サミットとイベントでほかに特筆しておきたいことがあった。
客に出す試飲に使う水を水道水ではなく岐阜の名水を使っていたことだった。(名前は忘れた)
大鍋に火を焚いてもあもあと湯気を昇らせて、お湯を貰いに来たお茶農家の方のポットに注いでいた。
手間だが本当に重要なことだと思う。許される妥協と許されない妥協の境が何処にあるのか、見極めることができる人は基本的に中心の当事者であり、事務ではない。
だれがこの水で試飲を出そうといったのか非常に気になるのだが、
この点だけでもこのイベントに対する信頼感は爆上がりしている。

これが電気ポットで水道水を沸かしていたら、自分はおそらく茶葉を買わなかったことと思う。
シャープ(シビア)な目のつけ方かもしれないが、お茶を大切にしているかどうかはそういった点で有効に計ることができると思っている。

以上の点だけを見ても素敵なイベントだった。
ケーキもタルトも完売したし、最高の和紅茶をいくつも買えたしこれで当分は和紅茶に困ることはないだろうと思う。

舞台が作られている。これを大工さんが作ったらしい。

余談になるが、和紅茶農家の方々は宿泊してまた翌日も参加されたが天気は雨だった。
快晴に恵まれた一日だけ参加できてついてたな・・・。




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