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「3人のレンガ職人」

旅人が歩いていると、男が疲れた顔でレンガを積んでいたので旅人は尋ねた。

「何をしているのですか。」

「レンガ積みに決まっているだろう。暑い日も寒い日も朝から晩まで一日中レンガ積みさ。腰は痛いし、何でこんな事ばかりしなきゃいけないのか。ついてないよね。」

男の話は続いたが、旅人は男に慰めの言葉を残し歩き続けた。

今度は、必死にレンガを積んでいる男がいた。

旅人は尋ねた。

「何をしているのですか。」

「大きな壁を作ってるんだ」

「それはとても大変ですね」

旅人は労いの言葉をかけた。

「そんな事ないよ。この仕事のおかげで、ご飯を食べられて家族を養える。大変なんてバチが当たる」

「頑張ってください」と励ましの言葉を残し旅人は歩き続けた。

今度は、楽しそうにレンガを積む男がいた。

旅人は尋ねた。

「何をしているのですか。」

「歴史に残る、偉大な大聖堂を造ってるんだ。」

「大変ですね」

旅人は労いの言葉をかけた。

「とんでもない。ここでたくさんの人が祝福を受けて、悲しみを癒すんだ。素晴らしい事だろ?」

「本当に素晴らしい。お話をありがとうございました。」

旅人は男にお礼の言葉を残して、

また元気いっぱいに旅を続けることができた。

10年後、旅人はまた訪れた。

1人目の男は、相変わらず文句を言いながら、疲れた顔でレンガを積んでいた。

2人目の男は、賃金は高いが、危険も伴う屋根の上で一生懸命、仕事をしていた。

3人目の男は、現場監督になり多くの職人を育てていた。

完成した大聖堂には3人目の男の名前が付けられていた。


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