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新潟のちょっぴり変な米農家が世界へ挑戦する話/Ricepect project

今日、あなたが食べたホカホカの美味しいご飯は、農家が一生懸命作ったものだ。

そんな当たり前の事を、もう一度理解して欲しい。

そのご飯の奥にいる人の存在を想像して欲しい。

つまり、尊重するということ、米や米農家をリスペクトすること。

それが「Ricepect」

(ライスペクト:ライスとリスペクトを合わせた造語)



このnoteは、新潟の米農家が日本人の米と米農家に対するリスペクトを取り戻すために、あえて世界へ挑む某海賊漫画的なプロジェクトの話だ(僕は至って真面目)

そのプロジェクトの名前を「Ricepect project」(ライスペクトプロジェクト)と言う。

別に海賊王にはなる気は無いから安心してくれ。

食の多様化や、コロナの影響で日本の米の消費が大幅に落ちてしまったこと、それに伴い米の価格が下がり安く買い叩かれてしまっていること、更には農業資材や肥料、農薬の値段が上がっている事。

この、我々米農家にとって辛い現状を、日本人の米に対する意識を変える、つまり米に対するリスペクトを取り戻すことによって変えることができるかもしれない。

それがRicepect projectの野望だ。

しかし、このプロジェクトは1人では到底できる事ではない。なぜなら世界を巻き込んだ壮大な計画だからだ。(なぜ世界を巻き込まなければならないのかは後ほど詳しく説明する。)

だから、沢山の人に応援して欲しい。そして一緒にプロジェクトを進めるクルーを募集したい。

今回のプロジェクトの内容を読んで少しでもワクワクしたり、一緒に活動したいと思った農家さんや、ご飯が大好きな人達は、すぐに何かしらのアクションを起こして欲しい。

もしかしたらそれが、世界に影響を与え、現状を変えるキッカケになるかもしれないからだ。

具体的なアクションは、プロジェクトのSNSをフォローしたり、格SNSで発信しているプロジェクトの内容をシェアしたり、この記事をシェアしたり、プロジェクトのコミュニティーに入ってクルーとして一緒に活動したりすること。

もちろん、何もしなくても意識を変えるだけでも十分嬉しい。今日もご飯が美味い「ricepect!!」そう思ってくれるだけでいい。

この記事の終わりに格SNSやコミュニティのリンクを貼っておくので、あなたの少しの勇気を待っている。

お待ちしてます



今回のnoteは、第一章にRicepect projectとは何なのか?なぜやるのか?そして、具体的に何をしていくのか?を詳しく説明する。

ゴムゴムの実は出てこないから安心してくれ。

そして第二章に某海賊漫画の真骨頂、過去編を一万字以上の熱量と文字数で書いていく、僕がRicepect projectを始めるまでの二年間の物語だ。

ハンカチを用意しといてくれ。

そして最後まで読んでくれた猛者たちに対して、再度協力を呼びかける。

その為にこの長い文章を必死で書いた。

第一章:Ricepect projectの全貌

まずはこの1分足らずの動画を見て欲しい。

これはRicepect priojectの予告動画だ。この動画の中でエモーショナルに僕が語っている事が、ざっくりしたプロジェクトの内容なのだが、まだ謎が多いと思う。

なので第一章ではこの動画のセリフを深掘りする形で、プロジェクトの目的や内容を詳しく説明していく。

YouTubeで考察動画を公開するのは、まだ待って欲しい。


1.日本人は米を食べなくなった

僕は、新潟でコシヒカリと越後姫というイチゴを育てている「ショークロ」という屋号の農家だ。父との関係に悩んだり、休みが取れなくて曜日感覚がバグったりしている一般的な農家。

ドヤ顔の僕

少し変わっているのが、会社でもないのに「農業にエンターテインメントを」という理念を掲げて農業をしている所。農業の他にダンスやヒップホップの曲作り、イラストなどをライフスタイルとし、後で詳しく説明するが、ざっくり言うと人を楽しませることが好きだ。皆んなからは「ショークロお兄さん」って呼ばれてる。

さて、突然だが、あなたは今日本人がどれくらい米を食べているか知っているだろうか?

農林水産省が2020に発表しているデータによると、一年で食べる日本人一人当たりの米の消費量は、昭和45年の95キロから令和2年の50キロまで、約半分に落ちている。

https://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/attach/pdf/index-2.pdf

理由は、食の多様化や、忙しさによる調理のめんどくささなどにある。パンやラーメンは美味いし、米を炊くのはダルい。

そして2021年、コロナウイルスの影響で外食を控えるようになり、米の消費が更に落ち込み、米の値段が大幅に下がった。新潟のコシヒカリは去年に比べ、米60キロあたり1800円の値下がり。

衝撃だった。


更に、追い討ちをかけるように、コロナウイルスや異常気象によりロシアや中国などの資源輸出国の手持ちの資材の囲い込みなどの影響で、米の栽培に使う肥料や農薬、農業機械、農業資材の値段は上がっている。

これは単純に考えて「売上は減ったのに、栽培に掛かるコストは増えている」ということ。

正直、農家としては米を栽培するメリットが無い状態だと思ってしまった、特に僕みたいにほとんどをJA出荷している米農家にとっては由々しき事態だ。

流石に、楽天的な性格の僕でも「この現状を何とかしたい」と強く思った。

ひと繋ぎの財宝なんかいらないから。

2.だから俺がやるんだ

Ricepect project はそんな状況に差す、一粒の光でありたい。

しかし、一方で消費の低下も値段の下落も仕方のない事だとも思える、誰も状況を悪くしようとは思わないはずだ。

だからせめて「人々の意識を変えれば、何か変わるのではないか?」という仮説を立て、行動することにした。

意識を変えるということは、具体的に「リスペクトを取り戻す」ということだ。

僕の中でリスペクトとは、尊敬ではなく尊重。つまり、これは僕の解釈だが、他人の事を自分に置き換えて考えることだったり、当たり前は当たり前では無いと理解すること、そして当たり前の奥にある努力を想像すること。

例えるならリスペクトは「感謝」や「思いやり」よりも、もっとライトで日常的な、サトシの肩の上にいつもいるピカチュウみたいな感覚だ。

某サトシ氏

Ricepect(ライスペクト)に置き換えてみる。

Ricepectとは、僕が作った造語で米をリスペクトすること、つまり「米が当たり前にある物ではなく、農家が努力し、思いを米て作っている物だ」と理解すること、そして想像できることだ。

この、米に対する、そして米農家に対するRicepectを持った人が一人でも増えれば

「ゲームをひっくり返すことができる」

そう信じている。

3.米を茹でたり蒸したりしてるらしいな

世界で活躍している日本人や、世界で評価されている日本の物や文化を見ると、我々は嬉しくなり、改めて「やっぱり日本っていいな」って日本の良さを再確認する。

醤油や「もったいない」と言う言葉だったり、大谷翔平選手や近藤麻理恵サン(著書に片付けの魔法)、そして坂本九の「上を向いて歩こう」など、何故か世界で評価されるものにワクワクを覚えリスペクトする。

Ricepect Projectは、その「日本人、世界で評価されてる日本のカルチャーや日本人をリスペクトしがち」現象を日本のお米で起こし、日本人のお米に対するリスペクトを取り戻したい。

つまり、世界経由の日本。「急がば世界を回れ」だ。

では、どうやって世界の人達から日本米を評価してもらうのか?

ここがこのプロジェクトの重要なポイントなのだが、日本米を直接広めるのではなく、お米を「炊く」という日本のカルチャーを広める、という手段を取る。

なんで?と思うだろう。

理由は簡単だ。それは僕も初めて聞いたときは驚いたのだが、海外の人は美味しい日本米の炊き方を知らないらしいのだ。ましてや炊飯器も持ってる人は少ない。

what!?

このデータをみて欲しい。

データ1

このデータは、プロジェクトメンバーに頼んで、海外の人30人程度に聞いた日本米に関するデータだ。

30人程度で信憑性は低いのだが、データを見る限り、ほとんどの人が米の炊き方を知らず、調理方法として米を茹でたり蒸したりしていることがわかる。

お米を茹でようとするギャル

つまり、世界一美味しいであろう日本米のポテンシャルを最大限に活かせて無いんではないか?という推測を立てることができる。

だから、日本人が昔から持っているお米を「炊く」というカルチャーを教えれば、更に日本米を美味しく楽しむことができ、日本米に対する評価が上がるはずだ。

結果的にそれが日本米の消費につながることを期待している。

そして驚いたのが、「米は寿司(海苔巻き、寿司ロール)を作るときに使う」用途が多かったことだ。家で寿司パーティーをするときに米を調理しているのだろう。

しかし、その調理方法が間違っているのは、やはり勿体無い気がする。

4.日本の米農家である俺が、最高に美味い米の炊き方を教えてやる

改めて、Ricepect project の野望は、「お米を炊く」というカルチャーを世界中へ広げ、世界から日本米や日本の米農家へのリスペクトを得ること、そして日本人の米に対するリスペクトを取り戻すことだ。

そして、ここからは、今まで書いたことを踏まえ、プロジェクトの実際の行動内容について書いていく。

グランドラインに行ったりしないから安心してくれ。

1.2022年の4月に海外向けの英語字幕付き海苔巻きレクチャー動画(お米を炊く事がメインコンテンツ)を公開。

上記のデータで、お米を食べるときは海苔巻きを作るときが多いということから、海苔巻きの作り方を教えるレクチャー動画を海外向けに字幕付きで公開することに決めた。

その動画のメインコンテンツとして米の炊き方をレクチャーする作戦だ。

そしてこの動画は、キッチンがダンスホールになっちまうやり方で海苔巻きの作り方をレクチャーする。

自己紹介でチラッと説明したが、僕は趣味でブレイクダンスをしていて、ヒップホップのビートメイクやラップも歌ったりしている。


だから、今回のレクチャー動画には、NHKのお料理番組「1人でできるもん」の様に歌と踊り、つまりダンスとラップがふんだんに盛り込まれた、スーパーエンターテインメント動画に仕上がっている。

ダンスホール炊飯という新しいジャンルを爆誕させてしまった。早く公開したくて仕方がない、楽しみにしといてくれ。

そして、このレクチャー動画を、あの手この手で何とか大勢の海外の人に届ける。

ここは、長期的な視点で、様々な活動をしながら拡散して行く必要がある。クオリティーの高い動画を公開したからといって再生回数が伸びる事は無い。

だから、動画を拡散するため、実際に海外に行く必要があると考えた。

更に言うと動画は手段であり、世界中をまわって、直接現地の人達とコミュニケーションを取りながらレクチャーして行くことが真の目的だ。

そのために、まず一発目の海外進出として、、

2. 2022年の12月にアメリカに行ってお米を炊くパフォーマンスをストリートでする

もちろん、ダンスとラップ込みのスタイルでだ。



そして、海外進出の必須のスキルとして英会話をZOOMで習い始めたのだが、このプロジェクトを日本の皆さんに応援してもらう為に。

3.英会話レッスンの様子をYouTubeとポッドキャストとTikTokで配信する。

ショークロお兄さんが、たどたどしい英語で死にそうにになりながら、海外の先生と喋っている様子を各プラットフォームで配信する。

これはかなり恥ずかしいが、自分の復習にもなるし、新潟の農家が英語を話せる様になったら面白いし、何か情熱が伝わるかもしれないと思ってやると決めた。

プロセスエコノミー的に全て見せて行くスタイルだ。

TicTocはもう初めている。



そして最後に、海外向けのコンテンツとして

4.月に一本ずつ日本の米作りの工程を海外向けの動画としてYouTubeで配信する。

これは日本の米作りが、どれだけ手間がかかっているか、そして海外の米作りとどれだけ違っているかを理解してもらうための目的で作る動画だ。

種まきから田植え稲刈り、その間の管理まで、動画にする。めちゃくちゃカッコいいが、分かりやすい動画を制作する予定だ。

だって、日本の米だけではなく、日本の米農家もリスペクトされなければ意味がないと僕は思うから。

以上、この4つをメインの活動としてプロジェクトを進めていくつもりだ。もちろん状況に応じて臨機応変に変えて行ったり、イレギュラー的に新しくワクワクするような事をしたりするだろう。

今年の山場は12月の渡米、それまでに日本でやれることはやっておきたい。

しかし、計画は計画だ、初めから上手くいかない事は分かっているし、失敗する事も覚悟してる。

だが、アクションを起こしていかないと状況は変えられない。

だから僕は、大きな野望を持って、新潟のど田舎から小さな一歩を踏み出す。

海賊王に!俺は、、、言わない。

しかし、世界一有名な米農家に僕はなる。


第一章はここで終わる、Ricepect projectのことは分かって頂けただろうか?

この時点でプロジェクトの事を理解してくれた方は二章をぶっ飛ばしても全く問題はない、何故なら第二章は極めて私的な話だからだ。

記事の末尾にワープし、格SNSのシェアに協力して頂くか、これから食べるご飯をRicepect!して欲しい。

しかし、だ。

第二章には僕がこのプロジェクトをやることになった経緯や、プロジェクトにかける情熱、試行錯誤、挫折や学び、気付きを全てぶち込んである。

もし、現時点で一緒に活動してみたいと少しでも思っている方がいるなら、必ず読んで欲しい。

傲慢かもしれないが、今回の記事を全部読んだ上で協力してほしいのだ。

ということで、第二章の幕を開けよう。


第二章:Ricepect projectが始まるまで

僕は「農業にエンターテインメントを」という理念を掲げ「ショークロ」という名で、米とイチゴを作っていると冒頭で紹介したが。

なぜ、エンターテインメントなのかと言うと、「エンタメ性があった方が興味を持ってもらいやすい」からだ、子供が好きなのはアンパンマン、プリキュア、若者が好きなのは、鬼滅、呪術、韓国、大人が好きなのは、野球、アイドル、ジャニ。このように、好きなものは?と聞かれたら結構な人が音楽や映画やアニメなどのエンタメを揚げるだろう。

だからエンタメの力を借りる、農業を伝わりやすくし、興味を持ってもらう、そして農業にエンタメを入れ込む事により自分にしか出来ない農業を探求したい、そんな思いで理念を作った。

この、エンターテインメントと農業の掛け合わせこそが、Ricepect projectの根幹を担っている。

1.米のネット販売が大失敗

話は2年前の2020年秋に遡る。

ショークロの経営は2年前の時点でイチゴの販売はかなり順調だった、SNSでの発信やメディアなどの効果で知名度も広がり、ECや直売所でコンスタントに売れるようになっていたのだ。

イチゴの妖精

しかし、一方で米は全てJA出荷をしており利益率は低かった。

なので、、

「米も小売りして単価を上げればもっと儲かるんじゃね?」

今思うとあまりにも安易だが、イチゴでのちっぽけな成功体験があったため、僕はそんなふうに考え、米もECサイトでネット販売することに決めた。

だが「農業にエンターテインメントを」を掲げる僕にとって、普通にECで販売する事は個人的に許されなかった、エンタメの要素をバチバチに盛込んだ売り方でなければならなかったのだ。

そこで、あるアイディアが浮かんだ。

「マインちゃんや!!!」

マインちゃんとは、昔NHKでやっていた子供向け料理番組「クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!」の主人公のことだ、今の「ゴー!ゴー!キッチン戦隊クックルン」の先代に当たる。

この番組を見ていた当時、マインちゃんのあまりの可愛さと、「今日ふぁ〜、目玉焼きふぉ〜作るひょ〜」みたいな力の抜けたアンニュイな喋り方と、決して上手ではないがスタイルのあるダンスに、僕の眠っていたロリの魂をくすぐられていた記憶がある、そしてよく喋り方を真似していた。

この、お料理の途中に歌とダンスが入るスタイル、、

「サンプリングだ!!!」

サンプリングとは過去の曲や音源の一部を流用、再構築して
新たな楽曲を製作する音楽製作法・表現技法のこと。

スラムダンクでゴリがリツコに足首のテーピングを要求するように怒鳴ったときのような勢いで、このスタイルを引用して自分なりに再構築する事を決めた。

なぜなら、僕は10年以上ブレイクダンスをやっていたし、ラップも歌うから、マインちゃんのHIPHOPバージョンが作れると確信したからだ。

田んぼでブレイクダンスを踊る

つまり、米を買ってくれたお客さんがYouTubeを見たら僕が出てきて、米の炊き方を歌って踊りながらレクチャーする、というもの、当時コロナ騒動真っ只中だった(今も)こともあり、おうち時間にも完璧に当てはまると推測しワクワクした。

めんどくさい米を炊く作業が、楽しくなる。

これぞショークロのやり方だ!農×エンタメだ!と思った、そして、イチゴでお世話になっていたコンサルの方に相談し、老舗のお稲荷屋さんとコラボしたり、補助金も使って、かなりクオリティーの高いお料理レクチャー動画(オリジナルソング3曲入り)と、ECサイトで小売りする米を準備した。

名付けて「ショークロお兄さんと一緒に作るおいなりさん」だ。

自分で言うのもなんだが、めちゃめちゃ面白かったし、革新的だと思った。

これは、いけるで!と確信した。

だが、結果は全く米は売れなかった。

TVに取り上げられたり、ネットの記事になったりと話題にはなったものの、米が売れることはなかったのだ。

コンサルタントさんと相談しながら、SNS広告を出したり、漫画を書いてPRしたりと、色々な手は打ったものの、それでも米が売れることはなかった。

そんな甘くはない、と痛感した。

もちろん、購入して、楽しくお稲荷さんを作ってくれた方も沢山いて、フィードバックや、楽しんでる写真などを頂いてめちゃくちゃ嬉しかったのを覚えている。

では、この「ショークロお兄さんと一緒に作るおいなりさん」をやって後悔していないのか?と聞かれたら、、

後悔はしていない、けどかなり悔しかったし僕のちいさな自尊心はズタボロになった。

実は、失敗して米が売れなかった所で僕の生活が困るわけでもなく、むしろ、誰もやった事のない米の売り方に挑戦し、農業とエンタメの新しい形を探求できた事が、自分にとって非常にいい経験になったと思っている。

しかも、動画の中で流す曲を制作したり、動画を撮影する中で演技をしたり、ワクワクすることが沢山あったので楽しかったのだ。

しかし、結果を見れば、売上よりも経費の方が圧倒的に高く、こんだけ時間とお金と情熱を賭けたのに、結果が出ないのは辛いものがあった。経営的に見れば、これは紛れもない大失敗だ

そして、後に失敗の原因を自己分析したのだが、イチゴである程度認知されていた事によるちっぽけなプライドが原因で価格を高めに設定したこと、誰も巻き込もうとせず、自分の力を見せつけるように何でも一人でやっていたこと、そして僕が「米を売りたい!!」って思いでやり過ぎていた事が原因だと思った。

クソダサいプライドと儲けたいという下心が見え過ぎだったのだ。


2. 情熱の火種

翌年の2021年春、僕は諦めていなかった、新しい情熱の火種を心の奥底に灯し、独りで黙々と新しいお料理レクチャー動画制作に向けて準備を始めていた。

またやる気だw

ビートメイクマシン

上記の大失敗もあり、もう米を売ろうとか1ミリも思わないで「とにかくみんなに楽しんでもらう」その為にやろうと決めた、だって僕の動画でみんなが楽しんで米を炊いてくれたら、それだけで僕は幸せだから、それでええやん。

準備はまず音楽制作から始まった、前回のお料理動画に挿入した3曲の楽曲は、Macに最初から入っているGarageBandという無料のソフトを使い、同じく最初から用意されたプリセット音源で、簡易的にサクッと作ったビートでラップをしたのだが、今回は更に深く音楽を学び、オリジナルな自分のHIPHOPを農業に落とし込もうと考えた。

まず「MPC Live2」というHIPHOP界では誰もが知っている「サンプラー」というビートメイキングの機材を購入し使い方を勉強した。

MPCはパソコンを使わず、直感的に音楽が作れるマシン。最近「星野源のおんがくこうろん」で特集されていた伝説のビートメイカー「J・ディラ」も愛用していた事で有名。

それと並行して、音楽のミックスの本を数冊買い、自分の曲を聞きやすい曲にするためのバランスの取り方や音圧の調整のやり方を学んでいった。

更には、いいマイクや、高性能なインターフェースも揃え、DAWソフト(音楽編集ソフト)もGarageBandからLogic pro(高機能で有料のDAW)にメガ進化し、自分が作る音楽のレベルを徐々に上げていった。

この時点で数十万の費用を掛けているが、音楽は一生側にあるもの、学んでおいて損はない。

そして、毎日少しづつ音楽を学び、新たなレクチャー動画の中で流す曲のビートを作って行く。

もちろん朝から夕方まで農作業があるから、音楽制作は早朝3時とか4時に起きてやっていた、子供もまだ小さいので僕には早朝しか時間がなかったのだ。

しかし、早朝モスグリーンの景色の中、毎朝、音楽に向き合いMPCを叩いていた時間は最高にクリエイティブで幸せだった。

3.世界というピース

初夏の農作業の休憩中、オーストラリアから一時帰国していたパートさんが2年前の動画を見て僕に言った。

「ショークロお兄さんは、海外の方が絶対ウケがいいよ」

僕が初めて海外を意識した瞬間だった、その時は「海外ね〜、行ってみたいね〜」くらいのリアクションで軽く受け流したが、今気付くとこの一言が、今回のRicepect projectの始まりだったのかもしれない。

それからしばらくして、そのパートさんがこんなことを僕に言った。

「外国の人は米の炊き方を知らないんだって」

マジかよ!マジだよ!ハッとした俺!!とDA PUMP並みに驚いた、話を聞くと、海外では炊飯器を持ってる人など稀で、皆んな鍋で適当に米を調理してるらしい。

「ご機嫌だぜ!」とはらならず、、「不味そう」素直にそう思ったし「もったいね〜」とも思った。

そして、あるアイディアが浮かんだ。

「海外向け」という設定でやれば、面白いんじゃないか?

海外の人はお米の炊き方を知らないらしいから、ショークロお兄さんが教えるぜ!!的な。

僕が、つたない英語を話しながら下に日本語字幕を入れて、オーバーリアクションで身振り手振りをし、海外の人向け、という設定で動画を作り日本の人たちに楽しんでもらおうという作戦だ。

この時点での構想は、動画はあくまでも日本人に向けた物だった、日本人が楽しんでもらえる様にわざと海外向けにする、そうすれば前回の動画よりも面白くなるんじゃないか?というもの。

こうして意識は少しづつ世界へシフトしていく。

4.ポッドキャスト出演で世界が加速する

僕は4年前から「Styleこそ全て」という農業の話やHIPHOPの話をするポッドキャストを配信している。

そして今、ポッドキャスト界隈では「農系ポッドキャスト」というジャンルがムーブメントを起こしつつあり、ポッドキャストの海は25番組を超える農系ポッドキャストがひしめく農系大航海時代を迎えている。(僕は1億ベリー)

ある日、マイメンの有名ポッドキャスター「つるちゃん」(50億ベリー)からポッドキャストへのゲスト出演の依頼が来た。

つるちゃんは「ノウカノタネ」という超人気ポッドキャストを配信している日本若手農家界隈のエースで、農学、哲学、物理学、など様々な知識を持っている知識人。

話を聞くと、「ベジフル大百科」という新しい農系ポッドキャストを始めるらしく、その1回目のゲストで僕に「米」について話して欲しい、という物だった。

ちょうどそのとき、コロナ禍で外食が無くなり米が余っているというニュースをしていて、米作りにメリットを感じられなくなっていた時期だったので、改めて米についてじっくり考えるいい機会だと思い、出演する事にした。

そこで話したことは、本当に単純で笑ってしまうんだが、米が余ってるなら海外で売ればいいじゃんって直感的に思ったこと、その根拠として米の炊き方を皆んな知らないんだから、米を売る前に、米を「炊く」というカルチャーを広めればいんじゃないか!?ということ。

そして、皆んなが日本米の美味しい炊き方を知ってくれれば、炊きたくなるに違いない、そしたら日本米も再評価され「コシヒカリ」とか「あきたこまち」とかブランド関係なく消費されるんではないか?という、ざっくりとしたビジョンだった。

収録は僕の他に、「青いTシャツ」という怪しい名前の農家も参加していたのだが(竹本農場という凄い農園を経営してる立派な人)二人とも「いいね!」と言ってくれて驚いた、突拍子もない事だと自分では思っていたことが、意外と的を得ているのかもしれない、と意識が変わりスイッチが入った感じだった。

僕の頭の中で世界が広がって行く。

もうこの時点で、動画は本当に海外の人へ向けて作っていこうと決めた。


5.安西先生の気持ち

9月の稲刈り時期、新聞の一面には「コシヒカリ値下げ」の記事がデカデカと掲載され、農家の不安を煽っていた、メディアは人を不安にさせるのが得意だ。

僕も、もちろんその一人で、米作りの未来に対して不安や危機感を抱いていた。

しかしそれと同時に、今自分がやろうとしている事は日本の農業界にとっては意味のあることだとも確信し始めていた。

海外に米を美味しく炊くというカルチャーが広まり、日本米が人気になれば、逆輸入的に日本でもリスペクトされ再評価されるかもしれない。

誰かが流れを変えなきゃいけない。

だから、今後この活動を続ける中で少し引っかかっていた、本当に海外の人は米を炊くスキルが無いのか?ということを確かめておく必要があった。

自分で調べようと考えたのだが、また何でも一人ですると失敗するのは分かっていたので友人のリサに相談することにした。

キメキメのリサ

リサは元バックパッカーで、今はジョナという外国人のパートナーと一緒に生活しているから外国人の知り合いも多い。

だから、知り合いの外国人に「米の炊き方を知っているか」聞いてくれないか?と依頼した、もちろん仕事として頼むからお金を払う。

その他にも、日本米をどんなとき食べるのか?日本米はどんな立ち位置なのか?など質問して欲しい事を伝えた。

スタバで、A4ノートに殴り書きしたプロジェクトのビジョンや目的を喋り散らかした甲斐もあり、リサはOKしてくれ、後日友人を通じて外国人30人程に日本の「米」事情について聞き取り調査を実施してくれたのだ

その調査結果は面白いものだった。

まず、やはりほとんどの人が米の炊き方を知らず、調理方法として茹でたり蒸したりしていること。(第一章のデータ1参照)

そして驚いたのが、「米は寿司(海苔巻き)を作るときに使う」ことが多いことだった。

データ2

「お、、美味い米の炊き方教えてあげてえ!」

日本食や寿司は世界に浸透しているかもしれないが、肝心な米の炊き方を知らないって、、バスケットしているのにやり方が分からない初期の桜木花道じゃねーか!!

こりゃ、伸び代しかねえ!

安西先生の気持ちになった。

某先生

そして、動画の方向性も決まる、それは、美味い海苔巻き(寿司ロール)を自宅で作る目的の動画の中で、メインコンテンツとして炊飯器を使わない米の炊き方を教えるという物だ。

それを、マインちゃんスタイルで日本の米農家がやる、、、

面白い、、。

更に、リサのアドバイスで「つたない英語」はあまり良くないから、バリバリ日本語で喋って、英語字幕を付ける方向性に決まった、字幕はリサのパートナーで英会話の先生をしているジョナに依頼することにした。

こうして、RaicepectProject はより具体的に、より情熱的に進んでいく。

6.Netflixみたいなドキュメンタリー

リサからの説明を受けた直後、ダンス仲間で、今はUCクリエイティブという映像の事業を立ち上げている「ドンファン」に正式に映像の仕事を依頼しに行った。

新潟のドンファン

ドンファンは2年前の動画も制作してくれており、ヴァイブスも似ている、映像で独立する前に会社を辞め、ヒッチハイクでアメリカを横断したクレイジーなヤツだ。

リサのときと同じように、ドンファンにもビジョンや目的を喋り散らかし、リサのデータを見せ海苔巻きの事も、ターゲットが海外の人だという事も伝えた。

すると、意外な言葉が返って来た。

「実は俺も世界目指してるんで、やりましょう!」

「じゃあ今回は、海外向けにめちゃくちゃカッコよくNetflixのドキュメンタリーみたいな感じで撮りますか!」

正に僕が求めていた感じだった。やはり、夏の暑い日も、冬の雪の中も、一緒にストリートでダンスのスキルを磨いて来ただけあって、バチバチにヴァイブスが合う。

その後、ドンファンとのやり取りをしていく中で、ドンファンの仕事っぷりから動画に取り組む本気度が伝わってきた。

そして、料理動画の撮影が11月になることが決まる。

僕は、水面化で進めていたレクチャー動画に挿入する楽曲2曲「TOGU」と「TAKU」のボーカルレコーディングを夜中のスタジオで一人黙々と続けていた。

7.美味い米の炊き方を習う

11月の撮影に向けて、僕にはやるべき事が2つあった、1つ目は炊飯器を使わない美味しい米の炊き方を調べること、そして二つ目は海苔巻きの巻き方を習得することだ。

ネットでは米の炊き方を調べていたものの、いまいちピンと来るものがなく、どうしようかぼんやり悩んでいた。

そんな中、SNSで友人のこんな投稿を発見する。

「世界一美味い米を食べた」 

そこには、茶碗に盛られた山盛りのご飯と、友人の満面の笑みが写っていた。

詳しく見ると、どうやら友人がご飯をご馳走になった家の米の炊き方が「土鍋で炊くやり方」だったらしく、その土鍋で炊いたご飯が心底美味かったらしいのだ。

更に、友人にご飯を振舞った男は「シゲキ」という名の料理人、つまり、そのご飯の炊き方はプロのやり方ということになる。

ちなみに、そのシゲキという男は僕も会ったことがあり、シゲキの主催するBBQに参加したとき彼が振舞った料理がめちゃくちゃ美味くて、心の中でサンジと命名したのを覚えている。

その後、速攻でシゲキに連絡し「何処の家庭にでもある手鍋で、美味しくご飯が炊けるやり方を教えてくれないか?」とお願いしてみた。

僕は本当に周りの人に恵まれていると、このとき心底思ったが、シゲキも心置き無くOKしてくれた。

そして、コシヒカリの手土産片手にシゲキの自宅へお米の炊き方を習いに行った。

シゲキは手鍋用のやり方を事前に用意してくれ、様々なコツを教えてくれた。米を炊く前に水に浸す事だったり、水の量や、火加減、炊けた後に米に熱を浸透させる事など、めちゃめちゃ勉強になり感謝of感謝。

その日、実際にシゲキがウチの米を手鍋で炊いたご飯をご馳走になったのだが、米が本当に一粒一粒立っていて、心底美味かった。友人が世界一と言うのも納得できる。

シゲキが作った手作り餃子をおかずに、炊き立ての、ホカホカの、自らが栽培したコシヒカリを食べながら、これは世界へ届けるべきスキルだと強く思った。

8.海苔巻きダンスホール

シゲキから米の炊き方を習ったあと、海苔巻きの巻き方も上手な人から教えてもらうことにした。

教えてくれたのは、春にイチゴの作業でパートに来てもらっていた、寿司屋で働いた経験を持つ(バイトリーダー的ポジションだったらしい)「ミチコさん」という方。

今回は実家の茶の間で海苔巻きの極意を教えてもらった。

やはり奥が深い、正直少し海苔巻きを軽視していた僕は、海苔巻きにも様々なテクニックがある事に驚いた。

指導の様子

海苔の向き、ご飯の敷き方、具の乗せ方、巻き方など

それらの事を一通り教えてもらうと、僕でも割と普通に海苔巻きを巻けるようになった、文字通り「ノリノリ」でだ、、、

おじさんだから許してくれ。

ミチコさんもノリノリで教えてくれ、僕もノリノリで巻いた、そしてそこには米と海苔と我々のグルーヴが生まれ、茶の間はさしずめダンスホールと化した。

そして思った、、

人生は常に転がっている、そう、海苔巻きのように、、、「じゃかましわ!!」

後日、海苔巻きを習った僕は、茶の間のグルーヴ感をそのままに、動画の中で使う最後の曲「MAKU」の歌詞を書き上げ、ノリノリでパリパリなレコーディングをしたのだった。(深夜に一人で)

9.JAの倉庫でダンス撮影

海外向けの海苔巻きレクチャー動画撮影の撮影は、11月から12月までの期間で4回に分けて行われた。

そして、初日の朝、ドンファンは並々ならぬ気合いで僕の自宅へ来た。

前日、二人で深夜までセリフの読み込み練習をしていたにも関わらず、僕たち二人はパッションが溢れていたのを覚えている。

深夜の打ち合わせ

初日の撮影は主にお料理パート、シゲキの炊き方とミチコさんの巻き方を実践しながら、一日掛かりで何回も撮り直しをして撮影を続けて行った。

このときに僕はドンファンの映像スキルが2年前より爆上がりしている事を目の当たりにし「自分の想像より遥かに良い物ができるだろう」と直感で感じた。

その場で編集しているドンファン

いけるで!!(デジャブか?)

さて、ご存じの通りマインちゃんスタイルのお料理動画の撮影で特出すべき点は、動画の中に3曲のMVが入る所だろう。

撮影までに「TOGU」(研ぐ)「TAKU」(炊く)「MAKU」(巻く)の3曲を仕上げ、事前にドンファンに渡して聞いてもらい、二人でMVの意見を出し合った。

一番気合が入ったのが最後に流れる曲「MAKU」のMV撮影、僕とドンファンと昔から一緒にダンスをしてきた仲間のトムとレツの2人声を掛け、バックダンサーをお願いし、衣装も自腹で揃えた(作業用衣料費)なぜならMVと言えばバックダンサーだから!

安易!!

肝心の撮影場所はJAの倉庫を借りた、許可を取るのに少し手間取ったが、整備中のコンバインが何台も無造作に置かれた味のある倉庫が、海苔巻きギャングをイメージした黒いディッキーズのセットアップを着た我々にベストマッチだった。

整備中のコンバインがカッコイイ

12月の初雪が降る中で、倉庫の中に大きな照明機材を持ち込み、MV撮影は行われた。僕は本気でラップし、ダンサーたちは本気で踊る。僕が今までやってきたダンスと音楽制作が農業と上手く融合している気がして、とても嬉しかった。

現場でドンファンに撮影した動画を少し見せてもらったが、マジで我々が良く見る洋楽のMVみたいで、見た瞬間、海外ドラマでよく見る、グーにした拳を口元に当てて「フォー!!」と叫ぶ、あのリアクションを取ってしまったw

そして同時に「こんないい物が出来るなら、本当にガチで世界中の沢山の人に見て、楽しんで欲しい」と、心の底から強く思った。

これで、エンターテインメント性抜群の誰も見たことの無いお料理レクチャー動画は間違いなく爆誕するであろう。

しかし、このとき僕には最大の課題と不安があった、、

2年前の失敗、企画や動画は面白いはずなのに、再生回数は伸びず多くの人に届かなかった、という点だ。

ここをクリアし多くの人に楽しんでもらわない限り、このプロジェクトはまた僕の個人的な満足で終わってしまう。

それじゃあ今まで協力してくれた皆んなが報われない、それだけは絶対に避けなければならなかった。

10.軍師「諸葛亮しなやん」登場

2021年の春、Twitter上で若手農家のバンド「NOGIO」が注目を集めていた。


それは、全国各地のポッドキャストを配信している農家が5人でリモートでバンドを組み、TOKIOの「Love You Only」を自らの畑やハウス内で演奏するというものだ。

動画の再生回数は約14万回、3886いいねがついており、この動画がTwitter上に登場したときは僕のタイムラインもNOGIOの話題一色になっていたのを良く覚えている。

NOGIOの目的は農系ポッドキャストの周知にあり「TOKIOに届け!」という合言葉で、多くの農家やTOKIOのファンを巻き込みライジングしていった。

農業と親和性の高いTOKIOが反応してくれれば、より多くの人にNOGIOが知られ、結果的に農系ポッドキャストが陽の目を浴びる、というアプローチだろう。

当時僕はリアルタイムでNOGIOによって人々が熱狂する様を見ていた、NOGIOを絶賛するコメントの嵐、みんな「NOGIOをTOKIOに届かせたい」という想いに溢れ、何かが起こるようなワクワクが伝わって来た。更に驚いたことにTwitter上でネガティブな意見は見られなかった。

全てが愛に溢れ、ポジティブな雰囲気がTwitterを包んでいた。

そして、、

2年前の僕に無かった物がそこにはあったのだ。

NOGIOがバズった直後、ZOOMでNOGIOメンバーのオフ会があったので僕も参加し詳しく話を聞くと、NOGIOがライジングした裏にはバズるため緻密な計画と、それを考えた策士がいた事が判明した。

しなやん

その策士の名が「しなやん」という三重県四日市市でキュウリ農家をしている男だった、NOGIOの動画をTwitterにアップさせ、バズらせるまでの計画をしなやんから聞いた僕は、そのあまりの緻密さに「諸葛亮!」と叫んでいた。

東南の風吹かせちまってるやないかい!!

それから僕は「諸葛亮」ことしなやんを一目置いて見るようになり、彼が発信するTwitterを見ては彼といつか何かしたいと思うようになっていく。

そして、その時が12月に訪れる。

僕に足りない計画性を補い、大勢の人から応援してもらう為には軍師「諸葛亮しなやん」の力が必要だとバチバチに感じた。

それから僕は、DMで「プロジェクトのコンサルをして欲しい」としなやんに依頼する。名付けて「しなやかコンサル」だ、3度の礼をするまでもなく、しなやんも心良く引き受けてくれた。

この「しなやかコンサル」がプロジェクトに計画性と更なる情熱、そして世界への明確な道を示す事になる。

内容は初期衝動をネット上に保存するためプロセスエコノミー的にポッドキャストに残してある。

劉備の気分を時代を超えて体感し、僕の中で中に浮かんでいたRicepectProjectが、しっかりと地に足をつけて走り始めた瞬間だった。

EP11:世界一有名な米農家になりましょう

しなやかコンサルの様子(左,僕/真ん中,しなやん/右,ドンファン)

しなやかコンサルの中で、しなやんさんは「まず明確なゴールを決めろ」と言ってくれた、それまでの目標は「海外に米を炊く文化を広げること」みたいなざっくりとしたものだったので、ゴールが明確でないと何をすればいいか考える事が出来ないとのこと。

そして、こんなことも言ってくれた。

「まだ、自分にリミッター掛けてますよね」

図星だったし、言われて嬉しかった。

確かに僕はリミッターを掛けていた、やるべき仕事もあるし、やりたい事を頑張ったら家族が悲しんだ経験もある、「真っ直ぐな奴はダサい」みたいな捻くれたプライドも少しはあっただろう、とにかく僕は常に自分にブレーキを掛けてバランスを取っていた、自分が傷付かないように。

それに気づいてくれた事が、とてつもなく嬉しかったし、少し泣きそうになった。

いつも「もっと全力で何かに打ち込みたい」という心の叫びを理性でコントロールしてきた反面、そのきっかけを探していたのだ。

更にしなやんはこう言った。

「もう、世界一有名な農家になりましょうよ。」

寒くも無いのに全身が震える、初めての経験、これが武者震いか。

こんな、言ったら頭おかしいと思われることを、しなやんは真剣に、当たり前のように言ってくれた。

そうか、いんだ、俺は全力を出していんだ、自分のブレーキをぶっ壊して世界一を目指していんだ、、。

エヴァンゲリオンTV版の最終回のシンジ君みたいな感じになりつつ、僕は覚悟を決める。(本名:山倉慎二なので、シンジ君がシンジ君になっている状態)

もう振り切ってやるしかない。

しなやかコンサルがあった夜は興奮して眠れなかった、自分が生まれ変わったような気分になり子供みたいにはしゃいだ、今までの自分を労い、これからの自分とプロジェクトの未来に大きな希望を持った夜。

僕の人生が大きく加速した夜。


EP12:サウナで降りてきたビジョン

しなやかコンサル1回目で、しなやんは僕に宿題を出した

「明確なゴールを設定すること」

期間は3週間くらいだったと思う、僕はこの宿題についてじっくり考えてみた、動画を公開してお米を「炊く」カルチャーを世界へ広げ、その後どうなったらこれは成功なんだ?そして僕はどこに向かいたいのか?

しかし、全く答えは出ずに、頭の中で海苔巻きのように考えがグルグル回っていた。

だめだ、、分からない、、

そのまま時は流れ、しなやかコンサル2回目の前日、宿題の答えが出なくてどうしようもなくなったので、頭をリセットするために銭湯に行った。

新潟の「金の湯」という銭湯には高温のスチームサウナとガチの冷たい水風呂があり、整うレベルを超えてキマる。

その極限の状態で、何かアイディアが降りて来ないかと期待したのだ。

サウナ、水風呂、外気浴を繰り返しキマっていく、毛細血管は赤く浮き上がり、心臓の鼓動は早まる、そして3セット目、サウナに入り深く呼吸する、呼吸に意識を集中すると少し暑さが和らぐ、そして、5分を過ぎた辺りだろうか。

ビジョンが降りてきた。

まじか!!と思ったが、それは頭にいきなり降りてきて、ブワーって思考が広がっていく。

そのビジョンとは、僕が世界中を周りながらお米を炊くパフォーマンスをしているというものだった。

僕が現地へ行き、歓迎され、子供たちと手を繋いで、その周りには大人たちが大勢いて、みんな笑顔で、歌ったり、踊ったりしてる。

そして、みんな美味そうに米を食ってる

これがゴールだ!!

サウナの中で、嬉しくて、楽しくて、限界突破の15分入っていたし、外気浴では終始ニヤニヤしながら、そのビジョンを想像し、ワクワクした。

そして、そのためには何をすべきかも次々と頭に浮かんで行った。動画を世界中の人へ届ける必要があるし、動画を公開した後実際に世界へ行ってパフォーマンスする必要がある、その為には英会話も出来なきゃいけない、そして沢山の日本人に応援してもらう必要もある。

今までは動画を公開することが大切だったが、その先、つまり動画は手段で目的は実際に世界中へ行って、直接コミュニケーションを取りながら伝える事だと理解した。

そして、最終的な目的はやはり、世界を経由して日本人の米に対する意識を変えることだ。

2回目のコンサルでその事をしなやんに話すと、いいね!やりましょうと言ってくれたし、具体的な行動も決まった。

EP13:Ricepect project爆誕!!

2回目のしなやかコンサルの宿題は「プロジェクトの名前を考える事」だった。

それまで「海苔巻きプロジェクト(仮)」という名前だったので、改めて名前を考える必要があったことと、SNSのハッシュタグとしても機能するため必要だった。

とりあえず大量に候補を出して行ったが、自分で納得するものは一向に出て来ない。

また、サウナに行った。

そう、完全に味を占めていたのだw

そして3セット目、サウナ内、それまで50個以上の案を出していたためアイディアが出るわけでなく、暑さの中、呼吸に集中しながらもプロジェクトの事をぼんやり考える。


*心の声

「米に対する意識を変えるって、、米に対してとか米農家に対してリスペクトするって事だよな、、」

「暑い、、出たい、、」

「リスペクトってヒップホップ好きな俺っぽいよな、、、」

「暑い、、水風呂入りたい、、」

「リスペクトいいな使いたいな、、リスペクト、、ライス、、、」

「あ、、、」

「あああああああああああ!!!!!」

「ライスペクト!!!!!」


「Ricepect!!!!!」


ざっばーーーん!!(勢いよく水風呂に入る音)


最後に、、

ここまで読んできてくれて、本当にありがとう。

もう分かっていると思うが、今回のプロジェクトに関して僕は、周りの人達の力を借りまくってここまでやって来た。

逆に、その人達がいなかったら到底できなかっただろう。

そして、本当の勝負はこれから始まる、もちろん僕一人の力では不可能な事をしようとしている。

だから、このブログを読んで、少しでも興味を持った方、ワクワクした方、何か協力したいと思った方。

協力してほしい。

今までの人生の中で、これだけ人に協力して欲しいと思った事はない。

もう、変なプライドはない、自分の無力さも知ってる。

協力の仕方は、最後に記載するSNSのリンクをフォローして頂き、これから活動していく内容を見てもらうだけでいい、更に拡散してくれるともっと助かる。

もし、もう一歩踏み込んで協力してくれる、一緒にRicepectProject を成長させたい勇者がいるなら、コミュニティーを作ったので入って欲しい。

僕はプロジェクトメンバーの事をRiceGang(ライスギャング)と言っている、それは、この活動がある種強引なやり方だからだ。

正当なやり方ではない、愛とエンターテインメント性に溢れた強引なやり方だ。

だから、ライスギャングのクルーを募る、お互いをリスペクトし合い、ワクワクしながら一緒にゲームを変えて行くクルーを。

LINEコミュニティ↓

(こちらのコミュニティーへ参加するときは①ニックネーム②年齢③このnoteを読んで感じたこと④プロジェクトで自分がやってみたいこと、を最初の投稿で提示してください)

エピローグ

2022年の1月にコロナウイルスに感染し、ビジネスホテルで一人、今後の人生について自問自答していたとき、大好きなコテンラジオというポッドキャストを聞いた。

コテンラジオは、世界の歴史を面白く話してくれる超ウルトラ人気ポッドキャストなのだが、その時聞いたエピソードの中で、パーソナリティーの一人がこんな言葉を言ってた。

「我々人間って突き抜けることくらいしかやることないんだよね」

何もしなくても、突き抜けても、世界は変わらないかもしれないけど、歴史を変え、名前が残ってる人達は突き抜けて来た。だったら、何もしないよりは突き抜けた方がいいよね、みたいなニュアンスだったと思う。(下記のリンクの28分くらいから)

僕は凄く単純な男で

めちゃくちゃ真に受けた(前後の文脈も踏まえて)

僕は凄く単純な男で

よし、突き抜けようと決意した。

世界が目まぐるしく変化するこの時代。

僕も変化し、突き抜けて生きた方が楽しいに決まってる。

Ricepect Project は仕事でもなければ、ボランティアでもない。

もうお金は50万くらい掛けているが、そのお金を取り返そうとか、稼ごうとかも一切思ってない。

じゃあ何かと聞かれたら、自分でもよくわからない。

無理だろって思われるかもしれないし、笑われるかもしれないけど

やりたいからやる。

まだスタート地点にも立ってない気がするが

日本のお米へのリスペクトを取り戻す為に


米を炊いて歩こう。



※各種リンク

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